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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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9 ラヤーナ 光るラーゴの実をもらう(4日目)


昨日の反省をもとに魔法の練習には、日がまだ高い時間帯では多くの時間を割かないようにし、まずは神水を撒いてからにすることにした。先に魔法の練習をしてしまうと、昨日のような精神的な疲労感が強くなってしまいそうだ。まだまだ神水を欲しいという声が聞こえてくる。そちらを少しでも助けてあげたい。

ここは時間の感覚があいまいだ。ラヤーナは太陽といってよいものかわからないが明るく照らす日の位置でおよその時間の感覚を考えて動いている。


「時間ね…日時計でも作ったほうがいいかしら?そうするともう少し時間の感覚が分かるわよね。あとで日時計を作ってみましょうか。」


『・・・じ・か・ん・・・・ひ・と・・・か・ん・が・え・・・』


「時間はそうね、人の概念だから。ここは私の他に人はいないし、そのうちに他の人にあってみたい気もするけれど、今はまずこの森に元気になってもらうことが先ね。」


『・・・も・り・・・・・げ・ん・き・・す・る・・・・あ・り・が・と・う・・・』


「うふふ。さぁ、朝のお水撒きをしてきましょう。できればもっとたくさんの木にお水を上げたいからそのうちそれも考えないとね…」


ラヤーナは泉と木々の往復を始める。泉に行き水を汲み、手ですくいながら水を撒き、木に声をかける。泉の近くには、お話がしたいと言った木がある。水を汲みに行くたびに声をかけ、他の木々に水を撒き、また泉に戻って水を汲むときにその木と話をする。


「昨日よりも実が大きくなって、数も増えているわね。元気になっているのね。良かったわ。」


『・・・げ・ん・き・・な・る・・・し・ん・す・い・・も・・と・・・お・い・し・い・・・』


「もっと?神水をもっと欲しいの?」


『・・き・の・う・・お・い・し・い・・・い・ま・・も・・と・・・お・い・し・い・・・』


「ああ、昨日よりも今日の神水がおいしいってことなの?」


『・・・お・い・し・い・・・み・ん・な・・・う・れ・し・い・・・』


「よかったわ。そういえば、神水が作れるっていうスキルもあったと思うけど、それも考えないとね。まだ魔法もうまく使えないし、なかなか大変だわ。」


『・・・ま・ほ・う・・・・な・れ・る・・・か・ん・た・ん・・』


「簡単ではなかったのよ。なかなか制御が上手くいかないの。この世界の人たちはみんなどうしているのかしらね?」


『・・・こ・の・せ・か・い・・ひ・と・・・ま・ほ・う・・ふ・つ・う・・・』


「この世界の人には普通のことなのね…。私は魔法がない世界で長く生きていたから、使い方がよくわからないみたいなの。この世界の人には当たり前のことなんでしょうけれど…魔力の流れはわかったんだけど、制御することがねぇ…、魔力があちこちに行こうとするような感じがして自分で思うように動かすのが簡単ではないの、難しいわねぇ…」


『・・・ま・ろ・く・・・う・ご・か・す・・・・で・き・る・・・』


「魔力を動かすことができるの?何かコツがあるのね。」


ラーゴの木は全体でフルフルと揺れ始め、淡い薄紅色の光をまとい始めた。その光はラーゴの木の近くの木々や草にも優しく光を落とす。しばらく光っていたがやがてゆっくりと光が消え、上から薄く光るラーゴの実が落ちてきた。


「このラーゴの実、光っているわ。」


『・・・た・べ・る・・・う・ご・か・す・・・・で・き・る・・・』


「…食べると、魔力の制御が楽になるのかしら?」


『・・・な・る・・・う・ご・か・す・・・・か・ん・た・ん・・』


「…そう、それなら頂いてみようかしら。ちょっとお腹も空いているし。」


ラヤーナはそう言うと、もらった光るラーゴの実を食べてみた。




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