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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
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3-21 サフェリアの騎士参上

短めです

外ではバタバタと騒がしい音がし、悲鳴も聞こえる。自分とラティを拉致しようとした人たちを捕まえようとしているようだ。ラティが天井近くの穴から抜け出してから思っていたほど時間がかかっていないことを考えると、どうやらラティは相当頑張ってギルド長のところへ行き、助けを呼んでくれたようだ。

しばらくバタバタと音が続き、少し静かになったところで人がやってくる気配がした。


「誰か来る…!!!」


ラヤーナは一瞬身構えるが、外の気配は自分を害するものではなく、守ってくれるものだと感じとることができ、助けが来たのだとホッと安心した。


外からガチャガチャと鍵を外している音がし、ようやく部屋の出入り口のドアが開き、一人の大柄で屈強な体躯の男性が入ってきた。狼種の亜人のようだ。


「大丈夫か?」


「はい。ありがとうございます。」


「どこかに怪我は?」


「大丈夫です。特にけがなどはありません。身の安全は保障するって言っていたので…」


「……あぁ、拉致犯がそう言ったんだな…」


「はい。ですから怪我などもありません。あ、私の持ち物は…」


「団長、これはこの方の持ち物でしょうか?」


もう一人、こちらは細身ながらもしっかりとした体つきの男性が入ってきた。人間種の様だ。団長と呼ばれた男性は、視線でラヤーナの方へ聞けと男性に指示を出した。


「お嬢さん、これはあなたの持ち物でしょうか?」


「あ、はいそうです。ありがとうございます。」


「中に入っているものを確認していただけますか?もし差し支えなければ、こちらに出していただいて一緒に確認をさせていただきたいんですが…」


「はい、かまいません。特にみられて困る物は持っていませんので。」


「そうですか、それは助かります。女性の持ち物の中には男性が見てしまうには失礼になってしまうものもありますからね。」


「えぇ、そうですよね。お心遣いありがとうございます。今、入っていた物を出していきますね。」


ラヤーナはカバンの中に残っていたものを一つずつ出して、置いていく。

まずは3つの魔道具だ。1つは例の曰くつきものだ。目の魔法はもうかかっていないようなので、ただのガラクタの魔道具だとは思うが、あとで一応確認してもらうつもりだ。あと2つの魔道具は他の出店で買ったものだ。その他にお金は…特に取られたり減ったりはしていない。それから手巾…こちらではハンカチや手ぬぐいと言わずに手巾と言っているものだ。残っていたのはそれだけで、薬と魔法帳は例の穴の中に押し込めてある。


「カバンに入れていたものは、全部ありますか?」


「はい。大丈夫です。特に取られているものなどはありません。お金も全部ありました。」


「そうですか。それは良かったです。」


部屋にまた別の男性が入ってきた。


「団長、この家に隠れていた怪しいものは全部捕らえました。この部屋以外の魔法についても魔道具で処理済みです。」


「そうか、わかった。お嬢さん、こちらの部屋の魔法を解除するために、まずは部屋の外で休んでいてくれないか。状況を詳しく話してほしいがまずはこの部屋の魔法を解除する。セレスタン、お嬢さんを安全な部屋へ案内しろ。」


「分かりました、団長。それではお嬢さん、こちらにいらしてください。」


「え、えぇ…あの…でも…あの団長さん…ですか…お一人で…」


「あぁ、団長のことはご心配せずとも大丈夫ですよ。魔法解除の魔道具は反動があるため、強い力で魔道具を動かないように押さえつけて発動しなければならないんです。お嬢さんのいらした部屋は一番強い魔法が掛かっていたようですが、うちの騎士団では団長の力が一番強く、団長に任せていただければ安心ですからね。」


「…そうですか…」


ラヤーナはセレスタンという騎士に連れられ、すでに魔法解除が終わっているという部屋に連れていかれた。自分とラティを拉致した人たちはどうなったのだろうか…


「あの…私を…ここに拉致した人たちは…」


「あぁ、ご心配には及びません。すでに捕らえてサフェリア特製の檻に収監してあります。もう安心ですよ。」


「そうですか…ありがとうございます。」


ラヤーナはほっと一息をついた。その時にギルド長とラティが家の中に入ってきた。


『ラヤーナ~~~~~~~~~・大丈夫なの~~~~~~~・ラティ心配だったの~~~~~~』


ラティはラヤーナに向かって飛んできてラヤーナの周りを観察し、怪我などがないか確認をしている。ここには騎士たちがいるため、返事をするわけにはいかない。


『よかったのね~・ラヤーナ大丈夫なのね~~~』


「嬢、無事でよかった。」


「ギルド長、ご心配をおかけしました。」


「いやいや、ギルドも祭りの間目を光らせておいたんじゃが…隙を突かれたか…すまんのう…」


「ギルド長、こちらこそ申し訳ありません。私がうっかりしていたために…」


「うっかり…あぁ…それは仕方のないことじゃよ。好奇心旺盛な嬢だからのぉ。それよりも今向こうの部屋におるのは?」


「サフェリア騎士団の団長さんだそうです。」


「…そうか…今は?」


「部屋にかけてある魔法を魔道具で解除しているそうです。」


「おお、そうか。うむ…儂もちょっと見てくるわ。天井近くの穴も確認しておきたいのぉ…」


そう言いながらラヤーナが閉じ込められていた部屋に向かう。ギルド長はさりげなくラティにも視線を送ると、ラティもギルド長の意図に気づいたのか後をついていく。


『ラティが通ったところね~・ギルド長に見せないとね~~~』


ギルド長は軽くうなずくとラティと一緒に奥の部屋に向かっていった。


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