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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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8 ラヤーナ 魔法と格闘する1(3日目)


朝から日が高くなるまで水やりをし、昨日お話をしたいと言ったラーゴの木とたくさん話をし、その木からもらったラーゴの実を手に1つ持っている。今は昨日の薬草を干していたところまで戻ってきた。薬草の方もよい具合に乾燥が進んでいるようだ。近くの木の根元に座り、ラーゴの実を食べながら精霊の本を手に取る。


「ギーの葉は、あと数日は乾燥させる必要があるわね。そうしたら今日は魔法をためしてみようかしら。」


『・・・そ・れ・が・い・い・・・・ま・ほ・う・・・ひ・つ・よ・う・・・』


ラヤーナは持っていた精霊の本の魔法が載っているページを開いてみる。


まほう

れべる1 まりょくをかんじる

れべる2 せいかつまほうれべる2(しょきゅう)をつかえる

れべる3 せいかつまほうれべる3(しょきゅう)をつかえる

れべる4 せいかつまほうれべる4(ちゅうきゅう)をつかえる

れべる5 せいかつまほうれべる5(ちゅうきゅう)をつかえる


「…レベルが1だと、まだ使えないってことかしら。昨日本を見た時の私のレベルが1だったと思ったから、あぁ…昨日感じた体の中を流れているようなもの、これが多分魔力の流れなのね。」


周りの木々が 『そうだよ』 と揺れている。

ラヤーナは自分の身体を巡る魔力をゆっくりと感じとる。絢音のころにはなかった感覚だ。体の中を血液のようなそれとも違う何かがゆっくり巡っている感覚は意外と気持ちがいい。


「…でも、どうすれば魔法になるのかしら?私の水、火、風、土ってあったけれど、使い方が…うーん、よくわからないわね。本にもう少し何か書いていないかしら?」


ラヤーナは魔法と書いてあった次のページをめくる。


まほうしゅ

ひのまほう:ふぁいあ

れべる1 ひをだせる

れべる2 とてもちいさなひをつかえる (しょきゅう)

れべる3 すこしちいさなひをつかえる(しょきゅう)

れべる4 ちいさなひをつかえる(ちゅうきゅう)

れべる5 ふつうのひをつかえる(ちゅうきゅう)


みずのまほう:うぉらー

れべる1 みずをだせる

れべる2 とてもちいさなみずをつかえる (しょきゅう)

れべる3 すこしちいさなみずをつかえる(しょきゅう)

れべる4 ちいさなみずをつかえる(ちゅうきゅう)

れべる5 ふつうのみずをつかえる(ちゅうきゅう)


「風や土の魔法も同じね…。まず出せるって、いうことと使えるっていうことが違うみたいだから、そうねぇ…やってみるしかないかしら。もう少し何かヒントが…」


まりょくのしよう

かんがえたものがかたちになる


「…考えたもの?…イメージしろってことなのかしら?」


ラヤーナはまず火の魔法を考えてみることにした。この森は暖かいし、動物等に襲われることもないようだが、夜になると真っ暗だ。この3日は疲れてすぐに寝てしまっているが、そのうちもう少し起きていられるようになれば夜に過ごす明かりが欲しい。それに今はまだなくてもお湯を沸かしたり料理もしたり、それに自分は薬師の様だから調剤もしたい。前の世界の漢方医としての知識をここでいろいろと試してみたいという気持ちもある。それにこれまでここにいることはどこか夢だと思ってきた部分があって、自分の成さなければいけない何かがあることは感覚的に感じていても、自分の中では完全に理解していなかったような気がする。しかし3日ここで過ごし、自分はこの世界で生きていくのだとようやく理解し、それであるのならば生活できるようにしなくてはならない。それにレーリナへ森を助けると言ったのだから、その言葉に責任を持ちたい。できることは限られるのかもしれないがそれでもお願いされてそれを引き受けたのだ。やれることはやってみようと思う。


「火のイメージね…たき火とかかしら?」


ラヤーナがたき火をイメージすると体の魔力が急に流れ始める。しかし何も出て来ない。少し疲労感も出てきたのでイメージすることをやめると疲労感がなくなる。


「…疲れるのね…」


『・・・そ・れ・・・ま・だ・・・・・も・と・・・ち・い・さ・い・・・』


「…まだ?もっと小さい?大きすぎるってことなのね。そういえばレベル2で”とても小さない“ってあったものね…魔力のようなものが足りないから疲れを感じるのかしら?」


『・・・そ・う・・・・ち・い・さ・い・・・は・じ・め・る・・・・』


「なるほどね…小さい…とても小さいから始めればいいのね。そうしたら…指の先に小さな火が出てくるくらいかしら?」


ラヤーナは指先に小さな火が灯るようなイメージを浮かべた。すると指先に魔力がゆっくりと集まり、小さな明かりが灯る。


「あ、ついた!」


しかしすぐに消えてしまった。

確かにこれでは、火は「出せる」が「使える」状態ではないだろう。「使える」ということは自分の意志で、灯す、消す、明かりを保持するなどを制御できる必要があるということだ。これは少し練習が必要だ。でも少しでも火がつけられるのなら、森の探索した別の場所にあった枯葉や小枝を集めてそこに火を移せれば、夜の間の灯りになるのではないかと思う。もう少し柔らかそうな枯葉ならベッドの代わりとして寝るときに枯葉の上に寝ようと思ったが、硬くて少し先が刺さったのでベッド代わりにするのはあきらめたのだ。


しばらく火の制御を試みるが、なかなかうまくいかない。

「そう簡単ではないみたいね…疲れた…バケツで木々に水を撒くほうが疲れなかった気がするわ。体が疲れるというよりは、なんというか、身体の中が疲れるという感じよね、これ。」


休みながら火の制御練習をする。少しずつ、数秒単位で長くなっているが、まだ制御というにはほど遠い。ラヤーナの疲労感は強くなり、座り込んだ。


「これは…疲れるわ。まだうまく使えていないからだろうけれど、今日の練習はここまでね…。明日はもう少し水撒きや草刈りをする時間を長くして、魔法の練習時間を少なくしないと体がきついわ。」


『・・・ら・や・な・・む・り・だ・め・・・す・こ・し・ず・つ・・・・・・』


「そうね、無理せずに少しずつ進めましょう。魔法も使えるということが分かっただけでもよしとして、森が元気になるお手伝いをしながら魔法はまずは火の制御からね。」 


『・・・ら・や・な・・げ・ん・き・・・も・り・・・・げ・ん・き・・』


「えぇ。みんなで元気になるように頑張りましょう。」




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