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27.散策

共和国アグロスの捕獲地区にて。










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ガルガンチュア。

魔物をわざわざテイムする。

スライムだ。


『どうしてスライムを?』

『スライムは、物を収納したり危険察知能力が高かったり衝撃吸収効果があったりと色々と人間に()()()()()をカバーできるのだ。よって人間である間はこいつをいくつかテイムする必要があるのだ。』

『へぇ。』


今私たちは、ギルドから依頼を預かり、ある魔物の捕獲へ向かっている。

サラマンダーと呼ばれる生き物だ。


サラマンダーは火蜥蜴族(ひとかげぞく)の亜種だ。

火蜥蜴族とは熱を扱うのに長けており、魔物界においてはそこそこの強さを持っていると父親から聞いた事がある。


火蜥蜴族には第三の目があり、その目では幻術をかけたり、熱系統アビディティー“振動操作”を生まれつき持っている。

サラマンダーは第三の目を持たず、知性のない火蜥蜴族の事をいう。


アグロスの通貨の単位はレアルだ。

75レアルあれば一日宿泊所で満喫できるらしい。


今回の報酬は1000レアル。

かなりいい額だ。

2週間くらい宿泊所で過ごせるということか。

捕獲目標数は、5体。

ガルガンチュアは簡単なので100体ぐらいは倒すと言っていた。

人型()のガルガンチュアでは倒せるかどうか疑問だが、大丈夫か。


ギルドでは、追加報酬が貰える。

捕獲目標数を超えると、捕獲数の倍数に応じて報酬が増える感じになる。

今回100体倒した場合、20倍の報酬がもらえる。

つまり20000レアル。

ここまで来ると馬車と馬小屋がセットで買えるレベルになるらしい。




今2匹サラマンダーに遭遇したが、ガルガンチュアとラウトとしてアビディティー”万里壁”を使い、地面に叩きつけ、気絶させた。

すかさずスライムで収納。

…10秒。

やはり少し時間はかかったようだ。


鼻歌を歌いながら歩くガルガンチュアに質問する。


『お金貯まったらどうします?』

『まあ、そうだな。汝はどうするのだ?』

『私は、ここ最近道端に落ちてる葉っぱとかしか食べてないので魔物を食べます。まあ特に欲しい物は無いですし。』

『うーむ、実は我も何だが...』


『リアさんになんか買わないんですか?』

『...いいのか?』

『こればっかりは、あなたの稼いだお金という扱いですし。使う権限はあなたにあるので。』

『まあ、そうだが...ちょっと欲しいとかそういうのはないのか?』



『本音を言うとありますが、いいんです。』

『汝よ...人間の心が芽生えてきてるのか?』

『まあ、少し。なら?よくわからないです。』

『そんな短期間で..。もしかして虚空源史化の力か?!』

『えぇ、今更気付くんですね。』


『凄いものだな...更に凄くなると言うのだから恐ろしい。』

『ははっ、あなただって。』

『我は神の序列5位である、それぐらいは当たり前だな。』


そこにツッコミを入れるかの如く、サラマンダーが襲いかかってきた。

すかさず避け、スライムに収納するガルガンチュア。


それを機に、サラマンダーが次々とやってきた。

ガルガンチュアはどんどんスライムに収納していく。

余裕そうなので、不意に気になったことを質問をする。


『そういえば、神って死ぬんですか?』

『まあ、聞いたことはないな。』

『どうしてですか?』

『死ぬというのは真核が()()()()のとほぼ同義だからだ。』

『仮にそうなったとして…神って真核なくなるとどうなるんですか?』

『…何故その質問を?』

『気になって。』

『そうか…まあ、汝ならいいか。』


ガルガンチュアによると、生物に真核が無くなれば、生命のない無意味な()()()()状態になるらしい。

だが論理的には変わらずに変化が無いのでいつもと同じ生活をする。


ただ真核が無くなると、体が次第に衰弱し、最後には生命維持でさえままならなくなる。

それが我々の世界でいう死の事である。


そして、その真核がどこへ行くかはまだわからないらしい。


パンドラ…。

何故あれ程強いものが死んだと思うと正直信じられない。

まあ、今優先すべきは神になることだ。

そんな事を気にしてる場合ではないか。


『まあ、それより少し援護を頼む。』

『えぇ?仕方ないですね。』


こうして私達は残り90体のサラマンダーの捕獲を始めた。




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…100体目。


慣れた動作で、サラマンダーの動きを封じ、スライムへしまう。


終わった。

簡単だ、あと一万回できそうだ。

だが、ガルガンチュアは疲れてそうだった。


水を浴びたいと言って仕方ないので近くにあった滝で水浴び中だ。

…気持ちいい。


『ふう、疲れた。…この感覚も人間特有の物だな。たまにはいい。』

『そうですか。』

『汗かくのは楽しいだろう?』

『いいえ。わかりません、そういうの。』

『ええ?!』

『でも、水を浴びるのは気持ちいいですね。』

『そう…か。』


そういって滝から上がる。


『ギルド行きますよ。』

『…うむ。』


すると突然スライムが赤色に光り始め、顔を強張らせていた。


『あ、スライムがなんか苦しそうですよ。』

『おぉ…そりゃ!』


スライムが光る。

すると苦しそうだったスライムがいつもの細目に戻った。


『…今のはアビディティーですか?中々面白い現象でしたね。』

『あぁな。このアビディティーは”神導冥生”というものだ。』

『へぇ。どんなやつですか?』


『一度触れた生命を無機物に変えるものだ。逆もできる。』

『凄いアビディティーですね。』

『まあな。』


そんな会話を交わし、歩き出す。


『…暇だな。走るか。』

『そうですね。』


ダッシュするガルガンチュア。

人間の走る速度にしてはかなり速い速度だった。



ダッシュで30分。

ギルドの受付付近。

横たわるのは、一人の男。

完全に気絶している。

乗っかるスライム。


…バカだ、無理して走るからだ。


リアがスライムを退かし、大丈夫と肩を揺すった。

しばらくすると、目を覚ます。


「っは、す、すまない。」

「あっ、い、いえ、いいんです。」

「「…」」



そのまま付き合え馬鹿野郎。



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遅くなりました....



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