25.振返
ライブ後...。
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「「「わあああああああぁぁ...」」」
拍手喝采。
入場した時と同じように早々と去る奏者。
それについていく、ハイエナのような人々。
周りを見る。
ライヴが始まる時に空いていた客席も、今では全て埋まっていた。
みんなは、叫んでるか、誰かと話しているか、泣いているかだった。
...圧巻だ。
かなりすごい。
やはりいい予感とは当たる物だな。
...虚空間へいって10年ぐらい勉強した甲斐があった。
キャッチーな旋律、癖のあるヴォーカル、ドラムの衝撃、うねり。
そのどれもが吟味され、工夫され、作り込まれていた。
リズムの拍を崩しているのがまたいい。
始めに聞いている時こそ謎めいていたが、途中からそれがめちゃくちゃに良く聴こえてきた。
...これがレゲエか。音楽か。
理解した。
...様々なシチュエーションで感じるのが理解に繋がる。
それが音楽と気づくのにまあ恐ろしく9年と10ヶ月もかかってしまった。
音楽は難しかった。
一応、ゾルダの記憶にあったピアノと音楽を表現したり評価したりするワードだけについては付け焼刃だが理解をしておいた。
が...
それ以上に、アンディークはの曲は音楽と言うものを理解しやすかった。
これは半端では無かった。
50億年の人生の中で一番の刺激といっても過言ではない程だ。
よく分からなかったワードが一気に理解できるようになった。
因みに私は今ラウト以外誰の言葉も理解できない。
私は常時ファウンダーアビディティーを発動している。
簡単に言語の壁を超えられるからだ。
ただ常時発動しているので、他の情報を入手する時に深い所が解らない場合がある。
要はファウンダーアビディティーには限界が存在するという事だ。
しかしこの時間だけは音を直に感じたくなり、途中からファウンダーアビディティーの発動をやめて聞いてしまった。
とは言え、そんな全部解らないわけではなかった。
いつくかの単語は意味が予測出来た。
どうやら使っているうちに少しずつ、発動しなくてもわかるようになるようだ。
『やばい。ヤバいぞコレェええええ!』
今、どっかの誰かさんの奇声が聞こえた気がしなくもないな。
まあ、いいか。
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圧巻のライブを見た後は、一旦解散となった。
次に集まるのは2日後、バーンの店にて集合という事だ。
そのため明日は色々おこずかい稼ぎをする予定だ。
今回は流石にサブに頼むのは気が引けるので今夜は野宿にした。
結界は、張っていない。
『...汝は、全く...』
『?』
『知らぬ間に何て事をしているんだ。』
『...まあ、自分の強化ですね。』
『...汝が我を越すのも時間の問題だなぁ。』
『私はまだ神になれてないですし。知識、技量、経験も含めればまだまだですよ。』
『それにしても魔物の真核量が我の本体を越すとはど言うことなのだ。』
『まあ、半魔半神なんですけどね。』
『?!な。あああぁ!いつのまに!』
『仕方ないですよ。...というか追い越されるって...あなた自身強化を怠ってるだけではないんですか?』
『むむっ、そっそっそンなことはないぞ!』
『大抵そういう顔してる時は嘘ですよ。』
『決めつけだ!我はそんなに顔に出ないぞ!』
『はい、顔に出ないと言ったってことはやはり嘘ではないんですね。』
『う…。』
『…そう言えばですが今日のライブ、凄かったですね。』
『あぁ、あれは凄い。何しろ真核をコントロールしていたからな。』
『?!それって..、どういうことですか?』
『いい質問だ!教えやろう!魔物は魔力という分野においては凄い力をもっているが真核という物においては全く力をもっていないのだ!』
『えっ、っちょ...』
『しかーし人間は真核を無意識に使えるのだ。例を言えば、さっきのライブのように何かを伝えたり表現したりする時などがそれだ!』
『...。』
いきなり謎のスイッチが入ってしまった。
彼には変な落とし穴がまだまだいっぱいあるらしい。
だが...今回の授業は少し面白い。
『面白いのが魔物は真核量が多いのに何故だか真核が使えない。...さあなんでだと思う?』
それは...
『...創造思考?』
『正解だ。そのアビディティーのお陰で、神になるスタートラインには魔物の遥か上に立っているのだ!現に人間が神になった事例はあるが、魔物が神になった事例は一度もない!』
『へぇ。』
『...まぁ、汝は魔物から神になる輩の第1号になりそうだが。』
『...あなたのわりには面白い話ですね。』
『ふっ...だがどちらにせよおまえは神になった方が良さそうだ。』
『何故ですか?』
『あの輩が勇者なら、、今汝と同じような、いやそれ以上の状態になっている筈だ。』
『なるほど。...では、どうすれば?』
『芸術を感じろ!それだけだ!』
『なんでですか?』
『芸術が一番真核をコントロールするのに繋がるからだ。』
難しそうな要求をされる。
『まぁ、そう言うんなら。』
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虚空間内。
...また通知。
なぜ虚空間に入るとくるのかが分からない。
着信の意味が確実にない気がする。
今更だが、彼の持つファウンダーアビディティーては虚空間に入ったかどうかわからないようだ。
だから尚更分からないわけだが、なんだろうか。
[神にも色々います。]
答えになっていないが...確かだ。
まあいいか。
それで肝心の通知は...
[例題“真核においての世界と次元の概念”の演算終了。]
[同時に例題2“物理的人間の成り方”も演算終了。結果を表示します。]
まあ、先に見てみるか。
みなさんへ。
お待たせいたしました!
ご愛読、有難う御座います!
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