24.音楽
その後..........
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...虚空間内に戻った。
すると通知。
[種族の昇華の完了を確認。種族が妖狐族から、乖狐族に変化。]
何か種族が変わったようだ。
[ファウンダーアビディティー“族識図書館”が、“界識図書館”へ進化。]
と同時にアビディティーも進化した。
...まあ、凄い事になってるな。
思考が追いつか...
[乖狐族に進化したことにより、“個己炉”が“疑似創造思考”に変化。]
うわぁ。
まあ、まず一旦整理だ。
...人間の持つ感情は理解できた。それに加えて真核も理解した。
あとは...感情のアウトプットだ。
その感情を表に出す事か。
...分からない。
ゲゼルシャフトに演算させよう。
[...エラー。感情や、生命にしか存在しない物は計算不可能です。]
はい、打つ手なし。
しかもこいつ、最初から諦めている。
仕方ない。
ゲゼルシャフトには、他に気になった奴を演算させてみよう。
[例題を“真核においての世界と次元の概念”に設定。]
[例題2を“物理的人間の成り方”に設定。演算開始。]
...よし、戻ろう。
戻る意味は特にない。
だが、案外発見があるかもしれないしな...。
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戻って十数分後...。
裏路地の前で、ガルガンチュアとバーン、その他三人は一緒に話していた。
私は基本自由なので、ローやサブ、ゴヴェルノの回りを回ったり、ガルガンチュアの方に乗ったりするのを繰り返す。
ガルガンチュアが人と話している時はずっとやってたが此れが意外と楽しく感じたのは始めてだ。
ガルガンチュアは、バーンに別れの挨拶を告げる。
「...じゃあな、バーン。」
「ああ、ラウト。」
お互いに握手を交わし、それぞれの方向に歩き出す。
暫しの空白。
少しゴヴェルノのテンションが下がっているが、どうしてだろうか?
「さあ、行くか !」
と思ったら、後ろでいきなりテンションが上がるロー。
「またかよ...。」
「まあ、俺も好きだからな。」
「ゴヴェルノ、大丈夫だ。今日はおまえの好きなアンディークがやるらしい。」
「お...っちっ、しゃあねえな。」
「?」
「ラウト、今日は凄いぞ。」
「?!」
「やべえよやべえよ。」
「なんの話だ。」
「まあまあ、それは内緒だ。」
『どうやら音楽を聞くらしいですよ。』
『?!おまえもしや進化したのか?!』
『ご名答ですね。それで、どうします?』
『あー、まあ行くか。』
「お、おう。」
「おっしゃ、今日は盛り上がろうぜ。」
「そうだな。」
「...。」
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裏路地は色々ある。
さっきのはかなり危険な場所だという。
一人で行動するのは危険らしい。
そして、今いる裏路地は......。
少し汚いが、酒に酔っている奴が数人いるくらいで、治安は比較的良い場所らしい。
その裏路地を見て最初に受けた印象。
楽しそうだ。
ところどころにネオンという物があって綺麗だし、低音が各所から鳴り響いている。
そして、その低音それぞれに法則があり、なんていうか...おもしろい。
「おぉしゃ、どこだっけ。」
何気に一番テンションが上がっているサブの質問。
ローが答える。
「ここだ。」
そう言って、黒い重厚な扉を開いたローは扉の奥へと足速に進んでいく。
「よっし、さあ2カ月に一度のお楽しみだ!」
「まあな。」
「...」
完全においてかれるガルガンチュア。
しばらく歩くと、入り口が見えてくる。
中には人もいた。
その合間から見える、何か作業をしている変な3人。
…低音の正体がわかってきた。
面白い服装をしている誰かがが、線の様な物を弾いて音を鳴らしていたのだ。
4本のノブの様なものを動かして、鳴る音階を調節していた。
ピアノという楽器はゾルダの記憶にあったのでわかるが、それ以外の楽器に関しての知識はほぼ皆無だ。
あの楽器は何と言うんだろうか?
「やっぱ、あのベースに引きつけられるよなぁ。」
「まあな、初めて行った時の事を思い出すぜ…あのベースを聞いたときは飛び跳ねたなぁ。」
「ベースの動きは踊れる曲の基本だからな。」
なるほど、ベースか。
しばらく聴くと、少しベースについて分かってきた。
ベースは単体では音が小さい。
その、ベースの音を拾って音を大きくている増幅器があり、それを使って色々音を弄っていた。
アンプというらしい。
他にも、ギターというノブが6つある、ベースよりも高い音が鳴る楽器もあった。
この楽器もベースと同じ様にアンプを使うものだった。
中央にはドラムという楽器が設置されていた。
ドラムとは、色々な打楽器が合わさった物の様だ。
試し打ちを聞いたが、中々聴いてて楽しかった。
ガルガンチュアも、興味津々だった。
「どうだ?ラウト。これがレゲエだ。」
「面白いな。ビートが癖になる。」
「お、おまえもビートって言葉わかるのか?」
「あぁ...まあ、な。」
「凄えな。いつその言葉を知った?」
「確か俺の友達がトラップとかいう音楽を聴いてて...その後は分からないが知ったのはその時だ。」
「...トラップは知らないな。、なあサブ、そんなジャンルあったか?」
「いや、全く知らん。」
訳が分からない。
界識図書館で調べる。
なるほど、ジャンルというのは音楽の種類のことか。
どういう風に分かれてるんだろうか。
…うーむ。
ジャンルを“自分で決めろ”というのは、どういうことだろうか。
…もしかして、人によって感覚が違うからか?
何と無くそんな気がする。
すると、サブが二つ酒を持ちながらきた。
その内一つをラウトに差し出す。
「ほれよ。」
「…あぁ、ありがとう。」
「…」
「冴えねえ顔だな、ロー。酒飲むか?」
「辞めろ。茶化すな。」
「っはっは。冗談だ。」
「全く。」
すると、私たちが入ってきた入口から不思議な形をした帽子をかぶった変な奴が現れた。
そいつが素早く舞台の上に移動すると、照明が暗くなり、其奴だけが暗い空間に照らされる。
「みろ!アンディークだ!」
「「「おおおおおおお!?」」」
歓声がわく。
ギタが途轍もなく高く、煩い音を立てる。
が、気持ちいい。
そこにアクセントのドラムが加わる。
凄過ぎて、目を大きく開ける私。
そして、それと同じタイミングでアンディークは口を開く。
「ヨォ、ヨォ..」
…どうやら面白い事になりそうだ。
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