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22.結局

虚空空間にて....







------------------------------------------------------------------------------------




これは凄いかもしれない。



音には()()がある。

そしてその周期の頻度を周波数というもので、その周波数が変化すると聞こえる音の感じが変わる。


少しわかりずらいと思ったが、周波数が低い音を大音量で聴くとその違いが判りやすくなるらしい。


試しに虚空間で擬似的に試したが...なるほど、要は()()という訳か。

全身が小刻みに揺れてるのがその証拠だ。

音は振動なのか。

補足で、空気という媒体がないと振動は音にならないというのもある。


さらにそこから明らかになったのが、光にも周波数があるという事だった。


そしてそれら周波数の全てには、魔力がなければ我々生物が理論上に感知できる限界があるらしい。

魔力が、いや、真核がなければ。



そして、これが今回の目玉だ。


真核にも周波数がある。

個己炉の用途がわかった瞬間、真核が変化した。

私は意識してなかったが、ゲゼルシャフトにより感知できた。

その原因は、疑似人格による“人間への理解”という事らしい。


因みに疑似人格は人間の脳を分析して、自分の脳と結合させる事でできる。

しかし、潜在意識にあるものは真核にあるために再現は困難らしい。


だが、よく考えてみるとそもそも何故真核があるとわかったのだろうか?

確かその時は丁度最初に人間を虚空源史化した時だった気がする。


もしかして、真核を()()()理解するのが難しいことなのか?

そうでは無くとも理解をするには何かしらの条件があるのではないか?


その条件の可能性を絞ってく。


アビディティーなのは間違いない。

だが、わからない。

その先が思いつかない。


突如人間にある何かと魔物にある何かがあればいいという考えが浮かぶ。


答えは...


種族アビディティー“創造思考”だろう。


未だにどの魔物でも持っていないアビディティーだ。

期待はしていいのかも知れない。


ただそうなると魔物というのを表明するアビディティーがない。

そこが気になる。

何故だろうか。


...考えてみれば、人間()魔物じゃないのか?


何処にも人間が魔物ではないと証明できるものはないし、アビディティーに種族的な表記がないのもそういう事なのかもしれない。


...取り敢えず、人間になろう。

それしか糸口はない。


皮肉だな。

あんなに人間を嫌っていた自分がこうも人間になりたいと思うのは。

そして最近は、まあそんなもんかと思ってしまう。


少し、今。

振り返ろう。

個己炉で浮き彫りになった'本当の自分'が今までのことをどう思ったのか。







みんなと一緒にいた頃は、人間の本当の笑いなんて判りもしなかった。

負の表情で作られた嗤いしか見えてなかった。

怖かった。


けど、初めて殺して人間を吸収した時に知った。

人間も笑うと。

...その記憶は、どれも()()な物ばかりだったのだ。

瞳、顔、声、耳、頭から足まで全部がだ。

もちろん最期はみじめだが。


さらに人間が嫌いになった。

自分達と同じ、いやそれ以上に綺麗だった人間に嫉妬した。


以来、私は人間を遊ぶように殺し始めた。

その時、私を憎しみと好奇心が支配していた。


人間を何人殺しただろうか。

数十人な気はするが、殺してその記憶を奪った。


だが、


......まただ。

飽きたのだ。

いくら殺したって、家族や友達が戻る訳も無い。

殺しなんてつまらないと、心の奥底でずっと思ってたかもしれない。


だが、そう思いながらも人間を殺した。

まだ人間が憎かったからだ。


...ゾルダを殺し、吸収したあとに感じたことがあった。

そいつは、今までで一番いい生き方をしていた。

親も生きていて、友も一人も死んでいない。

愚かな選択を一回もした事がないやつだった。


...そいつの人生を見て、こう思った。




"()()男だな"と。




ここで気がつく。

私は、辛かった。

自分の家族や友人を亡くして。

だから一人で塞ぎ込んでいた儘だった。

今考えれば、家族や友人が殺されたまま、何もない場所で、途方も無い時間を過ごしていれば誰でもそうなると思う。


でも、たまに外に出ればインスピレーションを感じられていた。

人間を殺して、その人間の物語をずっと見ていたからだ。

その年数は100年ぐらいだったが、ものすごく濃厚な時間だった。

それが唯一の生きがいだった。


だが、もう人を殺したくはなかった。

流石に苦しかった。

殺した人間達が、私の家族や友人と同じように消えてくのが、少し心に痛かった。

何故か。


とりあえず無闇に人は殺さないことにした。


勿論ダンケルクは例外だ。

あいつだけは許せない。


なら...何をやろう?


復讐しよう。



その時はあまり考えてなかった。

今までの私の知識を総動員し、強い神を呼んだ。


その神は意外にも面白かった。

まるで、吸収した人間の記憶にいるようなやつだった。


さらに、その神自身も楽しんでた。

そんな姿を見ていると、何故かこっちまで楽しくなった。


他の人間も同じ様に見てみると、意外にも人間も面白かった。

一人につき一つ、エピソードがあったのだ。




...そうか、お互いに初めからあったんだ。


感情も、愛も、心も。


ただ、

お互いに恐れていただけなんだ。

触れ合うのが、理解するのが怖かっただけなんだ。


魔物も、人間も。


何故隔たりが出来たのかはわからない。

でも、終わらない。


争いも、殺し合いも。



......なら、あの時の様に、変えればいいのか。


同じ事を25億年前ぐらいに考えてた気がする。


結局...こうなるのか。


刹那、ゲゼルシャフトからの通知。


[真核の周波数の変化を特定。並行世界(パラレルワールド)の存在を確認。]


[続いて、アビディティ"真核感知"を獲得。"第七感知"が"第八感知"へ統合進化。]


[種族の昇華化が開始されます。]



ん?

これって...




------------------------------------------------------------------------------------




目が覚める。


いつのまにか、気絶していたようだ。


「初めまして。」


誰かの声がした。






大変長らくお待たせしました!!!




いつも読んでくださる皆さん、いかがでしたか!?

もし良かったら、ブックマーク、拡散などなど、お願いします!


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