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TS転生!?~金髪碧眼の魔術師は可愛い女の子とイチャイチャしたい~  作者: あだち りる
第二章「TS冒険者編」
39/41

36「悲しみを背負う少女」

投稿ペースを上げよう…。


上げよう…。


よう…。


う…。


…上がってないやん。

落ちてるやん、むしろ月一投稿の話じゃなくなってるやん…。


誠に、誠に申し訳ございませんでした。

投稿ペースを上げようとか言っときながら本当に、すみません…。


後、もうひとつ謝りたい事が、この小説、ほのぼの、作者が癒される様な、かるーい物語にしようと思ってたんですが、今回重いです、前半アルたんも言うように、重いです。


いや!大丈夫!今回だけ!シエル偏だけだから!後は緩いから!たぶん!

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

さて…食事は終わった訳だが、正直に言わせてくれ。


事情を聞きたくない、聞きたくないよ!

だってこれ絶対重い奴だよ…そりゃ最初は少し話を聞いただけで頭に血が登って、目がギラついちゃったけどさ。


俺そう言うの苦手なんだよ、わかってくれよ、こちとら十年間くらい割かし豊かなスローライフを送ってたんですよ。


もし俺の十年間を書き取った小説があったらそれ間違いなくスローライフ物だからね。


タイトル


TS転生!?~女の子になったけだ女神とスローライフを満喫してます~


こうなるからね。

いや、うん、ごめん、前置き長いしうざいとは思うけどとりあえず、俺の今の気持ちを吐かせて貰ったのよ、心の準備と言う奴です。


けど、もう後には引けない訳で、それに、シエルの助けになりたいしな。


俺は、意を決して、シエルの手をゆっくり包み、微笑んだ。


「シエル、何があったのか、話してくれかな?」


すると、シエルは辛い思いを飲み込む、語るのだった。











sideシエル



あれは、ボクが集落の外で遊んでいる時の事だった。


ボクはいつも通り森で獲物を狩り、パパやママ達のお土産にと思って集落へ戻った。


パパやママに誉めて貰いたくて、そう、いつもと、いつもと何も変わらない…はずだった。


「え…?」


集落から、煙が上がっていた。

近くに寄れば、そこはただただ熱い、熱くて、苦しくて、息が止まる。


「み…んな…?」


ボクは、ただ朦朧とした頭で、走り回った。

皆を探した、けど、姿は見えなかった。


どうして?


なんで?


皆は…どこ…?


ママ…パパ…?


「っ!!!!」


ボクの足は、止まった。

目の前には、パパとママが居たから。


ボクは、信じたくない現実を、ただ目の前に感じていた。

ゆっくりと、ゆっくりとパパとママに近付いた。


ボクは、ママの『頭』を抱いた。

ボクは、パパの『頭』を抱いた。


そして、その時にわかった。


ーこれは、現実だー


「ーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


声にならない叫びを、ただただ漏らした。

出ない声を、焼ける喉を押し殺して、、嗚咽の様な声を、燃え盛る炎と共に、涙を流して、叫んだ。


そして、ボクの意識はそこで途切れた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

気が付くと、そこは、檻の中だった。

冷たくて、お尻がじんじんした。


何が起きたのか、ボクにはわからなかった。

いや、わかりたくなんてなかった。

だって、この首に付いてるのは、奴隷の証。


そう、ボクは、いやーー


「うっ…母さん」

「帰りたいよぉ…」

「いやぁ…パパぁ…」


ボクら銀狼族は、奴隷にされたんだ。

されたのは、子供だけ、聞いたことがある。

銀狼族の子供は、相当なお金になるとか。


ふと、檻の方に視線を向けた、するとそこには、檻の外に、人が居た。


「おぉ~大量大量、銀狼族って炎によえぇって噂本当なんだなぁ…ドラゴンキラー、とか言われてる癖に」


銀狼族が炎に弱い、これは確かだ。

ボクらは確かに、ドラゴンキラーとは呼ばれているが、その実、集団でしかその力を発揮しない。


個々の力は弱く、事前の備えがあってこその、ドラゴン狩りだ。

でなければ、ドラゴンなどと言う強力なモンスターを狩続ける事など不可能だ。


だからこそ、突然に起こる事にはどうしようも出来ないのだ。


もし、もし事前にわかっていれば…パパやママは…!!


今更、こんな事を思っても仕方がない。

もうなにもかもが、手遅れなのだから。


その日から地獄の始まりだった。


ボクは、買われた。

買われたのは、悪名高い貴族の元だった。

聞いた噂は、痛め付ける事が大好きな、頭のネジが飛んでいる貴族、噂は本当だった。


「泣けや!!おら!!」


「ああああああああ!!!」


小さな拷問部屋、その鎖に繋げられ、痛め付けられる。

ボクは、そこでは喋ることを許されていない。


許されているのは、ただ惨めに叫ぶことのみ。

叫べば叫ぶほど、このクズは喜んでくれる。

そしたら、この拷問もすぐに終わる。

そうやって、自分に言い聞かせなきゃ、やってられなかった。


日に日にボクの、意識は遠退き、その奥底には、ドス黒い汚い感情が眠っていた。


人間…ゆ……な…い…


人間…ゆる…さない…


許さない…許さない…。


許さない!!!!!


「ゆ…る…して…」


けれど、出てきた言葉、弱々しく、響いた言葉は、醜く許しを望んでいたのだった。


そして、その言葉は、叶った。


「…もう叫ぶ気力もなくなったか…チッ…おい、こいつを捨ててこい、出来れば屋敷から離れた場所には、それと、捨てるときに銀狼族とバレたら面倒だ、何か被せておけ」


「かしこまりました」


「さて、次のおもちゃだ…高級品を壊す快感…たまらんなぁ…」


狂っている。


そんな事を思いながら、ボクは解放される喜び以上に、ボクの仲間がまた傷付けられると言う事実が、更に奴を怨む種となった。


そして、ボクは路地裏に捨てられた。

一日が経ち、ボロボロになった体を這いずり回るくらいまでは回復する事が出来た。


けれど、このまま行けば、死ぬことなんてわかっていた。


すぐにまた歩けなくなり、冷たくなった体を小さくする。


あぁ…もう動けないよ…もう…嫌だ…ボクは何も…何もしてないのに…。


「誰か…助けて…」


最後の希望だった。


振り絞った声だった。


すがるしかない、声だった。


「…うっ…んん…」


涙が出た、誰も、誰も助けてくれない。

この光のない世界に、もうきっと、このまま死んで行くんだ。


ーそう、思っていたー


「大丈夫!?」


響いたのは、希望に満ちた、優しさに満ちていた、声だった。

読んでくださり本当にありがとうございます!

流石に銀狼族が突然消えた理由までは話せませんでした…。

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