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TS転生!?~金髪碧眼の魔術師は可愛い女の子とイチャイチャしたい~  作者: あだち りる
第二章「TS冒険者編」
36/41

33「温もり」

作者の悩みをここで少し。


私、あだちりるは小説を書くときイヤホンをして曲を聞きながらよく書くのですが、ちょくちょく片方のイヤホンを外して邪魔するのはやめましょうかお兄さんや。

俺は、声のした方へ急いで向かう。

商店街の横の細道を抜ける。


「おいアル!いきなりどうしたんだ!?」


「誰かが!誰かが泣いてたんです!!」


絶対に聞こえた、聞き間違えるはずがない。

あんな悲しくて…辛くて…苦しくて…そんな涙の声を、気のせいで済ませられるはずかない!!


声がした方へ走って行くと段々とその声が近づいて行く。


そして、曲がり角を曲がるとそこにはーー


「大丈夫!?」


ボロボロの布を惑い、傷だらけで倒れている女の子の姿があった。

俺は急いでその女の子の方へ傍らへと。

一度脈を確認し生きてる事を確認してほっとする。


けれど…


察したのだろう、ツェルトは女の子側へと行くと一言。


「このままじゃ不味いな」


ツェルトの顔が少し歪む。


「えぇ、なので、なりふり構っていられません」


俺は女の子に両手を翳す。


「アル、お前治癒魔術も使えるのか?」


「使えます、なんなら一番の得意分野です!!」


俺は一気に魔力を込め、叫ぶ。


「【クロックリープ】!!」


使うのは五年ぶりくらいか?

あの頃の魔力量は少すぎてぶっ倒れたけど、今の俺ならこの程度の魔力減少は屁でもない。


すると、少女は暖かい光に包まれて行き、先程までの苦しそうな表情とは売って変わって、安らぎに満ちた顔をしていた。


そして、息苦しさもなくなり、すぅすぅと寝息をたてる。


「ふぅ…とりあえず、宿まで運びましょう、話はそれからです」


「そうだな」


俺とツェルトは女の子を背負い宿まで連れていった。

きっと、この時の俺の顔は酷いものだっただろう。

激怒に満ちた、そんな顔だっただろう。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

夢を見た。

パパ、ママがボクを優しく抱き締めてくれて、皆で仲良くご飯を食べる。


そんな幸せな夢をーー


「ん…?」


ゆっくりと目を覚ますと、灯りがあった。

しばらく見ていなかった、光。


「あ、目、覚めた?」


「っ!!」


少女は声がした方をばっと振り向いたら。

そこに居たのは、金色の髪を靡かせた『人間』の少女だった。


(に、人間…?どうして…?ま、またボクを…苛める…虐める…虐めるの…?)


少女は怯えた。

その姿に、少女がこの世で最も憎むべき『人間』と言う種族に。


(だ、ダメ!怖がっちゃダメ!抵抗しなきゃ!)


少女はキッと瞳を鋭くさせ、金色の髪の少女を睨んだ。

ガルルっと威嚇をし、牙をチラつかせる。


「あ!ご、ごめんね!?怖がらせるつもりはなかったんだよ?その、怪我は大丈夫?」


少女はそう言われて気づいた。


(そう言えば体の傷がない…?どこも痛くない…?)


「なん…で?」


少女は不思議に思いながら自分の両手などを見詰める。


「私が治したんだよ、何処も痛くないかな?!」


金髪の少女は椅子から立ち上がり心配そうに聞く。


「う…ん」


「そっかぁ…良かったぁ…」


すると、金髪の少女はほっとした様にヘナヘナと椅子にお尻を戻して行く。


(人間がボクを…助けた…?)


少女は疑問で頭の中が埋め尽くされて行く。

あれほど憎い人間が、あれほどボクらを嫌い、嫌悪し、利用してきた人間が助けた、と言う事実が。


けど、少女の憎しみは、その程度で消え去るものではなかった。

信じられなかっのだ、人間と言う存在が、ボクらにこれまでしてきた事を思い出せば、と。


記憶の中にいる人間達は、常に少女を侮辱していた。

何度この体に痛みを刻まれたろう、何度その汚い口で罵倒の数々を浴びせられただろう。


だから…人間なんて大っ嫌い!!


その時だった。

少女の頭に温もりを感じたのは。


「本当に、良かった」


少女の目に写ったのは、ただただ優しく頬笑む少女だった。

今まで見てきた人間とは何かが違うかも知れない、そんな淡い希望を抱きそうになった。


「はんっ!」


「いっ!」


少女は、頭に乗せられた金髪の少女の手を退かせその手に思いっきり噛み付いた。

反射的だったのだろう、どんなに優しい笑顔を向けられても、これまで親身共に刻まれてきた痛みが、そうさせるのだ。


ここで少女はハッとなり気付く。


(また…また殴られ…る…)


少女は怯え、歯の力を緩めたその時だった。

先程と同じ温もり、いやさっき以上に暖かい。


そう、少女は抱き締められていた。

抱き締められ、頭をゆっくりと撫でられる。


「大丈夫…大丈夫だから、私は君の味方だから…もう何も心配しなくていいから」


その瞬間、少女は理解した。

この人は今まで出会ってきたどの人間とも違う…今まで、こんなに優しくされたことも、こんな風に抱き締められたことも…パパとママにしか…。


この人は何処か、パパとママに似ている。

いつぶりだろう…こんな風に温もりを感じることが出来たのは。


(パパ…ママ…)


「うっ…!」


少女は、泣いた。

何もかもを吐き出すように、感情と言う波が少女の涙へと変わり流れて行く。

辛い感情、憎みの感情、そんな物など今は忘れて、ただ泣き喚いた。


金色の髪を持つ少女は泣き止むまで、ただただ優しく抱き締め頭を撫でたのだった。

【アルたんのプチ劇場】


2


アル「はいどうも皆さんこんにちわ!アルたんです!前回に引き続き第二回目のプチ劇場です!メインパーソナリティは前回と同様アルたんと」


ミーニャ「ミーニャですっ!」


ツェルト「ツェルトだ」


アル「で、お送り致します、ではさっさとゲスト出てこいやっ!」


アトリ「あ、アル…お前本当はそんな喋り方なのか?」


アル「はい今回のゲストはアトリ=シューレルさん、まぁ私アルたんの父様ですね」


ミーニャ「アルちゃんのパパだ!今日も剣を教えてくれてありがと!」


アトリ「おう、ミーニャは覚えがいいから俺も教えがいがある」


ミーニャ「えへへ~♪ありがとアルちゃんパパ!」


アトリ「いやぁ~♪ミーニャは本当に可愛い…な?あ、アル?」


ゴゴゴゴゴ


アル「おい父様、何俺の女神とイチャイチャしてんだ?ちょっと裏来いよ」


アトリ「あ、アル?目がその笑ってないぞ?」


アル「来い」


アトリ「はい」


ミーニャ「二人ともどっか行っちゃった…じゃあ私が今回は閉めようかな!お相手はミーニャと愉快な仲間達でしたー!ばいば~い♪」








ツェルト「メインパーソナリティってなんだっけ…」

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