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1「俺が求めてた異世界転生と違う」

一人、部屋で読書をしてる少女がいた。

その少女は、今年で五歳になる。

ショートの綺麗な金髪は神々しく、大人になればきっと物凄い美人になるだろう。

つっている目と、瞳に宿る碧眼は見ているだけで魅了されてしまう程に美しい。

白いドレス着ていてその姿はまるで王国の姫の様だ。


「…見たいな説明かなこれ」


俺は溜め息をつく。

俺が今置かれている状況を説明したいと思う。

まず、ここは何処かと言うと、言わゆる異世界と言う奴だ。

魔法と剣の世界、何でもありの世界。


そして、俺はどうやら『転生者』になってしまったらしい。

まぁ簡単に言うと異世界転生と言う奴だ。

まぁここまではいい…そう、ここまでは。


一度俺は本を閉じ、机から離れる。


「はぁ…」


俺は自分の部屋の鏡の前に立つ。

この通り、俺はどうやら『女の子』としてこの世界に転生したらしい。

それにしても本当に可愛いよな、俺。

なにこの幼女、めちゃくちゃペロペロしたい。

けどなんだろ…自分だと思うとめちゃくちゃ萎えるな…不思議な感覚過ぎる。


「この体…五年も使ってると流石に慣れてくるもんだが…」


俺は未だに文句があるぞ。

確かに、人生をやり直したいと言った。

あぁ言ったよ?だからって何で女の子な訳!?

元男にこの仕打ちはキツいですよはい!

これじゃあ俺ノンケに絶対なれない。

せっかくの異世界転生がこれとか本当に神様に文句言いたい、結局俺一生童貞で人生終了したんだけど。

あぁ…泣きたい、可愛い女の子に膝枕されて泣きたい。


と、こんな文句を言って既に五年が経つ。

ちなみに、この世界での俺の名前は、アルトリア=シューレル。

親からは、アル、と呼ばれている。


この、小さな村で親子皆で暮らしている。

村の名前は、ルクア村、緑がとても穏やかで、人も皆いい人でとてもいい村だ。

ここで、俺の新親の自己紹介をしよう。


俺の新母。


ルミア=シューレル。

歳は二十五歳、俺と同い年とか運命感じる。

母親に運命感じてどうすんだ。

俺の母様は、見た目、性格、スキル、共に全て満点の人だ。

綺麗な長い金髪がとても魅了される。


そして俺の新父。


アトリ=シューレル。

歳は母様と一緒で二十五歳。

またもや運命を感じる。

俺の父様は冒険者だ。

武器全般の扱いに長けている。

実際に戦う所を見たがクッソかっこ良かった…そりぁ母様も惚れるわな。


これが今の俺の母親と父親だ。


「よいしょ」


俺はベッドによじ登り部屋の窓を開ける。

すると、心地いい風が部屋に入る。

金色の髪の毛が靡く。

目に入る景色は、一面を彩る綺麗な緑や、畑、家の庭、森。

元いた世界ならきっと俺はこんな景色を見る機会はなかったろうな。


そう、俺は本当に異世界に転生したのだ。

この世界で、今を生きているのだ。


「アルー!」


「ん?」


庭の方から声が聞こえたので、視線を向けてみると、母様がこちらに手を振っていた。

俺も笑顔で振り返す。


「母様ー!父様はー?」


「お父さんは今狩りに行ってるわー!

今日はビックラビッツの煮込みシチューよー!」


「わかりましたー!」


飛び跳ねて俺は喜ぶ。

まぁ母様が作る料理は何でも上手いが、ビックラビッツのシチューはまた格別なのだ。

うむ、楽しみすぎる。


ん?心の中の声と表での話し方が違いすぎるって?

そりゃ一応俺女の子な訳だし、清楚な女の子を演じなきゃだろ。

それにもうかなり板についてやめれそうにないしな。


だが、絶対に俺は男を忘れない。

心の中の俺は男として居続けるのだ。


まぁそんな固い決意は置いといて、俺は部屋の窓を閉め、共にカーテンも閉め、ベッドから降りる。


「よし」


俺はは一言呟く。

俺は本棚にあった本を取り出し、ページを捲る。


「えっと…今日はこれを試して見ようかな」


そして、俺は本を片手に持ったまま右手を前に持って行き、手の平を広げる。

目を瞑り、静かに語り始める。


「《我は作る、その風よ、空気よ、空間よ、我が名はアルトリア=シューレル、願いを聞き届けろ》」


その詠唱と共に、風の弓矢が作り出される。

それを片手で操作する。


「よし、成功した」


次は…頭で念じて…消す!


風の弓矢は飛ばされるかの様に消える。


「やった!」


今俺がやったのは、異世界なら当然の様に存在する、魔術だ。

俺はこの世界に来てから、毎日欠かさず魔術の練習をしている。

先程読んでいた本も魔術教本だ。

魔術にはランク付けがされており。


Eランク。

Dランク。

Cランク。

Bランク。

Aランク。

Sランク。


と、ある。

一応俺はこの三年間でCランクまでの魔術は使える様になった。

正直魔術を使うのは体力と脳を使うから、最初の頃は本当に苦戦した。

けれど、今じゃ結構慣れた方だと思う。

多分だが、成長につれて魔力量が増えたお陰で疲れなくなったのだろう。

魔術教本に書いてあったが、魔力は成長と共に上がるらしいからな。


「じゃあ次は!」


無詠唱魔術!


アルは右の手の平を前に出す。


イメージしろ…風の弓矢…鋭く放たれる弓を…構造…全てを理解し、固定させるんだ。


「ッ!!」


風の弓矢が再び現れた。

額に汗が浮かび、息が荒くなる。


「はぁ…はぁ…。

やっぱり無詠唱魔術はまだ辛いな…出来るっちゃ出来るけど…普通の詠唱の倍は疲れるし」


けど、効率重視ならこっちを覚えた方が絶対にいい、魔術教本には無詠唱魔術はなかったけど、こっちを重点的に俺は練習している。

まぁまだ慣れていない訳だが。

ちなみに、何故俺が魔術何かを練習しているかと言うと、暇だから。

それだけだ。


二歳になった頃、異世界に来たから異世界っぽい事の一つや2つやろうかな、と思い、本でも読めば目的が決まるだろうと踏んで母様の書籍を漁っていると魔術教本が出てきたので、ちょっとやってみるか、ってなったのが切っ掛けだ。

こっちの世界の言語に関しては覚えるのはとても容易かった。

日本語の様に複雑な訳ではなく、記号の様な物で構成されており、それを覚えるのに二年掛からなかった。


そんなこんなで魔術の練習を三年間やり続けている。

その成果は少しずつだが出ている様で安心している。


その日の魔術の練習はそこで終了した。

俺の異世界での生活は、こんな感じでなんとかやっている。


「うぅ…トイレトイレ!」


俺はトイレに駆け込み、スカートとパンツを下ろし、腰に手を当てる。


「……」


訪れる沈黙。


「…もう息子はいないんだった」


俺は、無言で涙を流しながら、便器に座り、トイレを済ました。

この世界に来て、俺はもう息子は戻らないと、この五年間でわかってしまったのだ。

読んでくださりありがとうございます!

アルの心情は転生前、会話の時は女の子意識。

と言う感じで分けながら書きたいと思います!

これからもどうぞよろしくお願いします!

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