16「魔剣ツェルト」
「よし、ついた」
現在、俺は近くの山に来ていた。
まぁ山と言ってもルクア山なんだけどね。
ルクア山には登って十分程の所に結構広い平地があるんだ。
あの時のドラゴン退治の時に見つけた俺の秘密の特訓場所と言うかそんな所だ。
数回しかきてないけど。
ちなみに、ここにきた目的はこれだ。
俺は腰に装備していた短剣を取り出す。
「『魔剣』の実験開始といきますか」
父様から貰った『魔剣』の試し斬り。
もうね、貰った時からこの『魔剣』が気になりすぎて夜も眠れない程、俺はこの剣を使いたくてウズウズしていたのだ。
だって『魔剣』だよ?
あのファンタジーの王道の『魔剣』だよ?
これ絶対強いやつ、もうこの銀色に輝く鋭い刃がそう俺に語っているよ!
それじゃ、まずはこの剣の【鑑定】からだな。
もしかしたら【魔術付与】以外のスキルも使える可能性があるかも知れない。
「《全てを見通す目よ、今宿れ》【鑑定】」
俺は静かに唱え、剣を見つめる。
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【魔剣ツェルト】
武器ランク『英雄』
スキル:【魔術付与】【武具変換】【擬人化】【ステータス超上昇】
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「………ん!?」
やばい、驚きすぎて一文字しか出てこなかった…。
色々スキルにツッコミ所があるんだが、いやまず【武具変換】とか【ステータス超上昇】とかに触れたいけど、とりあえず置いとこうか!
【擬人化】
これよ!
【擬人化】!?え?何?え?人になれんのこの『魔剣』…。
「マジでぇ…」
どうしようか、これ…。
てかどうやって【擬人化】させるんだろうか?
ん~…とりあえず、魔力を込めたらどうにかなるかね。
よし。
俺は『魔剣』を両手で握り、魔力を込めて行く。
その瞬間『魔剣』が強く光を発する。
「眩しっ!」
俺はその光の強さに瞼を閉じる。
そして段々と光がやんで行き、俺はそれに続く様にゆっくりと目を開けた。
そこにいたのはーー
「問おう、あなたが私のマスターか?」
「……」
声が出なかった。
突然の出来事に混乱していたんだろうか、いや、そうじゃなかった。
ただ目の前の少女に、そのあまりの美しさに俺は、言葉を失っていたんだ…。
あれ、俺いつサーヴァント召喚したっけ?
まったく覚えがないんだが…いやま、この美少女金髪じゃなくて銀髪なんだけどさ。
「武器の英雄が一人『ツェルト』、召喚に従いここに参上した。
そして今、契約を確認した。
今ここにあなたの剣になることを誓う」
俺はまた固まってしまった。
何故なら、彼女が言った一言に驚愕を覚えたからだ。
彼女は今なんと言った?間違いなくこの耳は聞いていた。
『ツェルト』って…まさかーー
「五の英雄が一人…武器の英雄『ツェルト』…?」
「はい、マスター」
どうやら俺は、父様からとんでとないプレゼントを貰ったらしい。
すみません、今回は、今回は作者の後書きを書かせてください!!なんと、なんと!
ブックマーク登録100件行きました!本当にありがとうございます!もはや感謝しかありません!
とにかく、お礼が言いたかったんです、本当にありがとうございます!
そして、やっとツェルトを出すことが出来ました!