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13「英雄術」

あの日の出来事をきっかけに、ミーニャは剣術を習うことになった。

ミーニャの親も自分で身を守る術は必要だろうと容認してくれた。


勿論教えてるのは俺じゃない、父様だ。

父様は教え方がすごく上手い、だからミーニャも基本くらいはすぐに…と思ったのだが…


「やぁ!」


鋭く剣を振るミーニャ。

その振りから構えに戻る完璧な動作。


「成長しすぎじゃね?」


そう、ミーニャはこの一ヶ月で、剣術の基本所か、応用、戦術、動き、全てが予想を遥かに越えるスピードで成長していた。


成長速度こりゃSランクだな…。


俺はそんな苦笑いを浮かべながら新しい魔術を覚えようとしていた。


今回俺がやろうとしているのは【浮遊魔術】だ。

これが出来れば移動手段も楽になるし、なにより空飛びたい。


夢だよね、空飛ぶの。


「風属性の魔術を足にかけて…そしてそれを下に放射する行くぜ!」


俺は空を見上げ、叫ぶ。


「アァァイキャァンフラアアアアアアアアアアアア!?」


上に飛ぼうとした瞬間、俺の体は一回転した。

そして、思いっきり背中をぶつけた。


「い、痛い…」


想像以上に難しいな、空飛ぶの。


「大丈夫?アルちゃん」


「うん、平気だよミーニャ、ありがと」


俺は一人背中を痛めながら、ミーニャに背中擦って貰えた。


天使はここにいた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

夜に光る月が、アルの部屋を照らす。

アルは机にしがみついて、本を読んでいた。

その本はアルの母こと、ルミアの書斎から持ってきた一冊。


【英雄術】


と言うタイトルの本だった。

その本のおおまなかな内容は、昔に存在した英雄の五人。


武器の英雄『ツェルト』

戦士の英雄『ガレオ』

召喚の英雄『ミケテル』

武術の英雄『リベット』

魔術の英雄『ミタランテ』


この五人が織り成す英雄譚。

そして、英雄達が使っていた技、そうこの本のタイトルになっている【英雄術】と呼ばれる物だ。


アルはその中で最も興味を示した英雄が『ミタランテ』でだった。

彼女は、美しい金髪と碧眼の持ち主だったと言われている。


『ミタランテ』が作り出す魔術は正に神のそれに相応しいと言われていた。

アルはその物語に登場する『ミタランテ』の【英雄術】にひかれていた。


今日実戦しようとした【浮遊魔術】もその一つ。

原理やそれは書いていないが『ミタランテ』は自由に空を飛び、空中から魔獣達を一網打尽にしたと書いてある。


だが、今日のアルの有り様を見ればわかる通り、アルは成功に至っていない。

今までも、何度か『ミタランテ』の【英雄術】に挑戦してみたものの、どれも失敗している。


「はぁ…わかんない、『ミタランテ』は一体どうやって【浮遊魔術】【空間魔術】などを使ってたのか…」


爆発しそうな程に考えても、アルの頭の中の原理では成功に至らない。


「あぁクソ!今日はこれくらいにして、明日こそ成功させる!」


(俺は挫けないぞ…『ミタランテ』の【英雄術】を物にしてやる!もはやこれは男の意地だ!)


アルは今日も今日とて、努力を惜しまない、悔いの残らない毎日を心掛ける。

前世のアルは、出来ないと思ったらすぐに諦めていた。


努力と言える努力などせず、ただ日々を過ごしていたのだ。

けど、アルはこの世界でやり直すと決めた。

アルはこの世界で、思いっきり人生を謳歌するのだ。


「あ、そうだ今日の『ミーニャ日記』をつけなきゃ」


アルが密かに『ミーニャ日記』と呼ばれる日記帳にミーニャの毎日を綴っている事を知る者はいない…。

『ミーニャ日記』


今日のミーニャ。


ミーニャが剣術の稽古を終えると、ミーニャがこちらに走ってきました。

その時足をひっかけて転んでしまいました。

ですので、手を貸してあげるとミーニャは言いました。


「優しいアルちゃんだい好き!!」


この瞬間、思いました。

天使だと、ペロペロしたいと、レロレロしたいと。


その後抱きつかれたぷにぷにのロリ肌が今も忘れられません。

今日はそんなミーニャとの一日でした。


明日はどんなミーニャを見られるのか、楽しみです。

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