神界にて①
短いなぁ
というか会話文多目になってしまった
2回修正
アナスタシアの会話文を悪役っぽく修正。
アナスタシアの一人称に私というルビを加筆。
今日何度目かの『辺りを見渡す』。
何もなかった。
どこまでも白で染まって、恐らく無限に広がっている空間。そのなかにぽつんと。ちっぽけな存在が二つ。
いうまでもなく、私と………
「で?あんたはアナスタシアなのか?」
「は、はい。そうですわ」
アナスタシアの二人である。
「鑑定がどうとか言ったの、あれあんただよな?」
「え?は、はい。」
「あれめっちゃ怖かったんだからな!?」
「ひっ、ひぃ!?」
私が少し声を荒げてアナスタシアに感情を爆発させると、彼女はものすごくビクビクする。なんだろう。魚を連想させる。
しかし、今はそんなことに執着してる場合ではない。
「しっかしここはどこなんだ」
「私にも分かりません……」
先程も述べたように、辺りは見渡す限りの白い。行き止まりが見えない広々とした空間。そんななかで二人できり。
どうにかしなくても気が狂いそうである。
と、そこに
「お二人とも、災難でしたね」
闖入者が登場した。
★★★★★★★
「で、あなたは?」
「神です」
「………神?」
「えぇ、その神です。」
突如現れた謎の美女は自らのことを神と名乗った。ここは神界という神が基本的に暮らしている場所であるという。なぜ私たちがこんなところにいるのかと問えば、彼女が連れてきたのだという。
彼女は、チラッとこちらの後ろに目線を向ける。何かあるのかと見てみると、さきほどまでそこにはなかったはずのイスがあった。
「二人ともそちらにお掛けください」
「………」
「え、えぇ…」
渋々イスに腰かける。
「本題に入らせていただきますと、あなたは勇者召喚とやらに巻き込まれました」
「は?」
話を聞くと、私が通っていた学校のクラスが勇者召喚で召喚された。しかし、私は学校に行っていなかったので召喚されなかった。………はずだったが、召喚されるはずだった人物が召喚されなかったのでエラーを起こし、精神だけが召喚された。そしてその精神は、こちらの世界で薬を飲んで衰弱しきっていたアナスタシアに固定されてしまった。ということらしい。
容姿が似ているのは本当に偶然なのだそうだ。
「……帰れんの?」
「帰れます……が」
「が?」
「私が世界に干渉すると、なにかしら大きな影響が現れますので、私が帰すことはできません」
「…どうすんだよ」
「ですので」
彼女は、私の前に立つ。
「あなたに『チート』なるものを差し上げます」
「……………はぁ?」
目の前に、ご都合主義が現れた瞬間であった。
「え?干渉しちゃダメなんじゃないのか?」
「個人に干渉する分には大丈夫です。教会で祈ったという事象で無理矢理関連付けて神界に連れてきましたが、それも大丈夫でしょう」
教会に祈ったということで神と僅かながら繋がりができたので、多少強引に引っ張ってきても問題はないそうだ。しかも、神界に私が来たので、神界でも結構な無茶ができるのだという。
それが『チート』を授けることだという。
「あのー…………」
彼女と私が二人で話しこんでいたため、アナスタシアが会話のなかに入ろうと話しかけてきた。
こんな場所で一人だけ仲間はずれにされたらそりゃ困るだろう。私もそんなことになるのは嫌である。
「なんでしょう?」
「私はどうすれば………」
「そうですね」
彼女はすこし考え込んでから、話し始めた。
「今……あなたに関する情報を見ましたが………あなたは報われるべきです」
「それは、どういう意味ですの……?」
「しかし、あの体の人格は鈴谷茜さんの自我が固定してしまっています。ですので、彼女が自力でもとの体に戻るまで、あの体に戻ることはできません」
「そう、ですか」
「ですので、あなたは彼女のスキルとして生きて下さい。その情報を今渡します」
「えっあ、はい?あ…………わかりましたわ」
彼女の体から光る球体のようなものが出て、それがアナスタシアのなかに入る。すると、アナスタシアは何かを感じ取ったようだ。
それよりも…
「なぁ」
「はいなんでしょう」
「さっき私が自力でもとに戻るとか言ったよな?」
「はい」
嫌な予感がする。
過去最大の嫌な予感だ。絶対に当たる気しかしない。できれば当たらないでほしいが、多分当たるだろう。
「もしかして………チートやるから自分で帰れってことか?」
「その通りです」
最悪である。
どうだろう。読みやすいだろか。