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教会にて

短いっ!!!

すみませんっ!!!

ゆるしてっ!!!

「しかし、本当なんですねぇ」

「なにが?」

「あなたがいつものお嬢様ではないということですよ」


 現在私は、侍女であるリリアと、護衛を請け負っている若い青年を侍らせて街道を歩いている。歩きながら、先ほどの出来事を回想し始めた。


 私は、リリアに『支度をしてください』と言われたあと私なりに身支度を整えた。まず長い髪を水に濡らし、ヘアゴムがなかったのでハンカチっぽいので代用して後ろで纏める。即席のポニーテールの出来上がりだ。

 クローゼットを開けると可愛い系の服がたくさん。よく分からなかったため、適当に選んで着て下に降りる。すると途中でエンカウントした妹に話しかけられる。『あら、お姉様教かきゃああああぁぁぁぁぁ!?!???』

 悲鳴をあげられた。ひどい。あんまりだ。

 美的感覚は少なくとも人並みはあるはずである。


「あんな服装で降りてこられるとは思いませんでした………」

「そこまで酷かったか?」

「あれは女性がする格好ではありませんよ…………第一、お嬢様はいつも髪は下ろしておられます。そして、今の口調も気を付けてください」

「はいはい」

「お嬢様」

「……わかりましたわ」


 鈴谷茜、メイドさんに、どやされる。

 中規模とはいえ仮にも不良のリーダーっぽいのをやっていた私が、侍女であるリリアに気圧されるとは一種の事案である。


 回りを見渡すと、こう、現代社会ではあまり見ないであろう賑わいがあった。いや、田舎ではあるにはあるのだろうが、都会ではこういう風景はないだろう。

 車の音や店から流れる音楽は聞こえず、耳に入ってくるのは人の声のみである。排ガスで汚染されたあっちとは違い、空気が美味しい気がする。朝市のような呼び込みを昼にする頭の禿げた八百屋の店主。明らかに銃刀法違反であろうようなサイズの刃物を店先においてある武器屋。電気を使わずに動く謎の道具売り出している魔道具店。

 何もかもが、私にとっては新鮮であった。


「で、教会ってのはいつ着くんだ?」

「お嬢様」

「………いつ着くのですか?」

「もうすぐですよ」


 しばらく歩くと、私たち三人は教会に着いた。










「ようこそ、教会へ」


 なんかシスターのコスプレをしたばあさんが出迎えてくれた。いや、教会にいるからコスプレじゃないのか。


 シスターばあさんに着いていって、なんかでかい像の前にたたされる。


「では今年一年、アナスタシア様がが元気でいられるように、神に祈りましょう」


 なんか私の無病息災のためのイベントだったらしい。シスターのばあさんが、像の前にひざまづいて祈り出す。それと同時に、リリアも祈りだした。

 ちなみに護衛の青年は、教会前で待機である。私も待機したかったがこれは私のための祈りらしいのでそうはいかない。かったるいが、やるしかないだろう。本人がいない誕生日パーティーほどつまらないものはないのだ。


 ばあさんとリリアに倣って、ひざまづく。しかし、祈らない。こういうのは、目を閉じておけばいいのだ。祈る必要などない。というか、何を祈ればいいのか分からん。私は鈴谷茜であって、アナスタシアではないのだ。

 私は、ただひたすら時間がすぎるのを待った。











「あの………」


 目を閉じていると、後ろから声をかけられた。目を閉じていたので、自然と聴覚に意識が向いていた。そんな状態でかけられた声。


 ゾクッと、背筋に悪寒が走る。冷や汗がたらりと垂れた。

『━━━━━━━━━━鑑定。』

 頭の中に響いたあの声を思い出した。つまり、いまかけられた声は、私の声だったのだ。

 勢いよく後ろを振り返る。


「ひっ……!」


 するとそこには、まるで私のドッペルゲンガーのように瓜二つの容姿をもった少女がいた。いきなり私が動いたことにびびったのか、体を縮ませてビクビクしている。



 ……………ん?






「もしかして………アナスタシアか?」






違和感あったら教えてくれるとおりがたいですね

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ここまでスクロールした人に感謝を
死神は地球に転生したあと、異世界に転移しました
とか
現実は異世界よりファンタジーファンタジーしてました
とか連載中ですのでこちらもどうぞ
気に入ってくれた方はブックマーク評価感想をいただけると作者が狂喜乱舞したのち執筆スピードが上がるとか上がらないとか
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