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できないことの説明

少なーい②

「はぁ、はぁ、あっぶねぇ……」

(鎧を脱ぐところは見られたりしてなければいいのですが………)


 ところ変わってイシュタル家。自室に帰ってきた茜は、今尚絶賛気絶中のリリアをベッドに寝かせて、追っ手を気にしてカーテンを閉め切った窓からチラチラと外の様子を伺っていた。



「なんかねぇのか?こう、なんていうか、都合のいい魔法!」

(こ、こういうのはどうでしょうか?)



 頭の中にアナスタシアが提示してきた魔法のリスト。それらを片っ端から試す。

 家に結界、幻惑魔法、認識阻害を付与。半径10kmの自身の魔力残滓を消滅させ、同時にその範囲の人間に認識の阻害を行った。

 さらに風の魔法で匂いを完璧に消去、ある程度の記憶の改竄(幻惑魔法の応用。思い出せないだけ)も行った。

 そして不安を払拭するためにそれらを二重にかける。



「はぁ………」

(疲れましたわ……)

「そもそも、神さまからめっちゃスキルもらったし、それで帰れねぇのか?」

(無理らしいですわ)

「なんで?」

(転移は、時空魔法に属します。とある場所からとある場所に移動するということは、転移地に存在するというよりも、今現在の場所から存在が消えるという方が意味合いが強いらしく、それは『有』の神ではなく、『無』の神の領域だと……)

「ほぉん」


 ここに来てようやく緊張が少し溶けた茜とアナスタシア。しかし、それと同時に一つの問題も浮かび上がる。



「そういや……もうギルド行けなくね?」

(あ…………)

「ま、まぁ、いいじゃねぇか。冒険者なんかならなくても」

(…………)

「そうだよ、別に冒険者なんかならなくても旅とかできるし魔物も倒せるんだろ?な?冒険者は諦めようぜ」



 スッ



 茜の脳内に何かが流れた。

 それは、とあるおっさんとおっさんが結合(つながっ)ている映像であった。ねっとりとしたその水音に、思わず耳が腐りかける。



「うわあああああぁぁぁぁぁああああ!?」



 突然の映像に目を抑える。しかし、別に目を通して流しているわけではなく、あくまで脳内であるため、当然そんなことをしても映像は構わずながら続ける。当然、耳を抑えてもその音も聞こえ続けるのであった。

 目を瞑り、耳を塞ぎ、あーあーあーと声を出すが意味もない。しばらくして、その映像はプツンとテレビききるかのように途切れた。



(神罰です)

「てっめぇ!なんてもん見せてやがるアナスタシア!?」

(あなたが悪いのですわ。冒険者には絶対なってもらいますからね)



 茜はLGBTには理解のある方だ。別に自分のことではないから他人が同性愛でも特殊性癖でもどうでもいいのだ。

 しかし。

 しかしだ。

 いくら理解があるといっても汚いものは汚いのだ。第1見てしまった時点でそれは他人事ではない。

 関わらないからどうでもいいわけで、見るとなったら話は別なのだ。



(それと、さっきのはリアルタイムです)

「その情報絶対いらねぇから!」



 今まさに同じ空の下であのような汚いことが行われていると少しでも考えてしまい、思わず吐き気がする。

 そうやってぎゃあぎゃあと騒いでいると、ふと、ベッドで何かがもぞもぞと動く。



「うぅん……」

(ひとまずリリアを起こしましょうか)

「……そうだな」


 リリアは当然だが、健康そのものであった。











ホモ展開は蛇足

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ここまでスクロールした人に感謝を
死神は地球に転生したあと、異世界に転移しました
とか
現実は異世界よりファンタジーファンタジーしてました
とか連載中ですのでこちらもどうぞ
気に入ってくれた方はブックマーク評価感想をいただけると作者が狂喜乱舞したのち執筆スピードが上がるとか上がらないとか
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