勇者と女幹部のショートコント 2戦目
1戦目↓
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勇者
うーん、よく寝た。さて朝飯でも作るかな。
女幹部
やっと起きたか。
勇者
うわあ!お、お前、なんで!
女幹部
ふん。私とお前は敵同士。惹かれ合う運命にあるのだ。
勇者
違う!ここ俺の家だろ!なんでここに来たんだよ!
女幹部
お前が魔王城に来ないから私が直々(じきじき)に来てやっているんだ!ありがたく思え!
勇者
ありがたくねえわ!そもそも魔王城に行かなくなったのはお前のクソ長い話がトラウマになったからだ!
女幹部
やはり私に恐れをなしていたか。
勇者
そうなんだけど何か違う!
女幹部
まあ私に構わず早く朝食を作ってくれ。
勇者
構わずじゃねえ!帰れよ!
女幹部
私はパンで良いぞ。
勇者
張り倒すぞ!
女幹部
しょうがない。じゃあ私がみそ汁を作ってやろう。
勇者
いや、いいよ。
女幹部
これから毎日。
勇者
待て!お前居座る気だろ!
女幹部
失恋の傷はもう癒えたと思っていた。しかしどうやら、まだ完全に治っていなかったようだ。
勇者
(やばいこれは延々と話し始めるパターンだ)
分かった。朝飯は作ってやる。食ったら帰れよ。
女幹部
絶対に帰らない!何があっても帰らない!
勇者
なんだその確固たる決意は!
女幹部
私に帰ってほしければ、お前が魔王城に来なくて寂しい思いをしていた私の1週間の記録を聞け。
勇者
嫌に決まってんだろ!……とりあえず俺は朝飯を作ってくる。
女幹部
待て。キッチンに行きたければ私を押し倒していけ。
勇者
「倒す」だろ!「押し倒す」だといやらしい意味に変わってくるだろ!
女幹部
それくらい朝飯前だろう?
勇者
何ちょっとうまいこと言おうとしてんだよ!
女幹部
そうだ、私はみそ汁なら赤みそが良いな。
勇者
うるせえ!お前がそんな性格だから元カレに振られたんだろ!
女幹部
……!!!
勇者
あ、やばい。言い過ぎた。
女幹部
今私が振られたと言ったな。私が散々(さんざん)もてあそばれた挙句ぼろ雑巾のように捨てられたと言ったな?
勇者
そこまで言ってねえよ!
女幹部
お前の心の中はスケスケだ。魔王様のパンツのように。
勇者
お前あとで魔王に殺されるぞ。
女幹部
お前はどうせ『幹部だけに患部が痛むんですね』とか思っているんだろう。
勇者
……いや失恋の話どこ行ったんだよ!?
なんで急にブッ込んできた!?
女幹部
もうお前を許さない。「女幹部さん愛してる」というまで許さない。
勇者
乗らないからな!その手には絶対に乗らないからな!
―――――その時ドアの開く音がした。
魔法使い
おはようございます勇者さん。早くモンスター狩りに行きましょうよ。……。
勇者
あ。
魔法使い
……なんですかこの女は。
女幹部
聞いて驚け!私は勇者と30時間同じ部屋で一緒に過ごした女だ!
勇者
おい!言い方!お前が一方的にしゃべってただけだろ!
魔法使い
なるほどー。じゃあ勇者さんもまとめて殺しますねー。
勇者
イヤ―――!!!
終わり
お読みくださりありがとうございました!