表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された「大聖女」は有り余る魔力で今度はカフェを営む~イケメン王子の奥様は「元大聖女様」  作者: 蒼良美月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

2.自由への道

 今日は記念すべき私の夢が叶う日。


「カフェひだまり亭」のオープンの日だ。


 外がザワザワし始めたことに気づく。

 窓の外を見ると長蛇の列!

 嘘? まだ開店時間まで1時間はあるわよ?


 でもせっかくのお客様だしねぇ……

 とは言え、店は私一人での経営。あれだけのお客様を一人で相手するのは……


 うん。やっちゃう?


 一気に空間転移を使って材料を移動させ、成形と合成を使い一瞬で50個作り出す。


 これくらいで先ずはいいかしら?


 そして昨夜急遽作った自動精算機に目をやる。


 お金を入れたら自動でつり銭が出る中々の優れ物だ。我ながら力作である。


 あら、いけない! もうこんな時間だわ!

 さぁ、私の夢の実現の日よ!



「ひだまり亭開店します~いらっしゃいませ~~」


 私は大きな声でドアを思いっきり開けた。


「うわぁ~木の匂いがするわ~」

「明るいお店ねえ?」

「紅茶の良い匂い!」


 数名の女性客や年配の御夫婦、若いカップルなどが次々に入店して来て、あっという間に店は多くのお客様で埋まる。



 ──カランカラン


 店のドアが開く音がした。


「いらっしゃいませ~今日オープンした、ひだまり亭へようこそ~」


 私が挨拶すると、長身でかなりのイケメン男性が三人立っていた。


 三人ともタイプは違うが、全員イケメンと言われる部類であることは間違いない。


「すいません。まだ大丈夫ですか?」


 真ん中の金髪で色白、綺麗な青い目の男性が聞いてきた。爽やか系イケメンって感じかしら?


 私はちょっと頬が赤くなったのを誤魔化し軽く咳払いをする。


「あ、大丈夫ですよ。どうぞ此方に」


 お次は隣の少し赤み掛かった巻き毛で可愛らしい顔をした、癒し系イケメンさんが笑顔で微笑んだ。


「ありがとう」


 何この幸せな空間!


 ありがとうって何年ぶりに聞いた言葉かしら!

 音声録音魔法で保存して良いかしら?


「おいおい、か弱き女性が困っているではないか? さっさと奥へ座れ」


 最後は黒髪の少し強面の男性が私の顔を見ながら言う。


 あ、私が色々妄想していたのが、困っているように見えちゃったのかも。悪いことをしてしまったわ。


 まぁ、決してか弱くはないですけどね……これでも以前の私はAランクと言われる魔物程度なら一人で瞬殺出来た。時間は掛かるかもしれないけど、長期戦で戦うならSランクのドラゴンですら互角に戦えるかもしれない自信はあった。数多の魔法を駆使して敵を徹底的に弱体化して、最高位魔法を連続でぶっぱなせば良いところまでは行ける確信がある。


 まぁ、もうそんな前線での修羅場を経験するつもりは全くないですけどね。


 何で好き好んで年頃の女性が、自分の身を危険に晒してまで、血生臭い戦地で戦わないといけないのよ。しかも戦場に行くと、まともな食事を食べることが出来ないばかりか、お風呂にもろくに入れない日が続くのよ?


 あーー無理無理そんなの!


 あんなの女性がする生活じゃないわ!


 ボサボサの髪振り乱して、化粧っ気もなく目は吊り上がり……


 あの頃の私って自分で言うのも何だけど、アレはないわ。


 せっかくの新しい人生。それなりにお洒落をして、可愛らしい物に囲まれて、美味しそうなスィーツを満喫し、そしてちょっぴり恋愛なんかも出来たら? 


 キャーー恥ずかしぃ!

 そんな妄想に一人で浸っていたら。


「あ、あの? お嬢さん? そろそろ席に案内して貰ってもよろしいですか?」


 そう言って爽やか金髪イケメンさんが私にニッコリ微笑みながら言った。


 は! ヤバイ! お客様の前だったわ! 私ったら!


 あまりにもの前の世界のストレスから、愚痴の出放題だったようね。


 私は反省し、その騎士様に笑顔で答えた。


「申し訳ございません。お待たせしました。ではこちらへどうぞ?」


 自分の妄想を恥ずかしく思い、それを誤魔化す為に少し俯き加減に案内した。

 私は先程のイケメン騎士様三名を席に案内した。

 眼福とはこういうことを言うのだろう。私は一生分の運を今、使い果たした気がしていた。


 そんな目の保養も終り、お客様がみなさんお帰りになったところで、私は一息付き、自分の魔法で淹れた紅茶を飲む。


 あ! カップが空中に浮いてたら変に思われるかしら?


 私は急いで認識阻害魔法を掛け、念の為に店全体に結界を張った。


 まぁこの程度の空間魔法なんて初歩の初歩だから誰でも気軽に使えるだろうけど、中には魔法が使えない人もいるから念の為用心は必要ね?


 防犯用に結界を張り続けておくほうが良いかしら? 女一人だと思って変な人が入って来ても面倒だし……


 まぁ下手な盗賊の10人や20人地面に縫い付けるバインドで一瞬で動きを止めることは容易いけどね。


 バインド程度なら1秒も掛からずに発動出来るから心配は無いとは思うけど、一応何かあっても面倒だから結界魔法を掛けておいて。


 あ! どうせなら、盗賊用の檻を作ってバインドと同時に発動するように改造しとこうかしら?


 縫い付けられた悪党共を結界空間に閉じ込める檻を作成し、少しづつ殺さない程度に中の空気を減らしていくように作成しておいた。


 これで防犯対策も安全よね?


 何しろ私はか弱き女性ですもの。用心しないと!


 うふふふっ。


 ──そんな物を笑いながら作るお前が一番悪党じゃわ。と何処かで声が聞こえたような? 気がしたことは、この際気にしないでおきましょう!


 周りのみんなや親切で優しいお客様のお陰で、なんとか店の経営にも慣れて来たと思っていた矢先、事件は起きたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ