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神話の終焉

【注意・免責事項】

※本作品は生成AI(Gemini)を活用して執筆・構成されたフィクションです。

※本作は架空戦記であり、実在の人物・団体・国家・史実とは一切関係ありません。作中の描写は物語上の演出であり、特定の政治思想や戦争行為を称揚・助長する意図はございません。

※作中には戦争描写、残酷な描写が含まれます。

一九八X年十月十五日、早朝。  カザフ・ソビエト社会主義共和国の荒野を、冷たい秋の霧が覆っていた。


 前日に到着した先遣隊に続き、シベリア鉄道で輸送された五個師団の主力部隊が展開を完了していた。  その静寂は、地平線を真っ赤に染め上げた千以上の「火の柱」によって、暴力的に引き裂かれた。


「全車、撃て(アゴーニ)!」


 アレクセイ大尉の絶叫が無線機を震わせたと同時に、チェリャビンスク-XXを包囲した砲兵陣地が一斉に唸りを上げた。  ソ連軍が誇るBM-21「グラート」多連装ロケット砲の群れが、独特の「シュルルル」という風切り音を撒き散らしながら、一二二ミリロケット弾の雨を市街地郊外の平原へと降らせる。


 そこには、昨夜からゲートの「虚無」より溢れ出していた、異世界の軍勢が密集していた。


 数千のオークたちが、獲物を見つけた興奮に豚のような鼻を鳴らし、青銅の斧を振りかざして突撃を開始した瞬間だった。  だが、彼らが泥を蹴って一歩踏み出すよりも早く、科学がもたらした「鉄の雹」が大地を無慈悲に耕した。


 ドォォォォォォン――!


 一発のロケット弾が、密集するオークのど真ん中で炸裂する。  魔力で強化され、小銃弾を弾き返すはずの強靭な筋繊維も、数千個の鋼鉄製破片フラグメントが音速を超えて飛散する物理的な破壊力の前では、ただの柔らかい肉の塊に過ぎなかった。


 衝撃波が巨躯をひしゃげさせ、次の瞬間には緑色の血と千切れた四肢が真っ黒な泥とともに空を舞う。  オークたちは、自分たちが何に攻撃されたのか、どこから死が飛来したのかを理解する暇さえなかった。  広範囲に広がる火網の中で、神話の戦士たちはなす術なく蒸発し、炭化していった。


「……信じられん。これが、あの夜の化け物どもか?」


 アレクセイ大尉は、愛車である最新鋭戦車T-80Uのハッチから身を乗り出し、双眼鏡でその凄惨な光景を眺めていた。


 彼の背後には、数百両の戦車がV字の陣形を組み、ガスタービンエンジンの甲高い咆哮を上げながら、時速六十キロで荒野を蹂躙していた。  かつて「NATOとの第三次世界大戦」を想定し、ライン川を一気に駆け抜けるために鍛え上げられた鉄の軍勢。  その圧倒的な質量と火力にとって、盾も持たずに平原を走ってくる前近代的歩兵の群れは、戦争の相手ですらなかった。  それは、ただの移動する標的に過ぎない。


「目標、残存する重量個体。一二五ミリ、榴弾装填! 距離二千、撃て!」


 アレクセイの命令に合わせ、T-80Uの滑腔砲が火を噴く。  自動装填装置が金属音を立てて次弾を送り込み、わずか数秒の間隔で二発目が放たれる。


 二千メートル先で、仲間の死骸を乗り越えて突撃を続けようとしていたオークのリーダー格が、頭部から胸部にかけて一二五ミリ弾の直撃を受けた。  爆発。怪物の巨体は、まるで内側から爆破された風船のように霧散し、緑色の霧へと変わった。


 上空では、低空侵攻に特化したSu-25「グラッチ」攻撃機の編隊が、空を覆わんとするドラゴンの群れを捕捉していた。  異世界の王者が誇る数千度のブレスも、時速九〇〇キロで飛来し、レーダーで正確に照準を合わせる攻撃機の三〇ミリ機関砲の前では、虚しい花火に等しかった。


「目標、翼竜。三十ミリ、掃射。……墜ちろ、このトカゲ野郎!」


 バリバリバリという乾いた破壊音が、ジェットエンジンの轟音を突き破る。  ドラゴンの硬質な鱗を、劣化ウランを芯に持つ徹甲焼夷弾が容易に貫通し、体内の魔力器官を爆発させる。  翼を千切られた五トンの巨体が、重力という物理法則に従って絶叫しながら墜落し、地面に激突して爆発的な粉塵を上げた。


 アレクセイの戦車隊に同乗しているイワン二等兵は、潜望鏡越しにその光景を震える目で見つめていた。  彼は昨夜の重傷で包帯だらけの姿だったが、「敵を知る唯一の証人」として、軍医の制止を振り切り、無理やり最前線のナビゲーターに志願させられていたのだ。


 彼が昨夜、泥の中で絶望しながら見上げた、あの絶対的な恐怖の象徴。  パヴェルの命を奪い、最新鋭の検問所を一瞬で焼き払った「豚の巨人」や「空の主」たちが、今やソ連軍の組織的な火力運用の前で、ただの生ゴミのように処分されていく。


「……これなら、すぐに終わる。明日には、家に帰れるかもしれない」


 イワンは、吊り包帯で固定された右手を庇いながら、自分に言い聞かせるように呟いた。  科学が、……偉大なる祖国ソビエトが、迷信の怪物に負けるはずがない。


 前線司令部のヤゾフ国防相もまた、無線機から次々と届く「敵個体、次々と沈黙」「ゲートに向けて順調に進撃中」という報告に、パイプをくゆらせながら安堵の表情を見せていた。


 だが。  進撃する戦車隊がゲートの「境界線」に近づくにつれ、イワンは奇妙な違和感を覚えた。


 地平線を真っ黒に染めていた魔物の死骸。  その山から立ち上る、不気味な「紫色の霧」が、まるで意思を持っているかのように、進撃するソ連軍の車両を包み込み始めている。


 戦車隊がゲートから半径五キロ、その「見えない境界線」へ足を踏み入れた、その時だった。


 アレクセイの戦車の中で、不気味な警告音が鳴り響いた。


「大尉同志! 第一エンジン、回転数が低下! ……射撃管制装置にノイズが入ります! 照準が合いません!」


 操縦手の悲鳴に近い叫び。  さっきまで完璧に動作していた鋼鉄の猛獣が、突然、病にかかったかのように震え始めた。

圧倒的な勝利ムードから一転、ソ連軍の誇るハイテク兵器に異変が。 次回、第5話。科学が通じない「魔の領域」での絶望的な戦いが始まります。

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