第五話 役場にて(一)
身分登録をしたいが役場の場所がわからない俺は使えないお荷物女神を引き連れて歩き回っていた。
「ねぇ、疲れたんですけど。そろそろ足が限界なんですけど。」
「うるさいお荷物女神、お前もまじめに探せ」
「私は陽狐よ。お荷物女神なんて呼ばないで。」
「はぁ…じゃあ陽狐、お前もまじめに役場探せよ」
「むぅ...あ、あれじゃない?あの建物!ファスタヤクバって書いてあるわよ!」
「でかした陽狐!!さっすが女神だぜ!!!」
「ふふん!そうそう、そうやって私をあがめなさ...っておいてかないでよぉ!」
この町ファスタっていうのか。異世界系の定番は大体そうだけどなんて安直なネーミングなんだろう。
そんなことを思いながら何かわめく陽狐を横目に役場に向かった。
役場に入ると結構人がいて酒場のような内装であった。名前はともかく内装はまさにRPGのギルドのようだ。俺はさっそくきれいな受付嬢さんの列に並ぶ。
「ちょっとトオル、あっちの方がすいてるのに何でこっちに並ぶの?」
「キ、キブンカナァ...」
「ふーん...」
やめろそんな目で見るな。
そうこうしているうちに俺たちの番が回ってきた。
「あの、身分証登録をしたいんですけど...」
「こんにちは。この町は初めてのようですね?ようこそファスタへ。身分証というと冒険者登録、住民登録、商業登録とありますがどれをなさいますか?」
「じゃ、じゃあ冒険者登録でオネガイシマス...後ろのこいつの分と二人分で」
「どうしたのトオルゥ、あんたきれいなお姉さん相手で緊張してんの???引きオタはこれだからさぁプクク」
陽狐は後でしばいておこう。
「アハハ...二人分ですね?では登録料一人500リンかかりますのでお二人で1000リンをいただきます。」
とーろくりょー?リン?
「なぁ陽狐、お前お金とか持ってる?」
「持ってないわよ、あなたを異世界に送ったら温泉に戻るつもりだったから温泉旅館に財布も全部置いたままだし。」
「…」
ほんとこいつ使えねぇ...
どうも!羽里あきです!!!
いやぁ陽狐はほんとに使えない女神ですね!どこぞの狂人宗教の元締めの水の女神みたいですよね!!!
しかしご安心ください!
これから陽狐もちゃんと活躍の場は用意して...して......まぁはい!。
ここ数話は800字で投稿していますので、更新頻度をあげてもいいかもしれませんね!
現在は0時、6時、12時、18時の一日四回ペースで更新していますが話が進まな過ぎるのでもしかしたら頻度上げるかもです!
本作もお読みいただきありがとうございます!!
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