第一話 徹の処遇(一)
死の直前の状況を思い出し、少し冷静になった俺は目の前の美少女をみる。その美少女はなめらかな金髪ロングに狐耳が生えており明らかに人間離れした容姿であった。胸は控えめであったが赤く♨の付いた浴衣を着こなしていて...うん?温泉マーク?...まぁそこはいいか。
「俺、死んでしまったんですね…あなたは神様ですか?」
俺が質問すると神と名乗った美少女は優しいほほえみを浮かべて頷く。
「ええ、私は日ノ本の神の一柱、陽狐と申します。あなたは残念なことにお亡くなりになってしまわれたので、私が審判を行います。」
優しそうな神様だ...服装はややおかしいけど
「あの、俺はどのように死んだのでしょうか?そこだけ思い出せなくて...」
「ぷふっ、あなたの死因ですか?...クククッ聞きます?」
うん?なにがおかしいのだろうか。
「あなたは神社の階段を降りようとして足をグジりました。そして足をグジった痛みで悶絶しているうちに階段横の手すりに頭をぶつけてそのまま...プフフフ、アハハハッ↗ハハハハハハ」
「…」
なんて情けない死に方だ。我ながら恥ずかしい…で、この温泉女神はいつまで笑っているのか。
「あなたみたいな面白い死に方する人そうそういないからねフフフ、ついねプフッ」
「いつまで笑ってんだ!!!神のくせに人の死を笑いやがって!!!」
「フフ、まぁ私もあんたのせいで仕事さぼって温泉入ってたのにかえって来ることになったんだからこれくらい受け入れなさいな。」
「なめんなこら」
なんだこの女神、こりゃあれだな駄女神ってやつだ。
「アハハ、あー面白かったぁ!ところであなたの裁きだけどね?」
「裁き?」
「ん?あー裁きっていうのはね?天国的な所に行くか地獄に行くかを私たち神が審判をするのよ」
「なるほど」
日ノ本の神とか言ってるから神道的なのかと思ったらそこは仏教っぽいんだな。神の世界は複雑怪奇だ。
俺の思考をよそに女神は書類を見ながら思案している。
「あーあなたは地獄行き確定ね、おつかれ、頑張って!」
「は?なんで地獄行きなんだよ!?俺は人畜無害なナイスガイだったはずだ!!」
「ナイスガイかはともかく引きこもりがよくなかったわね、引きこもりって一般に家族に迷惑をかける行為だもの。ネットで仕事するとか社会貢献の機会はあったのにゲームしてるだけだったし、精神的な異常もそこまでないみたいだしね。」
ぐうの音も出ねぇド正論言われちゃった。
「で、でもそれで地獄ってのはさぁ…」
「そこで提案よ!」
地獄行き回避の交渉をしようとしたとき女神が食い気味に詰めてきてこういった。
「あなた、異世界に興味ない?」
「あります(即答)」
どうも!羽里あきです!
最近ほんとに寒いですよね...
一生引きこもっていたい...
地獄行きだったとしても今外に出るよりはましなはず...
やっぱ地獄のほうが嫌かもしれないです
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