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夏の章 鬼灯が照らす灼くる季節 淡咲1

璹餽 名前改名。(2025.7.17)


鬼灯が照らす灼くる季節[淡咲1]


武士の島脇(しまわき)から鬼狩りの立ち上げの依頼をうけ、鬼退治をこなしていた。

両親が鬼に殺された孤児や人に両親を人に殺された子供を連れて帰っていた。

煉華(れんげ)夢茨(ゆめじ)の出ている間に子供たちの様子を見てくれているので安心は安心なのだが、実質鬼狩りの組織として動いていないのだった。

「……鬼狩りの仲間探さないと行けないけど……」

「……人を護りたいと言う人を探すしかないだろうな。」

 悩む夢茨に煉華は応えていた。

「それだけじゃダメなんだ……」

 煉華は首を傾げていた。

「何故だ? 鬼を狩るからには人を護りたいという気持ちがある者が妥当だろう」

 違うのか?と蓮華は夢茨を見た。

「良い鬼も居るんだ、その人たちまで倒す必要は無いから、……」

「今は、そこは考えなくても良いだろう」

 夢茨に対して煉華は答えた。

「……うーん」

 納得していない夢茨。

「集めてしまって、篩をかけてしまえばいいんじゃないか? 子供たちは大人の気配が敏感だ。子供たちが慣れた者を鬼狩りへと登用してもいいんじゃないか?」

夢茨は「そうだよね」とうなづいていた。

「さて、ちと肉取ってくる」

 煉華はそのまま出ていった。

「はい、行ってらっしゃい……」

 夢茨は手を挙げて見送った。


 敷地内に畑を作り食物を作るようになって作物の世話はほぼ夢茨と手伝えるようになった子ども達がしている。

子どもたちも元は、家業として動いていたようで下手したら夢茨より上手い。

「夢茨さん、煉華さまはなんで“さま“なの?」

「…………えっ?」

 子どもたち全員首を傾げている。

「それは、うん、煉華さまは、煉華さまだから」

 夢茨は汗を流しながら答える。

 答えになっていないことに気づいているのか。

「煉華さま、身分がすごい高い人なのかな」

「そうかもしれないね」

 子どもたちが口々に話していく。

「もしかして武士様とか?」

「それすごいね!!!」

 煉華のイメージが勝手に独り歩きし始めている。

 (おれ、わるくない……)

  夢茨は心の中で自分に言い聞かせていた。


  玄関の門構えに人影が近づいてきていた。

  子どもたちは身体を強ばらせて玄関の方へ身を向ける。

 獲物を籠に入れて戻ってきた煉華を見て煉華へとみんな走って囲みこんでいた。

「……煉華さまー!」

 わっと囲まれた煉華は驚く。

「何を捕まえたの?!」

「おおきなやつ?」

 煉華は、籠を下ろして見せる。

「あれ? 小さい」

「大きな獲物は持って帰るの疲れるんだよ それに強そうだったし」

 小さい、しょぼんとなっている子どもたちに煉華は苦笑して言う。

「煉華さま、強いのに」と子どもたちが口々につぶやく。

「えっと、おまえら、私は、野獣にも勝てるやつとか思ってないか?」

「さすがに野獣には、煉華さまでも勝てないよ」

 夢茨がたまらず声を上げる。

 人に紛れて生きるために極限まで鬼の気配を押さえ込んでいる。そのため普段は人と同じくらいにしか動けないのを夢茨は理解していた。

「……夢茨が私のことを“さま“つけ辞めたらこの子達も様付けしなくなるかもな」

 煉華が冷めた目で夢茨を見つめて声を放つ。

「……えっ、今更呼び方は変えれないんだけど……???」

「……なるほど」

 夢茨の言葉に煉華は頷く。

「まぁ、呼んでみろ。 新たな発見があるかもしれんぞ?」

 意地悪な笑いで夢茨を見ていたが、煉華は周囲の視線に気づいて足早に炊事場へと歩いていった。


 青く見える白銀の髪を風に遊ばせ、金色の瞳を真っ直ぐ向けながら歩く天華(てんか)は鬼の世界で近い生まれが兄の元へ向かっていた。

愧焔(きえん)様に呼ばれるなんて私なにかしたんでしょうか」

 涙目で夜は天華の上着の着物を握りしめて歩く。

「覚えがないなら堂々として、(よる)、それとも私の知らないところで、なにか悪いことしたの?」

「だとしたら庇えないかもしれない」と脳内でつぶやく。

「してませんよぉー! ずっと天華さまの近くにいたじゃないですか!!!」

 夜は、滝のような涙でとうとう天華の上着で涙を拭い鼻をかんでしまっている。

「……うん、夜。それ、私の服ね。」

「ごめんなさぁ~~~い」

 夜はまた激しく泣き出してしまった。

「相変わらずうるさいのぅ」

 120くらいの小さな狩衣を着た男の子が襖を開いて顔をのぞかせた。

 黄土色の瞳とクルクル金髪を頭の上で組糸で結んで垂らしている。

「夜が騒がしいおかげでどのくらいで着くか分かるからありがたいがのぅ。」

夜と天華を招き入れる。

部屋の中心でちょこんと座る。

「愧焔兄様、お久しぶりです。」

愧焔はおいでおいでして座布団を向かいに出した。

「夜、いつも天華の護衛役ご苦労だな。茶でも飲んで疲れを癒していけ。」

 愧焔は夜に声をかける。

「ありがとうございます!!」

  夜に暖かいお茶とお菓子が振る舞われていた。

「天華や、煉華が人の子と面白いことしておるな?」

 愧焔は天華を見て楽しそうに問いかけて来ていた。

「兄様、なんでその話を……」

 天華は愧焔を見て悩む。

夢刻(ゆめこく)さんですか……」

「夢刻以外にも人の世に紛れ込ませておるものはあるがのぅ」

 天華の言葉に愧焔はけらけらと笑いながら応えていた。

「兄様が、知ってるということは、皪魄(れきはく)様、璹餽(しゅうき)様も知っているってことですよね?」

 天華は真剣な目で愧焔を見た。

「あの二人は特には気にしてないだろうな。ただの人が鬼の一族には傷1つ付けられないと思ってるふしがあるしのぅ」

 愧焔の言葉に天華は肩を落とす。

「いまは、まだ、と言っておこう。皪魄様、魗餽様の脅威となりつつあったら動くはずじゃ。手始めに儂ら喰うために動くじゃろう」

 まだ余裕があるのか愧焔は、気楽に構えている。

「煉華が協力している鬼狩りと手を合わせてみたらいかがでしょうか?」

「……人の子が全ての鬼を狩るならば、協力したとしてもゆくゆくは全滅だな。」

 愧焔は天華の言葉に現状選択出来る全ての選択肢の予測を立て考えている。

「立ち上げた数十年は、共生できたとして、人の子が代替わりしたあと……、もしくは数100年後は? と考えるとな」

 愧焔は庭を眺めて呟いていた。

「……ひとまず、人の子が組織を作るまで様子見でよかろう」

 人は喰うものという考え方の皪魄と魗餽。父親の心境の変化で人とは共生するべきだという愧焔達とは別の考えを持っている。

 人との共生のために、愧焔は鬼の世界に迷い込んだ人間の保護のために避難所を天華と煉華の屋敷に据えたのだった。

「さて、今日はありがとうな。」

「ご馳走様でした!」

 愧焔は立ち上がり優しい目で夜と天華を見送る。


 

次に続きます。


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