ブロックとミュートの違いは?
小説家になろうには「ブロック」と「ミュート」の機能があります。
これら二つの機能は小説家になろうのマニュアルによると、『ブロックユーザ設定は、特定のユーザからのコンタクトをブロックする設定』、『ミュートユーザ設定は、特定のユーザの投稿内容を非表示に設定する機能』だそうです。
ブロックやミュートについてはこれまでもエッセイなどで度々話題になってきましたが、考えてみるとこれらの機能について私はあまりよく知りませんでした。
というわけで、ちょっと調べてまとめてみました。なお、それぞれの設定方法はここでは紹介しませんので、必要な方はマニュアルをご確認ください。
また、このエッセイの内容は執筆時点のもので、今後変更などがあった場合は実際と異なってくる可能性があります。ご了承ください。
このエッセイでは、ブロックユーザ設定あるいはミュートユーザ設定を行った人をそれぞれ「ブロック主」「ミュート主」、ブロックあるいはミュートをされた人をそれぞれ「ブロックユーザ」「ミュートユーザ」と呼びます。
【目次】
1.ブロックとミュートの機能の比較
2.ブロック機能について
3.ブロックのメリット・デメリット
4.ミュート機能について
5.ミュートのメリット・デメリット
6.ブロック・ミュートをされたかも?
7.まとめ
1.ブロックとミュートの機能の比較
表1
まず、表1の「お気に入りユーザ登録」から「誤字報告」までがマニュアルにある通りブロック対象の行為で、ブロックユーザはブロック主に対してこれらの行為ができません。一方、ミュートユーザには影響がありません。
マニュアルにはブロックの対象となる行為が記載されていますが、裏を返せばそれ以外は通常通りということです。つまり、ブロックユーザもブロック主の小説を閲覧することができますし、評価やいいねを付けることも可能ということです。
評価はできるのにブックマークはできないというのが個人的には納得できないのですが、どういう違いがあるのでしょうか。ブクマも評価も相手へのコンタクトという観点で見れば同じようなものに思えます。
「小説その他の閲覧」のミュート主からミュートユーザの部分が「△」になっていますが、ミュート設定はある範囲で非表示にするだけで、閲覧自体は可能な場合があるからです。この部分についての詳細は「4.ミュート機能について」で説明します。
質問板はブロック・ミュート共に対象外のようです。
2.ブロック機能について
表1の通り、ブロックユーザはブロック主に対して「お気に入りユーザ登録」「ブックマーク登録」「メッセージ送信」「感想投稿」「レビュー投稿」「活動報告へのコメント」「誤字報告」が全てできなくなります。
一方、ブロックユーザがブロック主の小説・シリーズや活動報告などを「閲覧」することは、他のユーザと同じように可能です。「評価」や「いいね」を付けることもできます。利用者は少ないかもしれませんが、質問板でブロック主が質問を書き込んだ場合、ブロックユーザはそれに返信することもできます。
また、ブロックユーザが対象の行為を行った場合、ブロックされている旨のメッセージが表示されます。
マニュアルにある対象の行為をよく見ると、「感想投稿」となっています。「せっかく感想を書いたのに、送信しようとしたらブロックされていて送信できなかった」という話をエッセイなどで目にすることがありますが、マニュアルに書いてある通り、メッセージが出るのは「感想作成」ではなく「感想投稿」を行った時なのです。
確認していませんが、「メッセージ送信」や「レビュー投稿」も同様で、文章の作成まではできるのではないでしょうか。「活動報告へのコメント」も同じではないかと思います。もしご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
「ブロックされているなら感想を書く前に教えてほしい」というのはもっともな話です。
しかし、現状では感想入力フォームが感想一覧ページの下部にあります。もしブロックされている場合に入力ができないような仕様になったとすると、感想を書く気が無くても他のユーザの感想を読んでいただけで自分がブロックされていることを知ってしまう、ということが予想されます。これはあまり良くないような気がします。知らないほうが幸せということもあるでしょう。
感想入力を別ページで行うように変更して、感想入力ページに移動した時にエラーメッセージが表示されるようにすれば解決するかもしれません。しかし、感想を入力するのに今よりひと手間増えることで、感想が書かれにくくなるのではないかという懸念もあります。
また、ブロックユーザ設定は相手からのコンタクトを断つものなので、ブロック主からブロックユーザに対しての行動に制限はありません。
ブロック主はブロックユーザに感想を送信することができます。この場合、ブロックユーザはブロック主に感想返信をすることが可能です。あくまで「感想返信」であり「感想投稿」ではないからです。
ブロック主はブロックユーザに対して活動報告にコメントすることも、メッセージを送ることもできます。メッセージに関しては、ブロックユーザはブロック主へ返信できません。
この辺りは自分で検証したわけではないので、間違っていたらご指摘をお願いします。
3.ブロックのメリット・デメリット
ブロックの一番のメリットは、話しかけられたくない相手から話しかけられるのを防げることです。読み専の人は他のユーザから感想をもらうことはありませんし、メッセージをもらう機会もあまりないかと思うので、ブロックを使うこともほとんど無いでしょう。どちらかというと作者に便利な機能です。
ブロックのデメリットは、ブロック設定を行うとブロックユーザがそれまでに付けていたブロック主の作品へのブックマークが解除され、その分ブックマーク数とポイントが減る可能性があるということが一つ挙げられます。またブロック設定を行っている間は、ブロックユーザがブロック主の作品に新たにブックマークを付けることもできません。ブロックユーザ一人分のブクマを得られる機会が失われることになります。
ブロックユーザがブロックに気付いた時に、「あいつにブロックされた!」とどこかに晒すこともありえます。ブロックし返されることもあるでしょう。
ブロックされたと分かった時、嫌な気分になったり悲しんだりする人もいます。相手の気分を害するかもしれないことも、ブロックのデメリットの一つです。
4.ミュート機能について
ミュートユーザ設定で非表示にできるものとできないものは以下の表2の通りです。
表2
「非ログインユーザの感想」以外のミュート項目はユーザごとに設定できるので、たとえばユーザAに対しては小説・シリーズだけをミュートする、ユーザBに対しては感想と活動報告コメントをミュートする、というようなことが可能です。
(※)ミュートユーザ設定の際に「ユーザページ通知」のミュートを有効にすると、ミュート主のユーザページでミュートユーザの以下の投稿が通知されなくなります。
・小説・シリーズ
・ミュート主の作品への感想
・ミュート主の作品へのイチオシレビュー
・ミュート主の活動報告へのコメント
「非ログインユーザの感想」については「ユーザページ通知」の設定項目が無いので全て通知されるのではないかと思いますが未検証なので、ご存じの方がいらっしゃったら、情報お待ちしております。
次に、ミュートユーザ設定で非表示にできる範囲とできない範囲を以下の表3に示します。
表3
ミュート設定をすると、ミュート主からミュートユーザの小説などの投稿内容が見えなくなりますが、完全ではありません。
小説家になろう・小説を読もうのトップページのランキングなどはミュートの範囲外です。また、ミュートユーザのマイページを見ることができるので、そこからミュートユーザが投稿した「小説・シリーズ」「レビュー」を閲覧することが可能です。
「活動報告コメント」はミュートの対象ですが、「活動報告」は対象外です。そのため、ミュートユーザが投稿した活動報告は「新着活動報告一覧」のページにも表示されます。
また、ミュートユーザの「活動報告」は閲覧できますが、その記事にミュートユーザ自身が投稿した「活動報告コメント」(他のユーザへの返信など)は非表示になります。
ミュート主は、ミュートユーザがミュート主以外のユーザへ送った「感想」「活動報告コメント」を見ることができませんが、ミュート主自身へ送られた「感想」「活動報告コメント」を見る方法はあります。ユーザページの「書かれた感想一覧」「書かれた活動報告コメント一覧」には、ミュートユーザからの投稿があることが表示されます。投稿内容は「ミュートしているユーザの書き込みです」という表示に置き換わっており、「書き込みを読み込む」をクリックすれば内容を読むことが可能です。
ミュート設定は、ミュート主が積極的に見ようとしない限り、ミュートユーザの投稿を見ないようにできる機能だと言えます。ただ、新着活動報告一覧や質問板をよく見る人は注意が必要です。
表2中のミュートで非表示にできるものとして、「ミュートユーザによる投稿通知」があります。マニュアルでは、この設定で通知されなくなるものの中に「ミュートユーザの投稿した小説・シリーズ」が挙げられています。
しかし、自分で検証してみると、ミュートユーザをお気に入りユーザにも登録している場合、ミュート主のユーザページで「お気に入りユーザの新着小説」の欄にミュートユーザの小説が表示されました。
また、ミュートユーザの小説をブックマークし、更新チェックの設定をした場合、ミュート主のユーザページの「更新チェック中の小説」欄に表示されることを確認しました。
お気に入りユーザ設定が優先されているのかとも思いましたが、そもそもお気に入りユーザ登録や更新チェックの設定をしなければ、ユーザページに他のユーザの小説投稿の通知が出ることは無いのではないでしょうか。この仕様だけよく分かりませんでした。
他の投稿通知のミュートについては、ミュートユーザが感想を書いた時に出る「感想が書かれました」の赤文字がミュートできるというようなことだと思いますが、検証はしていません。「ユーザページ通知」のミュートについて詳しい方がいらっしゃいましたら、教えていただけますと幸いです。
なお、ミュート設定をしても、ミュートユーザにミュートされている旨の通知や表示はありません。
5.ミュートのメリット・デメリット
ミュートのメリットは、見たくないものを非表示にできることです。合わない作風の作者をミュートすることでランキングなどからうっかり作品を読んでしまうことを防げたり、好きな作品への嫌な感想を見えなくしたりできます。自分への感想やメッセージは自分で管理できますし、ブロックで送れなくすることもできますが、ブロックでは他のユーザへの感想を防ぐことはできません。
ミュートは読者にとって便利な機能と言えます。
ミュートのデメリットとしては、ミュートユーザが自分の好みドンピシャな作品を投稿しても気づけないとか、ミュート主が作品投稿している人であれば、自分の作品の感想欄を管理しづらくなるということが考えられます。
一日に数十件数百件と感想をもらうなどの理由で感想欄を放置している人なら気にしないかもしれませんが、もしミュートユーザが自分の作品に変な感想を書いたとして、それを放置していたら他のユーザには見えているわけです。あまり望ましくない状況だと考える人も多いのではないでしょうか。
また、全ての感想に返信する方針の人にとっても厄介です。ミュートユーザの感想にだけ返信しないでいる状況は、ミュートユーザだけでなく第三者からも見えてしまいます。
これには、「ユーザページ通知」のミュートを無効にして、感想が書かれた場合は通知が出るようにすることで対処が可能です。またユーザページの「書かれた感想一覧」からもミュートユーザの感想を読んだり返信したりすることができます。
6.ブロック・ミュートをされたかも?
なろうを利用していればブロック・ミュートを使用する機会もあるかもしれませんが、逆に自分がブロック・ミュートをされることもあるかもしれません。
ミュートされた場合、ミュートユーザへそれが通知されることはありませんし、何か行動を制限されることもありません。変わらず活動しましょう。ただ、他の人には感想返信があるのに自分だけは無いというようなことから、自分がミュートされていることに気づくこともあるかもしれません。
ブロックされた場合、感想を送信しようとしたときにメッセージが出て気づく人も多いようです。感想を書く前にブロックされているかどうか知りたい場合は、まずブックマークかお気に入りユーザ登録を試してみましょう。
また、「自分をブロックしている作者に評価を付けたくないんですけど!」という場合も同じようにブクマやお気に入り登録で確認ができます。
ブロックされたらブックマークができなくて不便、という場合は、ブラウザのブックマークを利用したり、評価を付けることでブクマ代わりにしたりすることができます。ユーザページの「評価を付けた作品一覧」の中から作品のページに飛ぶ、という方法です。
7.まとめ
「ブロック」は、相手から接触してほしくないけれど、自分のところ以外での相手の行動は見えてもいいという場合に便利な機能です。
「ミュート」は、相手はどこでどう行動してもいいけれど、自分はそれを見たくないという場合に便利な機能です。
相手から接触してほしくないし、相手の作品も見たくない、他のユーザとの絡みも見たくないという場合はブロックとミュートの両方を設定することもできます。
相手から接触してほしくないけれど相手の行動がすごく気になる、という場合はブロックしてお気に入りユーザ登録もするなんてこともできます。
ブロックやミュートは使わない、使われないでいられる状態が一番だと思います。
このエッセイがあまり人の役に立たず、私の労力が無駄になることを祈って、終わります。
【参考】
小説家になろうマニュアル「ユーザページ」(https://syosetu.com/man/userpage/)