呼び出し
音がした場所に行ってみると、そこは魔法陣が書かれた手紙用の机がある場所だった。その机の近くに一通の封筒が落ちていた。私はそれを拾い、中身を確認した。封筒の中には文書が数枚入っているようだった。
一番上にある文書に目を通すと、細かく色々とびっしり文字で埋め尽くされていた。文字の多さに驚きながらも、読み進めていく。
中央魔法局からの文書で、この長さの文章量は久しぶりだった。
「サラ、何の音でしたか?」
「中央魔法局からの封筒だったわ」
「うわっ……凄い。文字がたくさんですね」
「この文章量は、読むのに時間がかかりそうだわ」
リュイも驚いたような表情で、文書の文字を見つめていた。
文書に目を通し、書かれている内容を短くリュイに伝えた。
「リュイ、明日私たち二人は中央魔法局に呼ばれているわ」
「明日ですか? 急ですね……」
「あと、リュイは卵も持ってきてほしいって書いてあったわよ。途中経過でも見るのかしら?」
「卵もですか。ちゃんと育っているのか確認するんですかね?」
「まあ、一枚目の文書にはそんなことくらいしか伝えることはなかったのだけれど……」
「この文章量でですか!?」
「昨日の図書館の事とかも書かれていたけれど、まあ気にしなくていいわ」
そう言いながら、私は文書を封筒に戻した。その封筒を持って、私は自室がある方に進む。
「リュイ、明日も朝早く出るから準備はしておいてね」
「分かりました。おやすみなさい」
「おやすみ、リュイ」
そう言って私たちはそれぞれの自室に戻った。
自室に戻った後、残りの文書にも目を通した。図書館の事について詳しく聞きたいという内容が長々と書かれている。私は追加依頼の文書だけを封筒から取り出し、残りの文書はそのまま封筒にしまった。明日持っていく鞄にその封筒を入れ、部屋の明かりを消す。
ベッドに入り、しばらくの間天井を眺めていた。段々とと眠たくなりゆっくり目を閉じる。
次の日、朝早く庭に吹く強い風の音で目が覚めた。コンコンと窓を叩く音が部屋に響く。私は身体を起こし、カーテンを開けた。
窓の外にはレミナが立っていて、その後ろには馬車が見える。私は急いで窓を開けた。
「レミナ、どうしたの? こんな朝早くに」
「おはよう、サラ。あなたは今日、中央魔法局に呼ばれていないの?」
「呼ばれているわよ?……もしかしてレミナも?」
「私だけじゃないわよ」
そう言ってレミナは馬車のほうに視線を向けた。馬車の中は良く見えないが、人影は確認できる。
「図書館の管理人さんも呼ばれているの。連絡を貰ったから、一緒に行こうかと誘ったのよ」
「管理人さんもなの?」
「そうなの。だからきっとサラも呼ばれていると思ってね……。確認取らずに迎えに来ちゃったわ!」
「そうだったの。ありがとう、レミナ。あなたの馬車のほうが安定して大人数運べるものね」
「役に立てて良かったわ! リュイも行くでしょう?」
「ええ。少し待ってて。準備してくるわ」
「分かった。準備できたら、馬車のところまで来てね、待ってるから!」
そう言ってレミナは手を振りながら、馬車のほうに向かった。
窓を閉め、着替えていると二階から物音が聞こえ始めた。どうやらリュイもレミナが来た時の風の音で目が覚めたらしい。私が部屋から出て、数分でリュイの部屋のドアも開いた。二階からパタパタと音を立てて、リュイは階段を下りてきた。
「リュイ、おはよう。風の音凄かったでしょう?」
「おはようございます! はい、あの音で目が覚めました。もしかしてレミナ先生ですか?」
「そうよ。レミナも今日中央魔法局に呼ばれたらしいわ」
「レミナ先生もですか!?」
「図書館の管理人さんもらしいわよ。だから私たちも呼ばれていると思って、馬車で迎えに来たって言っていたわ」
「管理人さんも!? それなら確かにレミナ先生の馬車が良いですね!」
「リュイはもう準備できた?」
「はい!」
「じゃあ、レミナの馬車のところに行きましょうか」
そう言って私たち二人は家を出て、レミナが待つ馬車のところまで歩いて行った。レミナは私たちに気付くと馬車の中から手招きをする。リュイはそれに気付いたのか、レミナに向かって手を振っていた。




