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#1‐24 イースターマーケット//第4話

お久しぶりです!全然更新できてなくてすみません。

 私と直輝がくるみんの所にいくと、くるみんははっとして「ごめんねーつい夢中になっちゃって……。」と少し恥ずかしそうに謝った。


「いいよいいよ、おれたちも他のとこみてたし。」


 ねっ、みなみん?明るい笑顔を直輝が向けてきたので、私はこくこくと2回頷く。

 さっきのことで妙にドキドキしてしまって、いつもより随分早く動いてしまった。


「あら?みなみんちょっと顔赤くない?大丈夫?」


 くるみんが首を傾げながら私の額に手をあてた。

 確かに少し顔が熱くて、くるみんの手がひんやりと冷たく感じられた。


 ちょっと見ただけでわかるって……そんなに赤いかな?

 手を両頬にあてるとやっぱり少し熱い。


 熱いだけで体調不良でもなんでもないので、大丈夫だよ、と広げた両手を振ってみる。


「大丈夫ならいいんだけど……少しでもしんどくなったらすぐ言ってね?」


「そろそろライブ始まるんじゃない?ステージ行こっ!」


 まだ少し心配そうな顔をして言うくるみんだけど、直輝はすっかり切り替えたみたいだ。

 駆け出す直樹を追いかけてステージへ行くと、チラホラとステージを見上げている人がいる。

 私達が到着したのはかなりギリギリだったようで、双子ちゃん達のひとつ前のマジックショーがちょうど終わったところのようだ。


「はい、これがみなみんの分ね!」


 ぼーっと辺りを見回していると、くるみんが棒状のものを渡してくる。

 リレーのバトンみたいな握りやすい太さの半透明のもので、小さなボタンのような突起がついている。

 これはアイドルのライブとかでみる…………ペンライト?


「これで応援しましょ!」


 くるみんの分と思われるペンライトをちかちかと色んな色に点灯させながら、くるみんはにこっと笑った。

 確かにアイドルの応援といえばペンライトだが、こういうイベントの時でもするものなのだろうか。

 主催のライブやアイドルイベントならまだしも、今日のお客さんの大半は出店目当てである。

 なんとなく気になるからステージを見ている、と言った人ばかりで、ペンライトを持っている人なんて誰もいない。

 直輝は気が早いのか待ちきれないのか既にぶんぶんと振り回しているけれど、この中でペンライトを振るのはちょっとーーいや、かなり恥ずかしい……。


「おい、公共の場でペンラ振り回そうとしてんじゃねえよ。」


 チッと舌打ちをしながら、直輝の腕を掴んだのは、見覚えのあるガラの悪そうな人ーーーー。

 電車の中にいた、秋季と呼ばれていた先輩だ。

 今日は休日だから私服だけど、直輝を見つめる柿色の瞳や深緑色の髪、それに耳についた派手なピアスを見ればすぐにわかる。


 秋季先輩は直輝の腕を掴んだまま私方を見ると、不機嫌そうに顔を顰めた。


「お前、よく会うな?」


「みなみん、日向先輩と知り合いなの?」


 くるみんが意外そうに目を丸くして驚いている。

 たまたま電車が同じだっただけで知り合い……ではない。

 日向先輩?名前を知ってるということは、くるみんこそ知り合いなのかな。


「あれ、もしかしてみなみん知らない感じ?この先輩ーー日向秋季先輩は、去年の原石(ミラクルスター)だよ?」


 知っているのが当たり前だと言わんばかりに直輝は秋季先輩を指差して言った。

「指なんて差したら失礼でしょ!」とくるみんが小声で直輝に注意している。


 日向秋季ーー去年咲菜さんが中庭でスカウトした原石(ミラクルスター)だ。

 当時来々星学園への入学が決まっていた中学3年生だった私も、咲菜さん目当てで見ていたTVに映っていた人。


 見た目がかなり変わっていたから、秋季先輩がその人だと気がつかなかったようだ。

 確か髪はもっと真っ黒で、髪も今より少し長かったはずだ。


 イメチェンでもしたのかな?


「……みなみん、ホントに知らないの?」


 無意識に首を傾げてしまっていた私を見て、くるみんもこてんと首を傾げる。

 そんな私達を見て秋季先輩(日向先輩と呼ぶことにしよう)はもう一度不機嫌そうにチッと大きく舌打ちをして、直輝の腕を乱暴に離した。

 ふいと顔をそらした日向先輩の頬が少し赤いように見える。


「んなことはどうでもいいんだよ!とにかく、ペンラは閉まっとけ。人に当たると危ないからな。」


 日向先輩は吐き捨てるようにそう言うと、右耳に光る四分音符型のピアスをいじりながら早足で歩いて行った。


「……ペンライト、いい案だと思ったんだけどなぁ……。」


 言われた通りにペンライトをカバンの中にしまうくるみんに対して、直輝は名残惜しそうにカチカチとボタンを押している。


 日向先輩はたまたま通りすがって注意してくれただけ……なのかな?

 遠ざかっていく日向先輩の後ろ姿を見ていると、体をステージの方に向けて端っこに生えている木に寄りかかった。

 日向先輩もステージを見るのだろうか。

 そんな端っこで見なくても、もっと近くで見ればいいのに。


「あ、先輩方!」


「来てくださってたんですね!」


 そっくりな2つの声が聞こえたと思ったら、ステージの裏から桃花ちゃんと桜花ちゃんが駆けて来る。

 もう衣装を着ているのだろう、大きめのジャージからふわふわの可愛いスカートが覗いている。


 3人で手を振るが、桃花ちゃんと桜花ちゃんは少し困ったような顔をしている。


「2人とも、どうしたの?」


 近くまで来た双子ちゃんにくるみんも同じように困った顔をして問いかけると、おずおずと口を開いた。


「あの……先輩方に、無理を承知でお願いがありまして……。」


「どうしたの!?私達にできることなら、なんでも言って見て?」


 直輝が「そーだよ!」と賛同するのに合わせて私も頷く。

 双子ちゃんは互いに顔を見合わせた後、勢いよく頭を下げた。


「「お願いします。今から少しだけライブしてください!」」


「え、ライブ!?」


「ええ〜!?ライブっ!?」


 まさかのお願いに似たような言葉でリアクションする直輝とくるみんだが、直輝はなんだか嬉しそうに声を弾ませている。


「お願いします!1曲だけでいいんです!!」


「3人なら絶対素敵なステージになりますから、ね?」


 桜花ちゃんがあまりリアクションを示さない私の方をじっと見る。

 3人って……私も!?

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