表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/28

#1-09 転入生//第9話

 すごい。このミートスパゲッティ、すごく美味しい。

 残念ながら私に食レポはできないけど、とにかく美味しい。

 学食のレベルを超えてると思う。店だよ店。


 イベントの日はお客さんも食べると言っていたけど、それはイベントのついででしょ?

 なんか勿体ない。

 イベントとか学園とか関係なく、普通のお店にすればいいのにと思うくらい本格的で美味しい。


「……どう?みなみん、学食のメニューは美味しい?」


 私がこくこくと頷くと直輝は嬉しそうに笑った。

「因みに、おれのおススメはラーメンだよ~。」と付け足してくる。

 ラーメン、そんなに美味しいのかな?


「一応言っておくけど、ラーメンはなおくんが好きなだけで、特別おすすめなわけじゃないからね。」


 苦笑い気味にくるみんが私に囁く。

 好きなだけか。

 よっぽど好きなんだなあ。


「おれは毎日学食のラーメン食べてるけど、購買で買ったのとか近くのコンビニで買ったのとか、くるみんみたいにお弁当持ってくる子もいるから、みなみんも好きにするといいよ!」


 なら私はやっぱりお弁当かな……。

 普通科の時はずっとお弁当だったから、もう朝起きてお弁当を作るのが日課みたいな所あるし。

 でも――――。


 私はくるみんのお弁当をちらりと見る。

 お弁当包み=可愛い。

 お弁当箱=可愛い。

 お弁当=可愛い(彩りとか、卵焼きがハート型だったりとか)。


 この女子力の塊のような可愛らしいお弁当!

 それに比べて私はシンプルな白い保冷バックに、咲菜さんのSDキーホルダー。

 普通のお弁当箱になんの捻りも飾り気もないおかず。

 唯一の可愛さと言えば、プラスチック製のピックだけ。


 私に女子力とセンスがないのがばれてしまう。

 今まではどうせ誰も私の事など気にしていないと思っていたからそれで良かったけれど、芸能科では私の事を気にかけてくれる友達(照)が2人もいる(こんなにキラキラオーラ全開の)。


 お弁当にしたいけど友達に地味なお弁当を見られたくない。

 少し前の私では考えられない、嬉しい悩み事だ。


 ――――いや、待って?


 この学園は制服がお洒落だ。

 そして普通科も芸能科も校則が緩く、着こなしは自由。

 周りを見回すとみんなブレザーの下にパーカーやセーターを着たり、リボンやレースのついたソックスを着てお洒落している。

 そんな中で何ひとつアレンジを加えずに、制服を平凡に着ている時点で――――そもそもお洒落な制服に不釣り合いな顔をしている時点で、私の女子力とセンスのなさは証明されているのでは?


 心配しても、既に遅かった……。

 もういいか。と開き直るか、制服とかもお洒落にしてみる?

 絶対制服お洒落にするのは無理だ。逆に変になりそう。


「みなみんは普通科にいた時はお弁当だったよね。あれ、毎日なの?」


 え?何で知ってるの?と一瞬固まってしまうが、すぐに“ミラクルスター発見スカウト”の事を思い出す。

 あの時私がお弁当を食べていたからか。


「へー、毎日なんだ?みなみんすごいね!」


 小さく頷くと直輝は感心したように目を丸くする。

 毎日お弁当って、すごいかな?


「毎朝手作りなんて、すごいわ。わたしはいつもママに作ってもらってるもの。」


 くるみんが可愛らしいたこさんウィンナーをぱくりと頬張って言う。

 くるみんのお母さんすごくない?

 こんなに可愛いお弁当を毎日作ってるなんて、料理上手なんだろうな……。


「自分で作ってみようと思ったこともあるけど、いつも寝ちゃうの~。6時くらいまで寝ちゃうから、時間なくて。」


 6時ならお弁当作れるんじゃない?

 ――――そうか、私と違って身支度に時間がかかるのか。

 流石お洒落JK。


 顔も私よりも丁寧に洗って、髪は念入りに梳かして、リボンの位置も気に入るまで直しているんだろうなー。


 私もお弁当とかじゃなくて、そういう所から女子力を上げていくべきか。

 髪の手入れとか、もっと念入りにした方がいいのかな……。


「――返理(かいり)だ。」


 談笑をしながら食べていると、ふと食べる手を止めて直輝が呟く。

 ……かいり?返理ってなんだろう?人の名前?聞き覚えがある気が……。

 探るようにじっと遠くを見ていた直輝がぱああっと顔を輝かせる。


「おーい、返理~!こっちだよー。」


 勢いよく立ち上がった直輝は、大声で叫びながらぶんぶんと手を振る。

 くるみんも直輝の視線の先を見て――――こてんと首を傾げたが暫くして嬉しそうに表情を明るくした。


 私もそちらを見るが、さっきと同じように、すごい人混み。

 特に何も――――――いや、人と人の間に少しだけ、真っ直ぐにこちらに向かって来ている男子生徒が見えた。


 あの人が、かいり……さん?

 私はやっと少し見えただけなのに、直輝にはもっと前からあの人が見えてたの!?

 ほんと、直輝目が良すぎるんじゃない?


「……ふぅ。やはり昼時の学食は混んでいるな。空いている席を使ってもいいか?直輝、関、それから――――――まさか2人が転入生と一緒にいたとはな。」


 直輝が「いいよー。」と答えるとかいりさん(?)は焼き魚定食(かな?)をテーブルに置いて、じっと私を見た。


 青みがかったネクタイとサファイアのようなピンバッジだから、3年生。

 綺麗に切り揃えられた短い濃紺の髪。

 細い銀フレームの眼鏡の奥から覗く、ピンバッジと同色の切れ長な瞳。

 皺1つない制服を私以上にキッチリと校則通りに着こなしている。

 ぱっと見た印象、クールで真面目な生徒会長。


 そんなクールで真面目そうな先輩は、私に向けて言った。


「――――俺は火鳥 返理(ひどり かいり)。“RePeat's”のリーダーで、生徒会副会長だ。直輝と関と一緒とは都合がいい。丁度お前に用がある。」

★★★★★下さい。お願いします(^人^;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ