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#1-08 転入生//第8話

 そうやって色々教えてもらいながら歩いていると、すぐにに学食にたどり着いた。

 学食は校舎から少し離れたところにあったから、途中で靴に履き替えて外にでた。


「みなみん、此処が学食だよ!素敵な所でしょ!?」


 直輝が瞳を輝かせて誇らしげに言う。

 ――――此処が、学食……?

 私は呆然と目の前の建物を見る。

 すごく大きな建物が、目の前に聳え立っている。


 白塗りの壁のお洒落な建物は、学食というよりもすごくいいカフェのような印象だ。

 中でも勿論食事ができるのだろうが、外にはテラス席まである。

 暖かい春の日差しを浴びながら昼食をとるのは心地よいだろう。

 今も幾らかの生徒がテラス席で談笑しながら昼食を食べている。


「見ての通りテラス席もあって外観も素敵だけど、中も素敵なのよ?入りましょう!」


 くるみんに押されながら中に入ると、それは想像以上に凄かった。

 広い、とにかく広い。そしてお洒落。

 もうとにかく凄い。いいカフェ通り越して高級レストランみたいだ。

 高級レストラン行った事ないけど。


 豪華だなあ……。さすが芸能科。

 異世界に思えてしまう。

 生徒が使うだけなのに、広すぎる。

 普通科よりも生徒数はすくないのだから、余裕で全生徒入れても席余ると思うよ?


「普段は生徒しか利用しないけど、イベントの日は一般のお客さんも利用できるの。」


 じーっと学食内を見ていた私に、くるみんが補足してくれる。

 なるほど。イベントの日はお客さんも利用できるのか……。

 確かにイベントなら沢山の人がくるだろうから、席もいっぱいになるのかもしれない。


「あそこにたくさん並んでるタブレットみたいなので注文するんだよ!もっと手軽に何か食べたい時は購買もおススメ~。」


「“Sweet Sweets”っていうスイーツカフェも校内にあるんだけど、そっちもすごく素敵だから、また今度放課後に行きましょー!」


 そのタブレットのようなものの方へ迷いなく進みながら、2人は楽しそうに話してくれる。

 学食がこんなにすごいのに、購買はともかくカフェまであるのか……。

 ――――放課後に行こうって、放課後に一緒にスイーツ食べに行くって事だよね?

 それってまるで――――仲良しな友達みたいじゃない?


 遊びに誘われたって事でいいんだよね?

 校内を紹介するだけなら、レッスンルームとかみたいに説明するだけでいいもんね?


「いいね!じゃあ連絡先交換しようよー!校内SNSのチャットでいいかな?」


「そうね。でもここじゃあ迷惑になるから、席についてからにしましょ。」


 2人の歩く速度が、心なしか少し速くなった気がする。

 連絡先の交換!?まじか…………。

 私、友達と連絡先の交換なんてした事ないよ?

 正直に言うと凄く嬉しい。


 文字ならもう少し、ちゃんと2人と話せるかもしれない。

 この小さくて聞こえずらい声に頼らず、あがり症で動かなくなる口にも頼らずに会話が出来るなら、もう少し上手く気持ちを伝えられるかもしれない。

 何度も文章を確認&推敲して、じっくりと時間をかけての返信になると思うけど。


 それから私はくるみんに教えてもらいながら、タブレットを使って驚くほど沢山のメニューの中から気分でミートスパゲッティを注文した。

(TPはもちろんないので現金で払った。)


 直輝も隣で注文を終えたので料理が出来るのを待っていると、こんなに人がいるにもかかわらず5分も待たないうちに料理が出来て、カウンターで受け取った。


「おー!みなみんはパスタにしたんだね、おいしそー。因みにおれは味噌ラーメンと豚骨ラーメンにしたよ!」


 直輝が嬉しそうに2種類のラーメンが乗ったトレーを見せてくる。

 ………ラーメン、2杯も食べるの?

 男子高校生は食べ盛りってことかな?

 私には絶対に真似できない。


「ホントは3つ食べたかったんだけど、くるみんが1つにしろっていうから――――間を取って2つにした~!」


 3つ!?3つは無理じゃないかな?

 直輝の胃袋どうなってるの?

 それとも男子高校生はこんなもんなの?


 駄目だ。直輝以外に一緒にご飯食べるような男子高校生の知り合いがいないから分からない。

 ――――いや、どっちにしろすごいか。


「じゃあ、空いてる席を探して食べましょう!」


「あっ、あそこ空いてるよー!」


 直輝は声をあげるとすいすいと人混みをすり抜けて進んでいく。

 私とくるみんが苦労しながらついていくと、直輝は4人で丸テーブルを囲む形の空席の前で止まった。


「ほら!此処で食べよう!外近くて明るいし。」


「いいわね!」


 直輝とくるみんが席に座るので、私も座る。

 直輝、目良すぎじゃない?

 というか、成り行きで私が真ん中で両サイドに2人っていう座席になったんだけど、これでいいのか?

 仲のいい友達と隣に座りたいものじゃない?


「みなみんが真ん中ね~!みなみんと隣嬉しいなー。」


 そう言った直輝は箸を持って「早く食べようよー。」とラーメンが待ちきれない様子だ。

 くるみんがお弁当を用意したのを確認すると、直輝は「いただきまーす!!」と元気よく言ってラーメンを啜る。

 くるみんもいただきますと言ってお弁当の中に入っていた卵焼きを口に入れる。

 私も多分誰にも聞こえない声でいただきますを言って、ひと口口に運ぶ。


 ――――――なにこれ、めっちゃ美味しい。

★★★★★!

求めております

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