#0-00 小さな小さなプロローグ
初投稿です!よろしくお願いします!
――――テレビの向こうの世界は、一体何処にあるんだろう?
お笑い芸人がネタを披露したり、アイドルが歌って踊ったり。
女優や俳優が笑ったり、泣いたりしている場所は。
答えは簡単。テレビ局だ。スタジオ、あるいはロケ地。
つまり答えは何処でもだと言える。
じゃあこうしよう。
この世界にある。
確かにこの世界にあるのだ。
こんなに近いのに、遠い。まるで異世界のように感じるけれど。
大変な事ばかりの現実とは掛け離れた、理想郷のようだけれど。
私は愚か者。
この暗くて闇に沈んでいるかのような世界から出たいと思い続け、それなのにすぐ近くにあった出口に――――さしのべられた手に気づけなかった愚か者。
遠くで強く輝く光だけを求め、近くにある小さな光に目を向けられなかった。
そして、いつしか出ることを諦めるだけでなく、出たいという気持ちすらも忘れてしまった愚か者。
そんな私にも、もう一度手をさしのべてくれる人がいたなんて。
彼らは私に沢山の大切な物をくれた。
神でも何でもない、私達と同じように現実世界に生きる人間である少年少女だちが。
そして忘れていた、1番大切だったはずの物を思い出させてくれた。
◆◇◆◇◆
――――――太陽だ――――――
初めて彼を見た時、ふとそう思った。
憂鬱な気分でやたら重く感じるドアを開けた先に、初めての日の光が差した気がした。
何もかも分からぬ新しい場所で見つけた目印、道標。
明るい雰囲気の少年は、私を新しい世界に導いてくれた。
その眩しい程にキラキラした笑顔は、太陽そのもののよう。
明るく暖かい、輝くような笑顔。
太陽に照らされて温まるように、その笑顔を見ているだけで、自然とこちらまで笑顔になってしまうような、元気をもらえるような人だった。
いつか、どこかでこんな言葉を聞いたことがある。
『“太陽のような人”とは、ただ明るい人を言うのではないと思う。
太陽に照らされて私達が温まるように、月や星々が太陽の光を反射して輝くように。
自らだけでなく、周りの人達をも明るく輝かせてしまうような人。
そんな人の事を“太陽のような人”と言うのだ。』
と。
まさにその通りだ。
そして、彼は間違いなく、そんな人だ。
だってこんな私の事でさえも、彼は輝かせてくれたのだから――――――。
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