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或る文学作品

変化(へんげ)

作者: 栄啓あい
掲載日:2020/05/17

 父は、父ではなかった。


 私の父は、今、いつもの父ではない。


 なぜこんなことになったのか。


 だれだ。この人。


 でも、父の姿をしている。


 父の姿なのに、中身は父ではない。


 父は私に話しかけてきた。


 「ごめんね。ぼくが誰になってるかわかんないけど、しばらくよろしくね」


 私はしばらく警戒した。


 でも悪い人ではなさそうだ。


 まあ、うまく付き合ってみよう。


 父は、午前中まではいつもの父であった。


 でも今の父はきょろきょろしてて落ち着かない。


 私はいろいろ教えてあげた。


 ここが私の家ということ、大体の家の場所、そして、言ってる学校など。


 考えてみれば危ない。


 それで狙われたらどうするんだ。


 まあでも、その人と話すのは結局は楽しかった。


 その人は私に親身になってくれた。


 「私のお父さんはどこに行ったんですか?」

 「僕も分からないけど、とりあえずはごめんね」


 やはりお父さんはお父さんではなかった。


 でも、爽やかな人なんだろうな。


 この人。


 私はやはりこの人に好感を覚えていた。


 普通に優しいし。


 ちゃんと家事もしてくれて、草取りもしてくれて、学校まで一緒に来てくれた。


 そういえば、一緒にパソコンでゲームもした。


 ゲームをするために何かのアプリをダウンロードした気がする。


 とにかく、なんとなく楽しい時を過ごした。


 学校に着くと、知ってる友達がたくさんいた。


 小学校の友達、中学の友達、そして高校の友達。

 

 意外とこんなにたくさん私のちゃんとした友達がいたんだなあ、って感動した。


 この学校は、すごく居心地がいい。


 「国語の係の人、隣の教室にちょっと来てください」 


 私は国語の係だった。


 行ってみると、いつもの国語の係がいた。


 何か読書週間について話し合っていた。


 そこに来た人がいた。


 私の担任の先生だ。


 でも、いつもの担任の先生ではなかった。


 しかし、さっきの雰囲気がよみがえってきた。


 この人はいろんな人に乗り移って生きている人なのだろうか。


 さっきの、父に入っていた人は担任の先生に入っていた。


 結局私の近くにずっといるのだろうか。


 なんで私の近くなのだろう。


 そして、読書週間についての話し合いが終わり、その人と家に帰った。


 その人はまた父に入っていた。


 私はその人と一緒に帰った。


 そして昼寝をした。


 起きると、父はいつもの父に戻っていた。


 普通の父はやっぱり安心した。


 あの、だれかわからない人も少し恋しく、懐かしかった。


 パソコンを見ると、壊れていた。


 あの人としたゲームのアプリを入れたせいでパソコンのファン|(扇風機)が動いていなかったらしかった。


 お父さんに、怒られた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 何かから脱出しないといけないらしかった。


 家にいたのに、何かから逃げているようだった。


 家を出ると、工場につながっていて、その工場に入ってみた。


 友達がいた。


 その友達も、慌てていた。


 慌てていたのは、原因がやはりあった。


 周りの人が、バーバパパの人形にされていっていた。


 バーバパパは、どんどん増えていき、カラフルになっていった。


 何かに撃たれて、人形にされてしまうようだった。


 その工場で最初に見つけた友達も必死に逃げていた。


 私もとにかく逃げた。


 逃げた。とにかく逃げた。


 人けのないところまで逃げてきた。


 ここなら安全かな。と思いつつ、連絡を待つ。


 そうすると、大親友が人形になったという情報が入った。


 行ってみると、その子はピンクのバーバパパになっていた。


 私は泣き崩れた。


 泣いても泣き足りないくらい。


 私も逃げなければいけないのに、それどころではなかった。


 とにかく、悲しかった。


 

 人が別のものに変わるというものは面白いものだ。


 それによって、楽しくなることもある。


 でも、普通は怖い。


 実際にはなくても、そういった恐怖を感じることもあるのだろうか


 人々の変化というものは、何が起こるかわからなくて、難しいのだろう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議な世界観が好きです。夢の話なのに夢じゃない感じというか、映画か何かで影響されて見るような夢の怖さがありました。「変化(へんげ)」という言葉で、人間の難しさや恐怖に繋がっているのもいい…
[良い点] スピード感が良かったです。 [一言] よございました。
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