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やさしさに包まれたなら

新年一発目の更新です。


投稿が遅れてしまって本当に申し訳ありません。


1人でもみてくださる方がいるだけで僕には書く価値のある作品です。


今年も宜しくお願いします。

「あにさま…」


少年と瓜二つの子がこちらを怯えながら見ていた。


若那(わかな)、来るでない!」


土に埋もれた少年は、木の影から怯えながらこちらを見つめる子に言った。



あの子が若那…。







ーー『和主(わぬし)、死ぬぞ』






俺に謎の言葉を放ったのはこの少年ではなく、あの子である。俺はそう思った。



だが、あの時とは雰囲気が違う。

あの時はもっと冷たい空気を纏っていて感情というものが感じられなかったが、今見ると普通の着物を着た子だ。



「で、でもあにさま。さきほど土神様が見えたし、凄い音したし…。若那はあにさまが心配で…」


「なんと兄思いな妹なんじゃ!!可愛いぞ!若那!怯えている姿もまた小動物の様で可愛い過ぎる!!」



シリアスなモードかと思いきや、シスコンなモード全開になった。


「あらあら、なかなかのシスコンあにさまなんですわねぇ」


エイブラハムが2人を見て笑顔で言った。

相変わらず笑顔の下にトゲがある言い方だ。


「先程も言った通り、我々は君達兄妹に危害を加えるつもりは無い。妹君も来たことだ。この島で何があったか、聞かせてはくれないだろうか?」


ラヴィニアが真剣な眼差しで少年に言いった。


そして木の影で怯える少女の元へ近づき膝をついた。


「君の兄君に危害を加えるつもりはない。多少手荒な真似をしてしまったこと、ここに謝罪しよう」


真剣な眼差しは子供を安心させようとする優しい瞳に変わっていた。


「妹君。君達兄妹とお話がしたい。茶も茶菓子もないが少しばかり付き合ってもらえないかな?」


しばしの沈黙の後、若那という少女はラヴィニアのその優しい言葉と瞳に恐怖心と警戒心をゆっくりと解いていった。そして木の影からこちらに現れた。



あんなに優しいラヴィニア、初めて見た。



軍人の様に鉄の女と言う表現が正しい彼女の優しい一面を俺は初めて見た。



「…うん。わかった」


少女は答えた。



「んじゃ」


そう言いユウが土に埋もれてる少年の着物の首元を掴んで、ズボッと引っ張り出した。


「シスコン野郎、洗いざらい話せよ?」




いや、言い方よ……。


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