オカッパ頭は嫌いじゃない
俺がシャルルと合流する数分前ーーー。
ラヴィニアは森の中を調査していた。
「やはりどこを見ても怪しい所がないな。不自然すぎるほどに…」
ネーナブルガの侵略をこの島が受けなかった理由は必ずあるはず。ラヴィニアはますますこの島に不信感を抱いていた。
ーガサガサ…。
「誰だ!」
ラヴィニアは音がした先を見て言った。
警戒の為、背負っていた剣に手をかけた。
そこから現れたのは1人の幼女であった。
「女の子……。こんな所に」
ラヴィニアは剣から手を離した。
「お前もこの島を荒しに来たんか!?」
幼女はラヴィニアに向かって言葉を吐いた。
「?何を言っている?私はこの島に偶然来ただけだ。君はこの島の子か?」
「質問してるのはこっちじゃ!!それと……ワシは男児じゃ!!!」
幼女、いや少年はラヴィニアに啖呵を切った。
猫の様な吊り上がったクリンとした瞳。
少し青みがかった前髪パッツンのオカッパ頭。後ろ髪を高めの位置で結んでいる。左側が半分青く、右側が半分白い着物を着ていて、黒い袴を履いている。なのに足下は茶色いブーツ。
その和物な身なりをしている少年の容姿は、異世界から来たラヴィニアにとって不思議なものであった。
「ついこの間、龍やら魔物やらの攻撃があったと思えば……!まったく次から次にやってくるの〜!」
和物の少年は頭をかきむしりそう言った。
「っ!!やはりネーナブルガからの攻撃を受けていたのか!ならこの島が無事なのはーー」
「これ以上!ワシらの平穏は邪魔させん!!」
ラヴィニアの言葉を遮り、少年は着物の懐からお札を出した。
お札には無数の読み取れないほどの文字が書き込まれている。
「土神さま土神さま。御身の造り神をもってこの者を踏み潰したまえ!!!」
少年は呪いの様な言葉と共にお礼を地面に叩きつけた。
ゴウンー!
お札の文字が赤く光り、地面が盛り上がっていく。
ゴゴゴゴゴ…!
辺りの木々も地面と共に盛り上がっていき、みるみる内に巨大な人形のゴーレムへと化した。
「こ、これはっ!」
ラヴィニアが驚くのなどお構いなしに少年が言う。
「ブッ潰れろ!侵略者!!」
ゴーレムは大きく右腕を掲げてラヴィニア目掛けて一直線に振り落とした。
ドゴーーーーーーーーーーーン!!!!
巨大な地割れの音と砂煙が森を覆った。




