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召喚した勇者が全員×××な件について

深夜帯でやってるなんかオモロそうだなって感じのバラエティを見る感覚であまり期待せずフワッと見ていただけると幸いです。笑





「こんなハーレム………ちがーーーーーう!!」

















ーーー若干18歳で世界が滅ぶというありえない光景を目の当たりした。


隕石の落下?

NO


死の病の蔓延?

NO


結局は人間同士の戦争?

NO



原因はそう。


【異世界が攻めてきた】からである。


どういうこと?って思う人が殆ど、いや全員だと思う。


急に空が真っ暗になり、ゲートの様な穴みたいな所から、俗に言うゴブリンやらオークやらドラゴンやらが出てきて、この世界を滅ぼしてしまった。


ありえない光景すぎて、突然の出来事過ぎて、ゲームみたいな、アニメみたいな、現実味を全く浴びない世界の終わりを体験したが為に、俺の頭は100万周回って、冷静になってしまった。



「ああ、生きてるのが不思議だ」



世界を滅ぼす大参事だったと言うのに、俺、五十嵐十五(いがらしじゅうご)はこうして生きている。


「おい、じゅーご、ボサッとするな。早く石を運べ」


そう。俺に上から命令してくるこの女に助けてもらったからである。


ポニーテールの金髪にちょっと青みがかった色、 外国人みたいな真っ青な瞳、鎧の様な軽装をまとっており、モンスター○ンターみたいに剣を2本背負っている。



ご察しの通り、異世界人である。



異世界の奴らに攻めて来られたのに異世界の奴に助けて貰ったなんて矛盾した話だろう。


でも事実なので聞いてほしい。



さっきまで生きていた人達が、訳も分からず見たことのない生き物達に虐殺されて、俺がいた渋谷は逃げ惑う人達で地獄と化していた。


俺も逃げ惑う市民Bだった。


街が壊され、潰され、燃やされ、かつて渋谷だった場所は文字通り破壊された。


逃げてた時間なんて分からない。分かったのは、自分も絶対死ぬという事。

人間どこかで、自分は死なないだろうと思い込む節があるだろうが、実際死を直面にして分かった。そんな自信一瞬で崩れ去ると。


もう走る体力なんて残ってない。それでも走り続けるしかなかった俺の目の前で、大きな爆発の様なものが起こった。

巻き起こった粉塵の中から現れたのは、大型トラックをも一飲み出来てしまいそうな巨大なドラゴンだった。

目が血走り、大きな口には血がべっとりと付いていて、鉄板みたいな鱗がびっしりと身体中を覆っている。



「…………ドラゴンって、生で見るとブサイクだなぁ」



自分の死を目の当たりにしてひどく冷静な遺言であった。

ドラゴンに殺される、その瞬間ーーー



目の前にいたドラゴンが金髪女剣士に変わっていた。



「この世界の生き残りか?」


金髪女剣士は俺にそう問いかけた。

それと同時にさっきまで俺を殺そうとしてたドラゴンがジェンガが崩れるかの様にバラバラに斬り刻まれていた。


「質問に答えろ。時間が惜しい」


見た目は俺とあまり変わらないぐらいの年齢のその女剣士は両手に剣を持ち、テキパキした抑揚のないその喋り方は、まるで軍人の様だった。


「え、えーと……そうだと…思う」


"この世界の"ということは、コイツも異世界の奴?じゃあ、助かったわけではない。俺は質問にストレートに答えることが出来なかった。


「釈然としない返答だが今はいいだろう。私の名はラヴィニア」


ラヴィニアと名乗るその金髪女剣士は俺の目をまっすぐ見て、続けてこう言い放った。




「お前達を助けにきた」





ーーーこうして俺はラヴィニアに助けられて今も生きているというわけだ。


「なぁ、さっきから石をずっと運んでるけど、どうするんだ?こんな大量の石?」


「墓だ」


ラヴィニアは間を置かず答えた。


「死んでいったこの世界の人間達のな」


辺りを見渡す。渋谷で助かったのはどうやら俺一人だけだった。

家族は、友達は生きているのだろうか?

それとも、この"墓"の中にいるのだろうか。


「私がもう少し早く到着していれば、助けられたはずの命だ」


女戦士は唇を噛み、己を悔やんでいた。


「私たちの住む世界。そこで最も力を持つ帝国【ネーナブルガ】の凶王は異世界への侵略及び征服を目的にこの世界へ攻撃を仕掛けた。私は反帝国のレジスタンスの一員としてこの侵略を止めようとした。この世界はかなり特殊な構造をしている。私達異世界の者達からすると、ひどく欲しくなる代物らしい」


特殊。たったそれだけの事で……。


「戦争というのは実に馬鹿げているだろう。欲しいから奪う。そんな子供みたいなエゴで多くの命が犠牲になる」


ラヴィニアは作った墓に向かって手を合わせた。


「…痛かっただろう。苦しかっただろう。許してくれなんて言わない。私を呪ってくれ」


俺もやらずにはいられなかった。




沈黙が世界を包む…。




「………では始めよう」


祈り終わったラヴィニアが沈黙を破りそう述べた。


「始める?なにを?」


「ネーナブルガの侵略に対抗する力ーーー異世界からの勇者召喚だ」


……………


重たくどんよりとした空気感がピタッと止まった感じがした。


「じゅーご、私の話を聞いて欲しい。異世界の力に対抗するには異世界の力が必要なんだ。私達レジスタンスは異世界の勇者と呼ばれる者達を召喚する(すべ)を手に入れた。私達の世界からではなく、お前達の世界でもない、第3の世界から伝説の勇者達を召喚する術を」


ラヴィニアは真剣な眼差しで続けた。


「今はネーナブルガからの攻撃は止んでいる。またいつ攻めてくるか分からない。だからーーー」


「分かった。やろう、それ」


話の全てを聞かずに俺は了承した。

前にも言ったが俺の頭は100万周回って冷静だ。

いや、また何万周も回ってヤケになっているのかもしれない。


ラヴィニアは豆鉄砲を食らったかの様に目を大きく見開いていた。青い瞳がより鮮明に見えた。


「その召喚をするにはどうすればいいんだ?必要な物は?」


「え、えーとだな…、その、なにも聞かないのか?」


「聞いてるじゃんか。どうすればいいんだ?用意するものは?って」


「そうじゃない!」


戸惑っているラヴィニアが可愛く見える。

上から目線で軍人みたいだった女戦士が、ただの女の子の様だった。


「その凶王ってやつをぶっ倒してやろーぜ。勇者を召喚してさ」


我ながらかっこいいこと言うものだな。




「……じゅーご。感謝する」












ーーー大きな光が辺りを包んだ。


ゴウンゴウンと地面が響く。


勇者召喚の儀式が始まったのだ。


儀式の準備は実に簡単なもので、地面に石や木の棒でサークル、魔法陣の様な模様を描き、召喚術師の血を3滴垂らすだけだった。


ラヴィニア曰く「必要なのは知らず識らず誰しもが持っている魔力、その根源たる生命力だ。じゅーご、お前は私の知る限りこの世界での唯一の生き残りだ。生命力は申し分ないだろう」という事らしい。


Gの様な言われ方をされている様だが、今はいいだろう。

ある意味、 運も生命力の一つみたいだ。



ラヴィニアがサークルにゆっくり手をかざす。


「四方を照らす女神の瞳。空を疾る天馬の鼻唄、大地と(たたか)う英雄の口笛、核を穿つ龍の鼓膜ーーー」


詠唱を唱えながら、かざした手を上や横やら全ての方向へ振る。まるで踊っているかの様だ。


「力なき我の願い、求めるは勇気を」


そう言いナイフを取り出し俺の指を軽く斬る。血を1滴垂らし、


「求めるは救済を」


2滴目を垂らす。


「求めるは勝利をーー!」


3滴目。

閃光が放たれた。


「異界の扉より常世に来たれ!栄光の戦友(とも)よ!!」


雷が落ちた様なそんな轟が鳴り響いた。

大量の煙が立ち込めている。




ーーーーー成功だ!!




俺達は、異界からの勇者を召喚させたんだ。


煙の中には3人の勇者が立っていた。



「ここが異世界ですの?なんだか埃っぽいところですわね」

「あー?オレを呼んだのはテメェーか?」

「呼ばれて飛び出てボボボボーーーン☆」




……えーと…



…………勇者……なんだよな………?




俺達が召喚したのは勇者で間違えないんだよな?


なんなんだこの3人は!?

お姫様みたいなドレスを着てる奴、眼帯付けてる海賊みたい奴、飴ちゃん舐めてる原宿系ファッションな奴と、統一性もなければ勇者要素も全くないっっ!

我ながら冷静さが欠けてきた。


唯一統一されてるのは、3人とも女という事のみである。


「貴方達は、異世界からの勇者で間違いないだろうか?」


ラヴィニアは俺の疑問を聞いてくれた。


「「「そうですわ

   ったり前だ!

   そだよーん☆」」」


三者は同時に三様で答えた。


ん?

待てよ。


ラヴィニア曰く、この世界には今のところ俺一人。

俺の隣にいるのは女剣士。

召喚した勇者も女、女、女………。


俺の冷静さが妙な思考を連れて戻ってきた。


こ、これは!

俗に言う【ハーレム】なのではないかっ!!?

そうだ!そうに違いない!!


世界の終わりか、将又(はたまた)生きるか死ぬかの戦いの前に、なんて事を俺は考えているのだろう。


だが思ってしまったのだから仕方ない!


これは五十嵐十五、人生最初で最後の【ハーレム】なんだ!!



「あー、えっと。勇者の皆さん、召喚されてくれてありがとう。女性の勇者と言えど心強いよ!」







………………?







ん?変な空気になってしまったな。

まさか、俺がハーレムで喜んでいたのがバレたか!?





3人は不思議そうな顔をして、





「「「わたくしは、

   オレは、

   ボクは、 」」」




















「「「【男】ですわよ

      だぜ?

      だよー☆」」」





















ええええええぇぇぇーーーーーーーー!!!!!



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