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少年少女剣客隊  作者: 渋谷かな
19/53

15の災い、その3

「ねえねえ、ペリー。」

「なに? ちいちゃん。」

「神隠しや大量虐殺だとか、不幸な事件があってこその少年少女剣客隊よね。」

「そうね。正義って、悲しいね。」

「不幸をまき散らす! 少年少女剣客隊!」

「楓ちゃん!? それは言い過ぎ!?」

「まったく、どいつもこいつも不謹慎だ。せっかく我がご先祖様が、明治や東京だの汚れた日本国を、清く正しい徳川の江戸に戻してくれようというのに、みんなもっと喜べ! ワッハッハー!」

「人が死んでるんだぞ!? 喜べるか!? 家々! おまえが死ね!」

「こうなったら徳川の亡霊と末裔の家々を大砲で粉砕してやる!」

「この世に光を! 少年少女剣客隊!」

「良いキャッチコピーだ。」

「ふん。これから後13個も不幸を考えるご先祖様たちのことを思うと、家々は胸を痛めますぞ。がんばれ! ご先祖様たち!」

「おまえも頑張るんだぞ、家々。」

「桜先生!?」

「はい、静かに。席に着いて。」

 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。

「今の明治の世では、神隠し、大量虐殺が流行っているから、皆さんは気をつけてお家に帰るように。それではさようなら。」

「桜先生、さようなら。」

 子供たちは寺子屋から去って行った。


「どうする!?」

「困った!?」

「あと災い13個もどうすればいいんだ!?」

「家重! おまえがカッコつけて、災いが15個も起こるなどと言うからいけないんだぞ!」

「すいません。だって15人いるんだもん。」

「だってもくそもない!」

 江戸城では、家々のご先祖様の徳川15将軍の霊たちが、災い15個を創作する軍議が行われていた。

「もう既に、第1の災いとして、神隠し。第2の災いとして、大量虐殺はおこなったので使えない。」

「第3の災いをどうするかだ?」

「もう定番の巨人かでいいんじゃないか?」

「それ、いただき。」

「簡単に採用された!?」

「今は何でもいい! 災いを全部で15個考えるんだ!」

「おお!」

「人間のゾンビ―、キョンシー化はどうですか?」

「それ、いただき。第4の災い確定ね。」

「本当に何でも採用するんですね。」

「背に腹は代えられないんだよ。」

「なら、空からカラスの大軍が東京に糞をまき散らすなんてどうですか?」

「それ、いただき。」

「ええー!? そこは却下でしょう!?」

「なんでもいい! 地面に落とし穴を掘るとか! 銀行強盗をするとか! 食い逃げ! 万引き! なんでもい! 災いが必要なんだ!」

「ダメだ。霊が暴走している!? 英霊や怨霊でもない!? それ以上の存在を生み出そうとしている!?」

「私たち15人は、どこに向かって走っているんだ!?」

「家治! ここは我々に任せろ! おまえは第3の災いを行ってくるんだ!」

「分かりました。行ってきま~す! イエーイ!」

 徳川15将軍の第10代将軍、徳川家治が明治東京の街に旅だった。


「あなたが我が徳川家の末裔の家々ですか?」

「そうだが・・・まさか!? ご先祖様!?」

「大正解! 私は徳川家治。第3の災いをまき散らしにやってきました。ちょっと危ないので、下がっていてくださいね。うわあああああー!」

 家々たちの前に現れた家治の体が巨大化していく。

「体が巨大化した!?」

「そこら辺の近代建築物は破壊するので近づくなよ! 家々!」

「ご先祖様!?」

 巨大化した家治は、日本を侵略する駅だの蒸気機関車などを壊していった。長屋などの平屋は足の裏で人踏みでペッチャンコであった。

「さらばだ! 家々!」

 街を破壊するだけ破壊して家治の巨人は消えていった。

「カッコイイ! さすがはご先祖様! ありがとう! ご先祖様!」

 家々はご先祖様の大活躍に笑顔で手を振るのであった。

「私たち何にもしてないじゃない?」

「違うわ。私たちが巨人を追い払ったことにすればいいのよ。」

「これで少年少女剣客隊も一目置かれる存在だね。」

「これでいいのか?」

「実朝くん、お父さんに言っちゃあダメだよ。」

「お父様には言わない。」

「私もお兄ちゃんに言わない。」

「私もお父さんに言わない。言ったら懺悔させられそうだもの。」

「私も蛍ちゃんに言わない。」

「ご先祖様! あと12個の災いもがんばってください! きっと、全ての災いが達成された時には、徳川家が再興する時! その時は僕が第16代徳川将軍になる時だ! ワッハッハー!」

 家々の野望であった。

 つづく。

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