Metamorphoses +1(side YUI)
「ありがとうございました!」
達也さんと別れてほしいと私に頼みに来た彼のお父さんを、店長の威勢のよい声が送り出す。
それからランチタイムが終わるまでの数時間、私も店長も、客の対応に追われた。最後の客が帰ったのは、閉店予定時間の3時を少し回った頃。店から客がいなくなるやいなや、店長が鬼のような顔で厨房から出てきた。
「おまえ、やっぱり!!」
「な、なによ?」
「『なによ』じゃねえだろっ!」
身構える私を睨みつけたまま、店長が、脱いだ白衣をくしゃくしゃに丸めてテーブルに叩きつけた。
「昨日は有能そうなネエちゃん! 今日は、ただ者じゃなさそうな粋なオヤジ! おまえ、やっぱり、こずるい手を使って仕事を手に入れてたんじゃねーか!!」
「ずるい手なんて使ってないわ!」
「だったら、どうして《胡蝶》のイメージモデルなんてデカイ仕事がおまえに回ってくるんだよ? 胡蝶なんて、俺でさえ知っている化粧品だぞ。オーディションとはいえ、運や実力だけで、おまえみたいなヘッポコモデルに、お鉢が回ってくるはずがない!」
店長が決め付けた。
私だって、自分がヘッポコモデルだということぐらい知っている。だけど、他人に断定されて嬉しいはずがない。
「し、失礼ね、私だって……」
「『私だって』なんだ? 言い訳できるもんなら、してみやがれっ!」
店長は、これ以上はないというぐらい眉を吊り上げて、こちらに向かってきた。後ずさっていく私を壁際まで追いつめた彼が、逃げ場を失ってうつむく私の顎を、グイと持ち上げる。
「正直に答えろ。おまえの今の彼氏は、喜多嶋紡績の何だ?」
「え? なんで達也さんが喜多嶋の人だって、わかるの?」
驚く私に、「語るに落ちたな」と、店長が意地の悪い笑みを浮かべた。
「社章だよ」
私の頭の天辺に拳骨をグリグリと押し付けながら、店長が言う。
「今日のオヤジも昨日の女も、うちの常連客がつけているのと同じバッチをつけていた。その常連さんたちは喜多嶋の社員だ」
「…………。今日来た人は、喜多嶋の社長さん、兼、会長さんだったと思います」
隠しても無駄に恐い思いをするだけだと悟った私は、渋々白状した。
「なんだと? じゃあ、おまえがたらし込んだのは、喜多嶋の御曹司ってことか?」
店長は心底驚いたらしい。顎が外れるほど口を開けた。店長の剣幕におびえて机を楯に隠れていた3人のバイトの女の子たちも驚いていた。
「すごい! 唯さん。玉の輿ですね!」
「羨ましいな~」
「羨ましくないっ!!」
机の下から顔を出し黄色い声を上げて騒ぎ始めた女の子たちを、店長が一喝する。女の子たちは、すごすごと机の後ろに戻っていった。
「おまえなあ。いくらなんでも喜多嶋の御曹司に手を出すなんて、身の程知らずもいいところだろ」
「ひどい。店長まで、そういうこと言うの?」
呆れた顔で私を見下ろす店長を、私は涙目で睨みつけた。
「どうせ私は良い家柄の娘でもないし裕福でもなければ学歴もないわよ! でも、そんなの彼を好きになるのに関係ないじゃない!」
「そんなの当たり前だ。『ふつりあい』という名の『愛』はない」
店長が、やけにキッパリと言い切る。
「ほら! 店長だって……」
「ただし、おまえが男を選ぶ条件に、それらの条件が入っていなければの話だ」
店長が非難がましい視線を私に向けた。
「え?」
「知ってるか? おまえ、うちの客に対する接し方も時々そうだぞ。条件が良さそうで、自分を知らない世界に連れて行ってくれそうな若い男が店に来ると、態度が急激に変わる。まるで別人だ」
「そうだよな?」と、店長が、机に隠れている女の子たちを振り返った。「ええ、まあ」と、女の子たちが遠慮がちにうなずいた。
「達也さんとやらだって、どうせ、思いっきり猫かぶって手に入れたんだろう? こんな女に引っかかる奴は余程の馬鹿か世間知らずだと思うが、化けの皮なんてものは、どうせすぐに剥がれるんだ。 どんな馬鹿男でも、騙されるのは最初だけ。今は幸せでも、最後は捨てられて泣くことになる。そんな簡単なことが、なぜわからない?」
「うるさいわね! 私は猫なんか被ってないわよ! 彼が御曹司だろうがなんだろうが、関係ないんだからっ!」
私は、店長の脇をすり抜けると、店の外に飛び出した。これから《胡蝶》のイメージモデル候補のお披露目も兼ねた、ガロワの来日記念のパーティーがある。これ以上、店長とくだらない話をして時間を潰すわけにはいかない。
だが、店を飛び出してすぐに、私は、自分が手ぶらだということに気が付いた。これでは、バスにも電車にも乗れない。コートも忘れたので寒かった。だが、忘れ物を取りに戻って、また店長に叱られるなんて冗談じゃなかった。
「いいわ。歩いていけない距離じゃないし」
私は、店に背を向けると、パーティー会場となるホテルのある方向に向かって歩き始めた。
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それから、約1時間後。
寒さに震えながら頑張って歩いた甲斐もなく、その日のパーティーは最悪だった。
なにがいけないかといえば、まず、私が着るドレスである。
人によって多少のアレンジが加えられているものの、オーディションに参加するモデルたちは、基本的に同じドレスを着ることになっていたのだ。同じドレスなのに…… というよりも、同じドレスだからか、ドレスを身に着けて鏡に映った私の姿は、他のモデルたちよりもチンケでみすぼらしく見えた。
「なんで同じドレス? これって、もしかして、達也さんのお父さんの嫌がらせじゃないの?」
「条件を同じにして公正な審査を行うためだって担当の人が言っていたでしょう。あなた、この間の説明をちゃんと聞いてなかったの?」
私の不平を聞きつけた樹里というモデルが、先生みたいな口調で説明する。年上風を吹かせるこの人は、なにかにつけて偉そうな口をきく。だから苦手。
「説明を聞いてないなんて。さすが、御曹司さまに愛されている人は違うわよねえ」
「だって、可愛い唯ちゃんは、私たちと勝負する気なんて始めからないもの」
「すでに人生の勝者だものね。放っておいても仕事が入ってくるのに、オーディションで戦うなんて、馬鹿馬鹿しくってやってられないわよねえ」
西川麻耶を始めとしたモデルたちが、意地の悪い笑みを浮かべながら聞こえよがしの嫌味を言った。
そういえば、3年前に私が達也さんと付き合っていた時も、こんな人たちが沢山いた。私を妬んで、陰に隠れて悪口の言いたい放題。だから、毎日、毎日、私は辛くて仕方がなかった。今にして思えば、私がパリに行ったのは、そういった人たちから逃げたかったからかもしれない。
(気弱になっちゃだめ)
私は、自分を励ました。
この人たちの嫌味に負けたら駄目。逃げちゃ駄目だ。
私は、今度こそ達也さんの傍から離れない。彼を愛し抜くと決めたのだ。
それでも、パーティーが始まって、奥さまと一緒にいる達也さんを見るなり、私の決心は早くもぐらついた。真っ赤なドレスを着た奥さまは、出席者の視線を独り占めにし、達也さんの隣で眩いばかりに輝いていた。達也さんの視線も、奥さまに向いたままだ。私がここにいることに気が付いているのかいないのか、彼は、こちらを見向きもしない。
(所詮、私は日陰の女でしかないものね)
喜多嶋夫妻を遠目に見ながら、私はため息をついた。
(でも、せめてひと目だけでも、こっちを見てくれれば、元気になれるのにな)
切ない気持ちが募って、私は達也さんを見つめるが、彼は、スーツ姿の男たちとの会話に夢中になっていた。奥さまのほうはといえば、かなり退屈しているようで、よそ見ばかりしている。
あの人は皆にチヤホヤされているけど、私のほうが達也さんに愛されている。そんなことを考えて、私は、ちょっとだけ優越感に浸った。
ワイングラスを手にした若い男が話しかけてきたのは、そんな時だった。
「こんなところで壁の花になっていて、いいのかい?」
自己紹介もなしに、男が私にたずねた。少し態度が馴れ馴れしいのは、この人に自分がハンサムだという自覚があるからだろう。自分の誘いを断る女なんていない。そんな自信のようなものが、彼からは感じられた。
(ところで、この人、何者なんだろう?)
このパーティーに出席していることから、彼は、ファッション関係者かマスコミ関係者のどちらかだと思われた。
(そういえば、さっきは春瀬リナとも親しそうに話していたわよね?)
ということは、この男も、トップモデルのリナと同じ土俵で仕事をしているということだろうか? 見た目の軽さを裏切って、この男は、実は『仕事のできる男』なのかもしれない。
(ふうん。そうか……)
「私、本当は、こんなところにいてはいけないんです」
私は、うつむくと、か細い声で男に答えた。
「そんなこと、ないでしょう? このオーディションって、ちゃんとした実績がないと参加できないって聞いているよ」
「いいえ。他のモデルさんはともかく、私には才能なんかありません。でも応援してくれる人がいるから頑張ろうと思って……」
男の慰めの言葉を否定しつつ、私は顔を上げると、精一杯の想いを込めて達也さんを見つめた。男は、察しが良かった。「へえ」と、言いながら、彼の視線が、私と達也さんの間を往復した。
「ねえ? それは誰?」
男がたずねる。だけど、私は、あえて答えを保留する。こういう時には、はっきりと言わないほうがいいのだ。彼が私と達也さんの仲を疑えば事は足りる。『こずるい手を使いやがって!』と怒っていた店長の顔が、ふいに頭の中に蘇った。
(でも、こんなの、ずるいうちに入らないもの)
男への演技を続けながら、私は、心の中で店長に言い返した。
だって、私は、達也さんにも誰にも仕事をねだってなんかいない。私は、ただ、向こうが…… 達也さんと私の仲を勝手に察した人たちが、私に『ちょっとした』仕事を回してくれることを期待しているだけ。喜多嶋紡績という大手企業と少しでも親密になりたいという相手の打算的な気持ちを、ほんの少しだけ利用させてもらっているだけだ。
それに、達也さんだって、奥さまと奥さまの実家を怒らせるのが恐くて、私との仲をひた隠しにしているのだ。もしも、彼が私に飽きたら、または浮気がばれたら、彼は私をアッサリ捨てるだろう。そして、奥さまの所に戻って、なんでもない顔で今まで通りの生活を続けるに違いない。
失うものの何もない彼とは反対に、彼に捨てられた私には何も残らない。だったら、元の惨めな生活に戻る前に、私が、ちょっとぐらいの好い思いをして何が悪いというのだ? それに、私は達也さんと付き合っているというだけで、あれこれと辛い思いをしているのだから、これぐらいの見返りがなければ割に合わない。達也さんだって、この程度のことなら、笑って許してくれるはずだ。
だけど、どうやら私の考えは甘かったようだ。
「君、いいかげんにしなよ」
この男は、達也さんの従兄弟だったらしい。彼は、私の『営業』に、ひどく腹を立てていた。こんなことを続けるのなら、私が二度と仕事をできないようにするとまで言って脅した。
(やばい。ど、どうしよう?)
うろたえた私は、すぐさま男の側から逃げ出したが、その後は、もう散々だった。
達也さんのお母さんが、初代の胡蝶のイメージモデルだったということがわかり(ということは、才能のあるなしに関係なく、あのお母さんがいる限り、私は絶対に《胡蝶》に選ばれないということだ)、そのお母さんの差し金か、私は、オーディションを受けている他のモデルたちから、ひどい辱めを受けた。しかも皆がみている舞台の上で!
パーティーが終わると、私は逃げるようにして会場を飛び出した。だが、店にバッグを忘れてきたので、財布もなければ家の鍵もない。
「も~! なんて日なのよ、今日は!」
私は、腹立ち紛れに足元に転がっていた空き缶を蹴飛ばすと、再び1時間かけて店へと歩いた。
ヒールの高い靴を履いていたせいで、店に着いた時には、足がひどく痛んだ。厨房にいる店長に見つからないよう、店の外から窓越しにバイトの女の子のひとりを手招きする。いったん店に戻った女の子は、やがて私のコートとバッグを持って戻ってきた。でも、店長には見つかってしまったらしい。申し訳なさそうに、「店長から、伝言です」と告げた。
「『自分に都合の良いことばっかり考えていると、いつか天罰が下るぞ!』だそうです」
「『そんなもん下るわけないじゃない!』って、店長に伝えといて!」
私は、バッグをひったくるようにして受け取ると、痛む足を引きずりながら家路を急いだ。
とぼとぼを歩く私の横を、ライトを煌々とつけた車が次々に追い越していく。
私は、とても惨めで。 そして、不安だった。
達也さんの従兄弟だというあの人は、私のしていることを達也さんに言いつけてしまっただろうか?
それを聞いた達也さんは、私に愛想を尽かすだろうか? 彼は、私を捨ててしまうのだろうか?
モデルの仕事も、できなくなってしまうのだろうか?
(諦めるのは、まだ早いわ)
なんとかして、彼を…… 達也さんを誤魔化すことはできないだろうか?
なんとかして、彼を…… 達也さんの従兄弟だというあの男を口止めすることはできないだろうか?
途方に暮れながら家までたどり着くと、アパートの前には更なるトラブル ……じゃなかった、達也さんが待っていた。喧嘩でもしたのか、彼の髪はボサボサで、着ているタキシードもヨレヨレになっていた。
ホッとしたことに、達也さんは、私の『営業活動』を、まだ知らないようだった。
部屋に入るなり、彼が私を抱きしめた。
「達也さん?」
「家を出ようと思う」
私の髪に顔を埋めながら彼が言った。
「喜多嶋の家を捨てる。 一緒についてきてくれるね?」
「は?」
突然の話に、私の頭の中は真っ白になった。
達也さんが説明してくれたことによると、どうやら私たちの恋が、彼の一族に知られてしまったらしい。
「皆は明子とやり直せと言うけれども、僕は君を愛している。明子も、僕のせいで散々嫌な思いをしているだろうから、やり直す気などないだろう。彼女と離婚するなら、僕を喜多嶋の家から勘当するというのが、一族の総意だ」
「そ、それで?」
「勘当されるよりも先に、僕は職を辞して、喜多嶋の家から勘当されるつもりだ。その上で土下座でもなんてもして、明子と六条さんに誠心誠意謝罪する。それで六条さんが許してくれるかどうかはわからない。だけど、僕のせいで喜多嶋が潰れることだけは、なんとしてでも避けたい」
「ちょっと待って! どうして、いきなり、そんな大事になるの?」
私は、手を突っ張ると達也さんの腕の中から抜け出した。
「こう言っちゃあ悪いけど、たかだか浮気でしょう?!」
上流階級の、しかも政略結婚だ。奥さんとの相性が悪くて外に女を囲う男の話なんて、珍しくないはずだ。
「でも、六条さんの場合は違うんだよ」
達也さんの奥さまの父親という人は、大変な子煩悩であるらしい。娘を傷つけた男を彼が許すはずがないと達也さんが言う。
「僕が明子を裏切ったとわかったら、あの人は、どんなことをするかわからない。僕は……喜多嶋は、それを承知した上で、六条からの支援をあてにして彼女をもらったんだ」
だから、明子と離婚するのであれば、自分にできる精一杯の謝罪をして喜多嶋を救わなければいけないと、彼は思いつめているようだった。
「でも、奥さまをもらうことは、あなたの一族の皆で決めたことでしょう? どうして、達也さんだけが犠牲にならなくちゃいけないの?」
「でも、皆の期待を裏切って明子を裏切ったのは、僕だ」
頭の硬い…… じゃなかった、責任感の強い達也さんが、ひたすら自分を責める。
「でもね。喜多嶋の家を出て、あなたはどうするつもり?」
「とりあえず日本を出ることになると思う。……たぶん、南のほうに行くことになるんじゃないかな」
「南? 暖かい所?」
「いや、その……それよりも、もっとずっと南の、かなり寒い所、かな」
達也さんが言葉を濁す。南にある寒い所? 意味がわからない。
「唯」
達也さんの大きな手が、私の頬に触れた。
「君が僕を愛してくれるなら、僕はどんな所でもやっていける。ついてきてくれるね? それとも、君は、喜多嶋の御曹司ではない僕など興味はない?」
「そんなことないわ!」
私は、叫んだ。
(そんなことはないわ。そんなことはない。でも……)
でも、やっぱり、わからない。どうして浮気したぐらいで、達也さんが勘当されなければいけないのだろうか? 私の母親なんて、男を取っ替え引っ替えしていたけど、いつだって平気な顔をしていた。それに、あの奥さまは、達也さんのことなど愛していないではないか。私と彼が浮気していたって、あの人が傷つくとは思えない。
(そうよ、あの奥さんが愛している人がいるとしたら……)
私は、パーティーで見た光景を思い出していた。パーティーの後半、奥さんは、達也さんの従兄弟にエスコートされていた。その時の彼女は、達也さんに向けたこともないような優しい顔をしていた。とても幸せそうだった。
(あの奥さんだって、きっとあのハンサムと浮気しているのよ。絶対にそうだわ!)
証拠はなかった。だけど間違いない。そうに決まっている。私の確信が正しいのなら、私と達也さんだけが浮気の罰を受けなければならないということはないはずだ。
(そうよ。 達也さんが勘当されるなんて、間違っているわ)
だいたい、家を放り出されたこのお坊ちゃま ……じゃなかった、達也さんの能力は、喜多嶋紡績の専務という立場でこそ発揮できるものだ。他の世界では、ただの役立たず…… じゃなかった、とにかく家を出るのは良くないと思う。彼の、お母さんとお父さんだって、きっと悲しむに決まっている。
(とにかく、なんとかして達也さんの勘当を思い止まらせないと)
私は、必死で頭を働かせた。
達也さんは、奥さまのお父さんを恐れている。ならば、その人を怒らせなければいいはずだ。
(離婚となったら、当然奥さまのお父さんは怒るわよね? ならば、まずはふたりの離婚を阻止しなくちゃ。 でも、ふたりが仲良くなりすぎてしまったら、私は捨てられてしまうわけで……)
「唯。返事を聞かせてくれ」
考え込んでいた私に、達也さんが答えを迫った。
「お願い。ちょっとだけ考えさせて」
私は彼に懇願した。
「いきなり言われたから、なにをどう考えたらいいかわからなくて、だから……」
「3日待つ。3日たったら返事を聞かせてくれ」
達也さんは、そう言うと、「今日は泊まっていかないの?」という私の誘いを断って帰っていった。




