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悪い女のつくりかた  作者: 風花てい(koharu)
悪い女のつくりかた
37/88

Entangled Yarn 4

「アキコ、そのふかふかのストール、どうしたのですか?」

「それ、俊鷹くんからもらったの?」


 森沢たちがいなくなると、多恵子は明子が下げていた紙袋に、ガロワは明子が首に巻いているマフラーに興味を持った。どちらも、森沢が去り際に明子に渡していったものである。


「ああ、これ、これ! この感覚! 昔のまんまの綿です。懐かしいなあ」

 うっとりとした表情を浮かべながらガロワがマフラーの端に頬ずりしている間に、明子と多恵子は紙袋の中身を確認した。

 紙袋の中に入っていたのは、使い切るのに1ヶ月は掛かるのではないかと思うほどの沢山の化粧品の試供品だった。それからスーツなどの下に着たら良さそうな、伸縮性のある生地でできたハイネックのプルオーバーのシャツが色違いで数枚。キャミソールと呼ばれるような女性用の下着と手袋も入っていた。

「なんで、こんなものまで?」

 明子と多恵子が顔を見合わせる。手袋といっても防寒用のものではなく、就寝時に無意識に掻きむしって肌を傷つけなくても良いように『はめておいたらどうか』と診察を受けている皮膚科の医師から明子が勧められたのと同じような、薄手のものだ。キャミソールやプルオーバーのシャツも、ガロワが「これは、いい仕事をしていますね」 と感心するほど丁寧に縫い代の始末がされているものだった。

「特に、こちらは縫い代を外側に持ってきているでしょう?」

 ガロワが明子にキャミソールを見せて説明する。 

「肌への刺激を最小限にしよう。そう考えられて作られたものですね」

 どうやら森沢は、明子の肌に良さそうなものを、いろいろ見繕って持ってきてくれたらしい。


「でも、これは綿でも絹でもないようですね。なんだろう?」

 森沢が持ってきてくれた服を手にガロワが首を傾げる。

「肌触りがとても優しいわね。俊鷹くんが持って来たということは、喜多嶋ケミカルで開発した化学繊維かしら? なんにせよ、これなら明子ちゃんの肌に良さそうね」

 多恵子が、自分のことのように喜びながら明子に微笑みかけた。嬉しげにうなずく明子を見て、多恵子の顔が更に晴れやかなものになった。だが、彼女は急に顔を曇らせると、「達也も、これぐらいの思いやりがあればいいのに」 と、ため息をついた。


 悲しげな多恵子を見てガロワは不思議そうな顔をしたものの、彼女に直接事情をたずねたりはしなかった。その代わりに、彼は、10分ほど経ってから、初めからそう決めていたかのような何気なさで、「アキコのドレスはここで作るから、しばらくここに泊まります」 と、宣言した。




 多恵子の夫の紘一は、もちろんガロワの逗留を快くは思わなかった。


「伊織が、超高級ホテルの最高級スイートを用意してくれたんだろう? そっちへ帰れよ」と、紘一が強く勧めたが、ガロワは聞く耳を持たなかった。彼は、一緒に来日しているスタッフに命じて、その日のうちにミシンなどの必要な道具を運ばさせると、早速作業を開始した。


 ガロワは大層なデザイナーだから、彼のすることはデザインを考えるだけ。実際に布を切ったり仕立てたりという仕事は弟子たちに任せきりなのだろうと、明子は、なんとなく思い込んでいた。もしかしたら、普段の彼は、明子が想像した通りのデザイナーなのかもしれないが、明子のドレスに限っていえば、ガロワは、なにひとつ人任せにする気はないようだった。

 採寸も型紙を起こすことも、ガロワは全て自分ひとりでこなしていた。作業の邪魔をしてはいけないからと、明子は初めのうちは気を使ったものの、多恵子は、当たり前のように、ガロワのために用意した部屋に入り浸った。彼女は1日中ガロワとのおしゃべりに興じ、話相手を増やすべく明子や使用人を気軽に部屋に呼び入れた。遠慮していた使用人たちも、有名なデザイナーが服を作っているところなど、めったに見られるものではないので、仕事の手を止めて遠慮がちに入ってくる。おかげでガロワの回りは、いつでも賑やかだった。


 明子にとって意外だったのは、ガロワの服作りは、とても静かだということだった。

 まず手仕事が多い。ミシンを使うにしても短い時間だったり、あるいは非常にゆっくりと針を動かしていたりするので、長い時間、機械の音がし続けているということがない。

 『なぜ』とたずねた明子に、「着心地がね。同じようでも違うのですよ」と、ガロワが説明した。

「ミシンは偉大な発明品です。早く作ろうと思えば、あっという間に作れます。真っ直ぐに縫う時などは、人なんか足元にも及ばないほど上手にやってくれます。でも、何もかもミシンに頼るのは、私には無理です。早さを求めると、作業も気持ちも雑になるような気がするのです。かけるべきところには気合と時間と愛情をかけて作りたい。そうでないと、服が出来上がった途端に破り捨てたくなります」

「その台詞、懐かしいわね」

 多恵子が笑う。

「そうだね。昔は、よく多恵子に怒られた。『全部を手縫いする気なの? 仕上がる前に餓死するわよ!』てね」

 ガロワも懐かしげに笑った。

「でも、最近のミシンは昔に比べてとても優秀になりました。それから、私のスタッフもとても優秀です。だから服を作る速度が上がって、前よりも沢山の服が売れて、私は、餓死するどころか、お金持ちになることができました」

 ガロワが、明子に片目を瞑ってみせた。彼のおどけた物言いに、明子と多恵子が一緒になって笑った。



 ガロワがいるほうが多恵子の気が紛れるとわかったからだろう。紘一は、文句を言いながらも、本気でガロワを追い出すつもりはないようだった。それどころか、このふたりは多恵子の前で派手にいがみ合ってみせているほど仲が悪いわけでもなさそうだった。

 明子のドレスも完成間近になったある日の真夜中に、彼女は、ふたりが静かに酒を酌み交わしているところを見かけた。扉の隙間から垣間見えたふたりの表情は、重く沈んでいた。ふたりの顔を暗くさせている原因は多恵子に違いないと明子は思った。 


 明子のドレスは間もなく完成する。そして、そのドレスを着ていく喜多嶋主催のパーティーは明後日に迫っている。だが、明子をエスコートするべき多恵子の息子は、いまだに家に戻っていない。戻ってこない息子が気がかりなのか、それとも、息子が戻ってこないことを明子に対して申し訳なく思っているのか、あるいは、その両方の理由から、多恵子は沈んでいることが多くなった。できれば自分で息子を連れ戻したいと思っているようだが、それは、明子のいないところで紘一が止めているようだった。今のところ、紘一がひとりで息子をどうにかしようと頑張っているようだが、達也が帰ってこないことから察するに、彼の説得は功を奏していないようである。

「なんとかしなくちゃ」

 足音を忍ばせて自室に戻ってきた明子は、呟いた。

 元はと言えば明子が自分が蒔いた種である。紘一と多恵子があれだけ心を痛めているというのに、明子だけが、いつまでも何も知らない聞いていないというフリをしているのも心苦しかった。


 しかしながら、原因を作ったのが自分ではあるとはいえ、今回のことで、明子は達也という人物にほとほと愛想を尽かしていた。

 達也が昔の恋人を忘れられないのは、彼に嫁いだ明子にとっては悲しいことである。だが、それは、妻としての明子が個人的に許せないだけのことであって、決して達也という人物の評価を下げるものではなかったのだ。浮気は許せないが、仕事の能力とは関係ない。達也は、夫としては失格だが、将来の喜多嶋グループを背負って立つだけの能力と器量と責任を兼ね備えた人物なのだろうと、これまでの明子は彼を評価していた。 

 それなのに、まさか、達也が、自分が与えたわずかなキッカケだけで、昔の女性の元に走ったまま政略結婚で一緒になった嫁に一言の言い訳もなく家に寄りつかなくなるなど、明子は思いもしなかった。 


 明子自らそそのかしたようなものだから、達也が浮気するのは、もう構わない。だが、恋に溺れた達也が自分を見失い、喜多嶋の次期当主としての責任を投げ出すとなると話は違ってくる。このままでは、達也が、世間の笑いものになってしまう。達也が唯と共に喜多嶋の家を捨てるつもりならば、それでも良いのかもしれないが、彼がこの先も喜多嶋の次期当主でいるつもりならば、達也にとっても喜多嶋の家にとっても、現在の状況は非常にまずい。

 それに、このまま達也の暴走を放っておくと、明子の父に彼の浮気を気づかれてしまう。それでは、秘密裏に達也と離婚交渉するつもりだった明子の計画も台無しになってしまう。

 浮気しても……否、浮気させてしまったほうが、周囲に唯とのことを知られないように、達也は小利口に振舞ってくれるだろう。そう明子は期待していたのだが、どうやら、完全に読み違いだったようだ。

「でも、まさか、これほど不器用に周りを巻き込んで事態を大きく混乱させてしまうなんてねえ」

 こうなってくると、いっそ明子の父親の爪の垢でも達也に煎じて飲ませてやりたいほどである。


「とにかく、なんとかして達也さんを正気に戻さなくちゃ」

 なんとしてでも、達也を家に戻さなければいけない。彼を説得して、彼を喜多嶋グループの次期当主として……明子の夫として、パーティーで彼に自分をエスコートさせるのだ。

 紘一が説得できないのであれば、あとは一応妻である明子が説得するしか道はない。

「でも、 私の言うことなんて、達也さんが聞いてくれるかしら?」

 ぶり返してきたかゆみで肌を掻かないように両手をきつく組み合わせると、明子は、途方に暮れた顔で天を仰いだ。



 翌日。明子は単身喜多嶋本社に向かった。


 今回もお忍びで……というわけにはいかないので、入り口にいる受付の女性に自分の氏名と達也の妻であることを正直に告げる。数分後。達也の秘書である久本英理子女史が血相を変えて明子を迎えにきた。

「申し訳ありません。専務はただいま食事に出ておりまして……」

「あら、そうなんですか?」

 明子は、いかにも残念そうな顔をした。 

「達也さん。いつもいつも、お仕事で忙しくて、なかなかわたくしの相手をする暇がないようなんですの。ですから、今日は思い切って、わたくしが達也さんをお誘いにきましたの。でも、もう出かけた後だったのですね。残念だわ。でも、せっかくここまで着たのだから、せめてお顔だけでも見ていきたいの。しばらく待たせていただいてよろしいかしら? そうそう。この間ね。こちらの2階で働いている方に、化粧品の試供品を沢山いただいたんですの。達也さんがお帰りになるのを待つ間に、その方にお礼を言ってきますわ。彼が帰ってきたら、呼びに来てくださいね」

 一方的にまくし立てながら、明子は、2階へ続く階段へと向かった。


 なにがあっても引き下がらない。でも感情的になっていけない。

 鈍感だと思われるぐらい朗らかに、そして、少しばかり尊大に。 

 多少迷惑がられようとも気に病まず、自分の意思を押し通すこと。


 ……と、本日の明子は、自分の実母や姉の紫乃、そして妹の橘乃などを規範に行動することにしていた。そうでもしないと、ここに来る前に気持ちがくじけそうだったし、達也と話し合ったところで、簡単に言い負かされそうな気がしたからだ。今のところ、明子は上手に姉の真似ができているようだった。「ちょっっ! 奥さま、どうか、お待ちくださいませ」 と、久本が慌てて後ろから追いかけてくる。


「久本さんは、なにを慌てていらっしゃるの? わたくしがここにいると都合の悪いことでもあるんですか?」

「い、いえ、決して、そういう訳ではないんですが」

「では、どうして……」

 階段を数歩上がりかけた明子は、久本を振り向いた。その途端、彼女は、自分の顔が引きつるのを感じた。

 明子の様子が変わったことに気が付いた久本も後ろを振り返る。すると、彼女は、「おわっ!」と、美人秘書らしからぬ短くて太い悲鳴を上げた。久本が驚くもの無理はない。いくら彼女が優秀でも、まさか達也が浮気相手と肩を並べて本社に戻ってくるとは予想していなかったのだろう。

(少し尊大に。鈍感なぐらい朗らかに。それから、絶対に感情的にならないこと!)

 明子は、本日のモットーを今一度自分に言い聞かせると、まずはニッコリと笑顔を作った。そして、その顔を、うっすらと緑がかったガラスの壁越しに見える達也と唯に向けた。


 ふたりは楽しそうに話しながら、こちらに……本社の入り口に向かって歩いてくるところだった。達也が重そうな扉を唯のために開けてやると、唯が小鳥のように可愛らしく首を傾げながら、跳ねるような足取りで唯が中に入ってきた。そんな彼女を達也は愛情の籠もった眼差しで見つめていた。しかし、前方に明子を見つけた途端に彼の笑顔が凍りついた。


 唯も明子に気が付いたようだ。彼女は、達也の庇護を求めるように彼の背後に身を寄せると、彼の肩越しに脅えたような目で明子を見た。客観的に見れば、唯のそんな仕草は、とても可愛いのかもしれない。だが、浮気相手からそんな目でみられた人間にしてみれば、たまったものではなかった。


 脅えた顔の唯と視線を合わせた途端、明子の中で、なにかが切れた。


(この子、嫌い)

 温厚な明子には珍しく、理屈抜きに、そう思った。 


「ごきげんよう。達也さん」

 明子は、精一杯の虚勢を張って、微笑みながら達也に近づいた。

「それとも、『ご無沙汰しております』というべきなのかしら? お仕事に夢中なのもよろしいですけれども、たまには帰ってきてくださらないと、お義母さまが心配なさってますわ」

「ああ、うん。すまない」

 達也が、曖昧にうなずいた。彼にも、明子に言い訳をしてくれるぐらいの思いやりは残っているらしい。「最近は、忙しくってね。その…… 『胡蝶』のイメージモデルを決めるオーディションを兼ねたパーティーがあるだろう? そ、そうだ。彼女も、そのオーディションに出るそうなんだよ。モデルさんだそうだ。香坂唯さん。今日は、そのオーディション用の衣装合わせだとかで、こちらにお見えになったそうだよ」

 達也が、唯を自分の後ろから引っ張り出した。わざとらしい言い訳ではあったが、もはや彼の浮気を責めるつもりもないので、明子は信じるふりをすることにし、唯に視線を向けた。


 明子と面と向かい合うことになった唯が脅えた顔のまま、「はじめまして。香坂唯です」と、小さく頭を下げた。 アイドルタレントのような細くて可愛らしい声だった。明子の目の端で、達也の秘書の久本が、あからさまにゲンナリした顔をしているのが見えた。

「はじめまして、喜多嶋の家内です」

 明子は必要最低限の言葉で唯に応じると、「そうそう、パーティーといえば」と達也に用件を切り出した。

「ガロワさんが、そのパーティーで着るようにと、わたくしに素敵なドレスを作ってくださったの。まさか、その日まで仕事で来られないということはないですよね? ちゃんと、わたくしをエスコートしてくださるでしょう? 喜多嶋グループの将来を担う次期当主として」

 明子の口調は穏やかだったが、ここぞとばかりに、達也への日頃の恨みを視線に込めた。さすがの達也も、おとなしい明子にそんな目で見られて驚いたのだろう。「あ、ああ」と、うなずいた。


「よかった」

 明子は、両手を合わせて無邪気に微笑んだ。ちなみに、この仕草は妹の橘乃の真似である。

「それを聞いて安心しましたわ。独りでパーティーに出席しなければいけなくなったらどうしようかしらと思っていたんですの。ほら。ああいうお席には、離婚とか、浮気とか? そんな、つまらないことを勘繰っては面白がっている人たちが必ずいるものでしょう? あなたがいらっしゃらないことで、私たちの仲がどうかしてしまったのではないか? そんな噂が立てられて、万が一にでも父の耳に入ったらと思うと、身が縮む思いがしますわ。父は、なにしろ、ああいう性格の人でしょう? お義父さまとお義母さまには、とても良くしていただいているのに、根も葉もない噂のせいで喜多嶋グループに万が一のことがあったら申し訳がたちませんから」

 明子は、ここで少し間を置くと、達也の反応を見た。

 さすがにこの脅しは効いたようだ。達也が顔を引きつらせた。ついでに久本も顔を引きつらせ、「奥さま、ご安心くださいませ。この久本が責任をもって、なにがあっても専務をパーティーに行かせます!」と、確約してくれた。


(……ということは、私の用事は済んだ……ってことでいいのかしらね?)

 夫と妻と浮気相手。そんな物騒な集りは、用件が済み次第、一刻も早く解散するに限る。特に明子は、慣れない皮肉を言ったり脅したり他人と張り合うようなことをしたりで、短時間ですっかり疲れ果てていた。

「久本さんが約束してくれるのであれば、間違いないわね」

 明子は、達也の秘書に感謝を込めた眼差しを向けると、「では、私は帰ります。お仕事中に押しかけて申し訳ありませんでした」と、達也に丁寧に頭を下げて出口へと向かった。できることなら全速力でこの場から逃げ出したいところだが、そんな無様なところを唯に見られるのは癪だった。彼女は、残った気力を振り絞って胸を張り、ゆったりとした足取りを維持した。


「あの、明子?」

 扉に手をかけた明子を、追いかけてきた達也が呼び止めた。

「そ……その、君は、その、知っている、の、かな?」

 達也が言いよどんだ。彼がたずねたいことは、『自分と唯との仲を知っているのか?』ということだろうことは、明子にも充分察しがついた。

「なんのことでしょう?」

 達也に背を向けたまま、明子はとぼけた。

「お忙しいのはわかりますけど、お義父さまとお義母さまに、あまり心配をかけないであげてくださいね」

 「ああ、うん。これから気をつける」とかなんとか、達也が後ろでモゴモゴいうのが聞こえた。


「じゃあ」

 振り向かないまま、明子はドアノブを引いた。大きなガラスでできた扉は考えていた以上に重かった。風が強かったこともあって、非力な明子では足を踏ん張って両手で引っ張らなければ動かないほどだった。

(この扉、こんなに重たかったかしら?)

 明子は思い出そうとしたが、そんな記憶は残っていなかった。そういえば、この間本社を訪ねた時には森沢が扉を開けてくれたのだと、明子は思い出した。あの時の森沢は、片方の手を明子の手と繋いだまま、片手で軽々とドアを開けていた。 


(今日は、ここにいらっしゃるのかしら?)

 明子は出てきたばかりの本社を振り返った。


 達也の姿は、もう見えない。

 明子は、急に、どうしても森沢に会いたくなった。





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