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マトイビト  作者: varitora
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第4話 報告


「ふむふむ。民衆はいつもと変わらないか」


双子の報告によれば民衆はいつもと変わらない生活を送っているそうだ。少し違うのはゲームの時はうろうろするだけの民衆だったが一人一人に個性があり、喧嘩や恋愛が起きていたそうだ。


うんうん。だいぶ変わるだろう。これからは民衆の声に敏感にならなければな。出来るだけ民衆が幸せに暮らせるようにしなければ


「ポポル、モモルよ。ご苦労だった。これからも民衆の声を聞いていてくれ。何か必要な物があれば可能な限り用意しよう」


二人はお辞儀して所定の位置に下がる


「次にザハランよ、お前から報告せよ」


ザハランが前に出る


「国より東側へ1時間30分くらいの距離には人工的な物も見当たらず、人の姿も確認出来ませんでした。ですが…」


ザハランはあるものを見つけていた。それは龍族だった。龍族でも下級種のワイバーンではあったがゲーム時代のワイバーンとほぼ同格の強さだったそうだ。何故強さまで分かったかと言うと、もちろん襲われて返り討ちにしたらしい


探索の命令なのにこの世界の生命体を殺してしまった事を悔やんでいるようだ。もちろん自分の身が危なかったのだから仕方ない事だと許した


だが問題が無い訳ではない。野良のワイバーンなら良いが主人を持つものなら自分達の存在をアピールしたようなものだ


こんなバカでかい国だからいずれはバレるのだから大問題では無いが。可能なら敵対は避けたい。


まあそれも、兵士が揃うまではの話しだがな


次にデュラムの報告では西にはちょうど1時間程の所に国があったそうだ。ゲームの国と比べたら防壁は脆弱で弱そうな国だったそうだが。どんな兵力を保有してるかまでは分からなかったそうだ。国の広さはそこそこで人口も10万はいそうな感じだったらしい


しばらく遠くから観察をしていたが、動きも無かったのでひとまずは帰って来たそうだ。デュラムがそこで暴れなくて良かったと安心する。探索命令ではあるが、国の外に出る時は戦争しかした事のない彼等が大人しく帰って来てくれたのも大きな収穫だった


そこの国にはいずれ行かなければ行けないだろう。進軍という形でな


ジークハルトの報告では南には海しかなく、それはかなり広くて時間内では海岸を全て確認出来なかったと言った。天守閣からみた海か。確かに端なんて見えなかったな。海に少し踏み込むと見たことのない生き物が沢山いて、中には襲ってこようとするものもいたそうだ。知性は低いだろうとの事でいわゆる魚に近かったそうだ


海産物が手に入るなんて最高だ。ハマグリとかいないかなー?


ディアブロとシルビアの報告。二人は一緒に行動したそうだ。シルビアが言うにはディアブロは危ないからだそうだ。シルビアも危なそうだけどな色んな意味で


北に向かった二人はなんと人間の兵士らしきもの達と遭遇したそうだ。兵種は戦士風の男3人とメイジ風の男1人に見たことのない格好をした女1人がいたそうだが、二人の報告を聞いていると自分の耳を疑った


「聞き間違いだったか?今なんと言った?」


「ディアブロを見て、悪魔だ!とか言って襲ってきたので」

「二人で、力の差、見せ付けてきた」


オレは両手で頭を抱えた。トドメは刺さずに帰ってきたのか


「ディアブロは何か、だ、だめでしたか?」

「ん、失敗?」


他の側近達も呆れていた。こいつらには保護者が必要だな。さて、どうしたものかね


「はっきり言って失態だ、最悪姿を見られた場合殺して死体を消滅させるのが一番だったな」


二人は理解していないが他の側近の表情から事の大きさには気付けたようだ


「細かい命令をしなかったオレが悪い。気にするな」


その言葉を遮るようにベラルが異議を申し立てる


「ここは罰を与えるべきかと。このまま許してしまえば二人は成長しません」


「それもそうだな。んー、何が一番キツイ罰だ?」


「肉体的な罰はあまり意味が無いかと、藤堂高虎様がきつくお叱りになるのが一番の罰かと思います」


そうなのか?そんなの罰になるとは思えなかったが


「このような失態は二度とするな!次は無いぞ馬鹿者共が!!!」

茶番だな、と笑いかけるが二人は急に涙目になりその場にひざまづくと謝罪を始めた


あれ?うそでしょ?なにこれ


「二度といたしませんので許して欲しいのです!」

「失望させた、死にたい」


あまりのクリティカルヒットに放ったオレの方が驚くがベラルは頷いている


「以後、同じ失敗はするなよ」


二人には悪いが成長してもらうためだ。でもこんなに効くとは思わなかった。少し可哀想だけど


「ところで藤堂高虎様、そこでベラルは何をしているのでしょうか?」

ザハランが疑問に思っていたのか質問してきた


オレは隣にいるベラルを見た。側にいてくれれば良いと言ってから一向に離れようとしないのだ。まあこれはこれでオレは気分が良いからそのままにしていたが、これでは他の側近に示しが付かないか


「これは藤堂高虎様からの私への命令よ?何か気に食わない事でもあるの?ザハラン」


また大鎌を出した…もうやめてくれ


「命令だと?我はそんな命令聞いてないぞ」


注意しようとしたらザハランも大槍を構えていた。ザハランまで勘弁してくれよ…


「ベラル、ザハランそこまでだ」


オレの言葉に二人はハッとしてその場にひざまづく


「ザハランよ、確かにオレの命令だ。気を悪くしたのなら謝ろう」

「命令でしたか、これは我の失態。お許しください」


「ベラルも命令とは言え今は報告の途中だ、そう言う時は列に戻るのが常識だろう。いつ気付くかと待っていたぞ」

ごめんな。ベラル


ベラルは顔を真っ赤にして側近の列へと戻った


「皆ご苦労だった。もう今日は解散とするが一つお前達に守って欲しい事がある」


一同はオレの一言一句を逃さまいと耳を傾ける


「この国に住む者は全て家族だと思え、もちろん立場などはあるがな。この国の者を容易く殺したりはしないで欲しい。それが奴隷であってもだ。良いな?」


側近達はハッと礼をする


これで簡単に殺したりはしないだろう


「これにて今日は解散だ。各自、自分の部屋で好きなように過ごすと良い」


この城には側近が住まう部屋が側近の数だけ存在する


「オレは少し考えたい事があるからここにいるから何か用事がある時は来るように」


各々部屋に戻るがベラルだけはこの場から離れようとしない


「ベラル、どうした?」

「私は藤堂高虎様のお側にいます。邪魔にならないように静かにしておきますので」


そう言うとベラルはもはや所定の位置と言わんばかりに隣に座り込む


好きなようにさせておくか。情報の整理だ、これからどうしたら良い?ディアブロとシルビアが撃退した人間達は何者だったんだろう。それに西側に国があったな。そこの情報も手に入れなければならない


兵士作成のレベルが上がればデーモン・シャドーが作れるようになる。あいつらは戦闘向きではないが情報を探らせるには一番だな


デーモン・シャドーは影の中を移動出来る悪魔で、戦争前に敵の兵力や資源量を確認するのに使われる兵士だった。無駄な進軍をしないように良く使っていたな


資源と言ったら近くにあるあの山だ。あそこから資源が採れるかもしれない、それも検証せねば


「誰が資源採取に向いてるかな」

「どうかなさいましたか?」


隣にベラルがいたのをすっかり忘れていた


「近くに山があるのだが、あそこからこの国の資源となる材木や鉱石は取れないかなと思ってな」

「そう言う事なら私が確認して参りましょう」


何故ベラルがと思ったが本人も言ってるし任せる事にした


「では任せよう。身の危険や人間と出会ったら急いで帰って来るのだ。姿を見られたらわかっているな?」


ベラルがどうやって確認するかは分からなかったが何か考えがあるのだろう


資源が手に入れば何の心配も無く兵士を作れるようになる。約10億の資源があるが上級の兵士は一体で五千の資源と金貨を使う。上級の悪魔を20万しか作れない。最上級の悪魔は1万も作れない


他にも運搬を得意とする兵士や特殊な兵士も作ったりしなければならないから資源確保は今後の課題になる


ベラルからの報告を期待して待つとするか



人物紹介

ポポルとモモル 性格 陽気 寛大

4人目と5人目のサブキャラクター。双子と言うことで全く同じ容姿と設定で作った。見た目は小学校高学年くらいの見た目でピンクのショートヘアーに片目がピンクで片目が黒。ポポルは右目がピンクでモモルは左目がピンクと左右対称。短い角を持つが右と左に一本ずつ2人で分けるように持っている。ピンクのフリフリのワンピースを着て身の丈程の杖を持っている。ちなみにポポルが右利きでモモルが左利き。二人とも指揮型のサブキャラクター

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