第3話 ソウルで生成出来る物
いやー、さっきの王女様。ルトマーちゃんかー
あー…
完全に頭から離れなくなってしまった。恋する乙女のように名前を呟くだけでドキドキしてしまう。鎌谷虎二十六歳独身。ついに、恋をしてしまいました。あの優しい心に比例するかのようなルックス。一目惚れだ
「クハルト王国だったな。たしか人間が治る国。地図で自分の場所も確認出来たし、行ってみるか」
また会えるんじゃないかと希望を持ってクハルト王国へ向かう事にした。恋愛事情はこの辺にして、さっきの大暴れで大分成長したようだ。鎌術Lvもいつの間にか8まで上がってるし
ソウル24523
ソウル1 パン、薬草、棍棒、布、虫
ソウル2 肉、回復薬、短剣、服、動物
ソウル4 弁当梅、秘薬、大剣、革鎧、猛獣
ソウル8 料理人、ヒーラー、剣士、鍛冶職人、テイマー
ソウル16 生成レベルアップ
お!レベルアップか、やってみよう
ソウル24507
ソウル100 弁当竹、秘薬、魔弓、鉄鎧、魔獣幼体
ソウル200 弁当松、古の秘薬、聖剣、全身鎧、上級テイマー
ソウル400 弁当極、上級ヒーラー、上級剣士、上級鍛治職人
ソウル800 上級シェフ、最上級ヒーラー、最上級剣士、最上級鍛治職人、最上級テイマー
ソウル1600 使用者レベル120で使用可能
わーお!なんか色々と豪華になったが、弁当がどうしてこんなに高い…まさか究極の旨さなのか…興味ある。ソウルもかなり余ってるし弁当でも食うか!ふふふ、弁当(極)をな!
「んんま!!!」
ソウルを使って出した弁当極はそれはそれは美味しかった。今まで食べた物の中で断トツで一番に。これからは毎日弁当極食べるぞ!
「ソウルも余ってるしなー、最上級ヒーラーとか人を作るっぽいけど…なんかよく考えたら怖くね?」
人を誕生させるってよっぽどだよな…まぁ試してみるけど。男と女どっちか選べねぇのかなぁ。とりあえず最上級ヒーラーを生成してみた。お約束の光が体から出ていき一つの形となり姿を現した
「な、なんて事だ…」
そこに現れたのはなんと…妖精のような小さな生き物だった。金髪の髪に真っ白な体をしている手のひらサイズの小妖精、何故か体は薄っすらと光っていてシルエットでしか分からないが多分裸だ!!!
「よ、よろしくな!」
「はい!ご主人様!」
か、可愛い!
「お前の名前はシロだ!」
「わーぃ!シロ!シロ!」
しばらく、周りをクルクルと飛び回り肩の上に乗ったシロは足をポーンポーンとバウンドさせて遊んでいる
こういう趣味は無かったけど、割と良いかも
「他のも、出してみるか!」
そう思って生成を見ると最上級ヒーラーもだが、ヒーラー系の生成が全て消えていた。要するに量産は出来ないって事か…最上級で作って良かったー…
「最上級剣士を生成してみるか、剣士が小妖精だったらちょっと笑えるな」
ーー
時同じくしてクハルト王国、王城
「陛下、ご報告しなければならない事があります」
「申してみよ」
騎士が立ち上がり報告書を読み上げる
「本日、王国周辺の見回りをしていたところ、ジパングと言う場所から来たと思われる男を発見しました。その者は犯罪歴も無く、怪しい所も無かったのですが…死の森をおよそ3キロに渡って木々を伐採していたのです…魔法も使わずに大鎌一本で…」
王は髭を触りながら興味を示す
「ほう、一日でか?それも一人で?」
「はい、昨日の時点で森はありましたので」
「興味深いな、あそこを通っていたという事はこのクハルト王国にも来るだろう。見つけたら私が会いたいと伝え、ここに連れて来るのだ」
「は!!」
騎士は謁見の間を後にして騎士団に彼を探すように命令を下した
ーー
「これは…大丈夫か…」
最上級剣士を生成したが、体の全てを黒色の鎧で覆った身長2メートルの巨大な剣士が現れた。鎧の中身が気になるが…おそらく人間じゃないだろう…
「我ガ君、何ナリト命令ヲ」
ロボットかい!!!方向性がわからん!!オレの力の方向性がもうわかりません!!!
「まず名前をつける、お前はクロノスだ」
「有難キ幸セ、我ニ名前ヲ」
自我のあるロボットで認識して良いのかな…もう他の作る勇気が湧かない…
「クロノスは弟!シロはお姉さんだ!」
「シロ姉上、兄弟マデ、嬉シイ」
「ふぅ…。」
最上級だから使えるはず、だよな…
すごい不安になってきた
ひとまず今日の生成はここまでにしよう。まだ料理人とかは必要じゃないから後!まずはクハルト王国に行って王女と会わなければオレの気持ちが治らない。告白するんだ!!
森を抜けてしばらく草原を歩いていたら遠くに大きな建物が密集している場所を発見した。ここがクハルト王国…
そこは巨大な防壁が国全体を囲んでいた。後で知った事だがクハルト王国は最もモンスターに襲われる国でその対策として防壁などが建てられている。襲われると言っても全て難なく撃退するらしいが、数年に一度のペースで現れるドラゴンにはまだ手を焼いてるらしい。五年前に現れたドラゴンには防壁の一部と沢山の人間が犠牲になったそうだ
「ここがクハルト王国かー」
「我ガ君、敵意ヲ察知シマシタ」
「何か見られてるのー」
大門の前で国に入る手続きをしている途中にシロとクロノスが敵意を向けられている事に気付いた。何となく察しはつくが
「見つけたぞ!今すぐ王城にこい!」
ルトマー王女に蹴られて気絶した騎士だ。性懲りも無くこんな態度を続けるのか…もう殺そ…
「な、何だ!お前は!」
「我ハクロノス、我ガ君ヲ護ル守護者」
やっちゃって!クロノスやっちゃって!
「機械か!?あの時はいなかったよな!どこに隠れていた?やはりあの森を荒らしたのは複数での犯行だったか!!!」
「シロ、この人嫌い!」
「な、何だ!?」
シロが怒鳴る騎士に対してぺちぺちとパンチをしている。あー、何だかホッコリする。シロももっとやっちゃって!!
「この、良い加減にしろ!!」
「キャッ!!!」
「…」
「ひっっっ!!!」
シロがはたき落とされた瞬間にキレた。大鎌を取り出し一瞬で後ろに回り込んだオレは騎士の首に刃を当てていた
「死にたいらしいな」
「や、貴様何をしてるか分かってるのか!」
「お前は何をしたか分かってるのか?」
もう我慢ならん!!!
「待ってくれ!鎌谷虎殿!」
「王女様か、こいつはもう許さん」
「頼む、このとうりだ」
王女はその場で深く深く頭を下げて謝罪した。それは王女がするべき行動では無いとオレでも分かる。この王女様に免じて許してやるか
騎士の男には二度とシロに手を出すなと言って、ぐったりしているシロを抱き抱えた。シロは大丈夫だよ!とピースしてくる。本当に良かった
王女の命令でその騎士は謹慎処分を受けていた。ざまあみろクズ野郎。その後、王女に説明された。森の件を報告した所、王様が直々に会って話したいと言われオレを探していたと。最初から説明してくれれば良かったものをあの騎士ときたら
「鎌谷虎殿、その連れている二人は何者ですか?」
「こいつは小妖精のシロだ」
「よろしくなのです!王女様!」
「でこっちはオレのボディーガードのクロノス、機械だけど自我もあるんだ!大事な仲間だよ」
騎士のように何処から現れたのかと不思議がっていたが何も聞かず王女は納得してくれた。シロの事を気に入ったようで仲良くしてくれている。あ!言わなきゃ!オレの気持ちをルトマー王女に伝えないと!
「ここがクハルト王城です」
「でかいな」
伝えれないまま王城に着いてしまった。まだチャンスはある!謁見が終わった後にでも告白しよう
「二人も連れて来ていいか?」
「もちろんです。ただ、武器はここに置いてください。これだけは守っていただきます」
「あー、分かったよ」
王城の入り口にある机に武器を置いた。大鎌と短剣、クロノスの大剣も全て…
さてと、どうなるんだろうか。楽しみだ