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マトイビト  作者: varitora
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第8話 ゼル


「よう、お前達は援護に回れ」

戦場に出て来たのはゼル


このフィシアの国王だった


「お、お戻りください!」

ベラルは必死にゼルを止めるが無視される


「たかが龍族の6体我々が」

「「ゼル様ー任せてくださーい」」

「某が本気出しますから」

「ディアブロがぶっ飛ばすよー!」

「僕が落としますから!」

「ゼル様、私達信頼してない。しにたい」


各々が何とかゼルを城に戻そうと説得するが完全に無視している


「オレは今、シャドーの件も重なってイラついてるんだ。巻き込まれないように下がってろ」


いつもと違う雰囲気に8人はしぶしぶ後ろに下がった


「お前達はオレの本気を見たこと無かったな」


ゼルはゲーム時代から本気を出した事が無かった。本気とは何か、ブチギレて戦う事だ


ゼルの全身から魔力が噴き出しその姿はまるで燃えているようにも見えた。装備を亜空間から取り出し全身に装着する。漆黒の鎧とヘルム、異様に輝く黒と白の双剣は見る者全てを釘付けにする


8人は圧倒的な力を放つゼルにもはや言葉をかける事すら出来ないくらいに圧倒されていた


絶対的な力


ゲーム時代彼はその力を存分に放つ事が出来なかった


それは強敵が現れず、歯向かう者も同等の力を持つ者もいなかったから。後半の一年間はサブキャラクターすら出さずに兵士だけで戦う事しかしていなかった


「初めて全力で戦えそうだ」


そう言うと地面を蹴ったゼルはその場から姿を消した


遅れて地面が抉られる


8人は目で追うことすら出来なかった


龍族はまだ気付いていなかった。最後方を飛ぶ龍の頭の上にゼルが乗っていた。スキル、神速。発動後クール時間はあるが視界範囲内のどこにでも光の速度で移動できる


龍斬殺(ドラゴンキル)

頭に乗られていた龍は一瞬でその命を刈り取られた


龍斬殺、龍族をに対して五倍の斬撃ダメージを与える


「グォォォォォォォォオ!!!」


ようやく気付いた龍族達は仲間の死に怒っている


「息が臭いぞ、双剣旋風(ストリーム)


飛び上がったゼルにブレスを吐こうと口を大きく開けた2体の龍は斬撃の旋風を口の中に放たれ爆発した


「あれは双剣旋風」

「某は斬撃のスキルには無頓着なんだ。教えてくれないか?」

「ただの初級スキル。基礎ステータスが高過ぎてどの攻撃でも龍族の高い生命力を刈り取れるんだ」


8人は自分達の王が誇らしくもあったが急に怖くもなった。だからと言って敬愛の念は変わらないのだが


「あと3体か、終わらせる」


言葉を理解する龍族はようやく敵の強大さに気付いたのか恐怖していたが、逃げれない。これで命令を受けて出兵したと分かった


殺斬殺(キルザキル)


無鉄砲に突進した3体はほぼ同時に左右に両断された


龍族6体と絶望的な状況をたった一人で切り抜けた、と言うより問題なく抜けたゼルはどこかまだ満足していない顔をしていた


ゼルこと藤堂高虎

プレーヤーレベル255。これは運営が慌てて設けたカンスト値だ。理由はもう説明しないでいいだろう

スキルは剣技と魔法は全て習得。武術も8割習得していてパッシブスキルはデメリットのある物以外は全て習得していた。サブキャラクターも同じくらい育てればもちろん同格になれるがゲームの頃にプレーヤーレベル2位のプレーヤーで73だった


プレーヤーレベルを上げるには資源と金貨がこれまた必要で仮に高虎が今、上げようとしたら今の蓄えでは全然足りないくらいだ。ゲーム時代どんだけ狩っていたのか考えたらゾッとする


ちなみにサブキャラクターのレベルはベラルが85、ザハランとデュラムが81、ディアブロが79、双子が65、ジークハルトが62、シルビアが40だ


レベルまで引き出すと戦闘力がややこしくなるが、簡単に言うと兵士は全て一律レベル50と裏設定がある


それに兵士のポテンシャルが倍率となってかかる


またその説明は機会があれば


「待たせたな」


8人は固まっていた。ん?怖がらせてしまったか


「感激いたしました!」

「さすが我らがゼル様」

「某は自惚れていました」

「「かっこいいー!!」」

「僕は知ってたよー!」

「ディアブロもあのどらごんきるで…」

「私も、強くなりたい」


大丈夫そうだな。ひとまず城へ戻って報告会を開くとするか、敵はこっちの座標を知っている。早急に手をうたねば


「たまにはオレも暴れたくてな、少しスッキリしたよ」


8人はさっきのオレの戦いをあーだこーだと楽しそうに話しながら盛り上がっていた。どうも自分達の強さにも興味を持ったようで口論にもなり始めている


玉座の間に入ると私語をやめて整列した


間違い無くみんな学び、成長している。皆んながこれからどうなっていくか本当に楽しみだ


「皆んなご苦労だった。これから報告会を始めたいと思う。リアとミア、それにプリズナも呼んでくれ」


時はもう夕刻、円卓には12人の首脳陣が集まった


「今回の件、おそらく山の向こうの国とは別の国が絡んでいるようだ」


皆んな息を呑んで話しを聞いている


「6体の最上位龍族を小手調べのように飛ばせるような国がこの世界のどこかにはいると言う可能性が高くなった」


100体、下手したら1000体それ以上の龍族を保有している可能性もある。流石に1000体の最上位龍族が来たら守り切る自信がない


「これから、他国への進軍は控える。資源集めに専念して、側近の強化と兵士作成に時間を当てようと思う」


オレが出るようじゃダメなんだ。サブキャラクターだけで、出来れば兵士だけで勝てるようにならないと


「話しは変わるがプリズナよ、人間奴隷達の働きはどうだ?」


人間奴隷はとてもよく働いてくれるらしい。オレへの忠誠はあまり感じないらしいが、与えられた仕事をしっかりと問題無くこなしてくれるそうだ


プリズナの方も問題はなさそうだな



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