七夕の思い出
「星君元気にしてるかな?」
星君とは私の友達の十六夜星君。昔はよく遊んでたけど私の家の都合で引っ越すことになってそれからはあまり遊べてない。けど、明日の七夕は星君の町で花火大会があるから毎年七夕の日は星君の所に行くんだ。
「早く明日にならないかな〜」
私はそんなことを考えながら親の帰りを待っていた。しばらくして
「ただいまー」
「お母さんおかえり!」
お母さんが帰って来た。しかしお母さんは申し訳なさそうに口を開け
「ごめんね詩織。明日、お母さんとお父さん急な仕事入っちゃって明日星君の所まで送っていくこと出来ないの」
「えっ?」
そのお母さんの言葉は私に大きな悲しみを与えた。けど、私は笑顔を作りお母さんにこう言った。
「大丈夫だよお母さん。私中学生なんだから電車で行くよ」
お母さんにはそういい、その日はご飯を食べて寝た。
次の日は雲一つ無い晴天だった。しかし、星君の町は雨が降り花火大会は中止になったらしい。それを聞き、私はつよく落胆した。
「なんで私の町は晴れてるのに星君の町は雨なんだろ?花火大会が無かったら行く意味が無い。七夕の日に雨が降ったら織姫と彦星は会えないって聞くけどこんな気持ちだったのかな?」
そんなことを考えてるうちに私は眠ってしまって目が覚めたら7時だった。
「あ、もうこんな時間。ご飯の用意しなきゃ」
そんなことを考えたらいきなりインターホンがなった。
「はーい今出ますね!」
私は扉を開けに玄関へ向かい扉を開けた。そこには
「よっ!久しぶりだな。詩織」
星君が居た。
「えっ⁉︎いきなりどうしたの星君!」
「何って、花火だろ?おいで!」
星君は私の腕を掴み河川敷に連れて行った。
「ねえ、星君。私の町は花火大会ないよ?」
「分かってるよ。’見る’じゃなくて’する’んだよ」
そういい星君は持っていた袋から花火セットとライターを出す。
私達は花火を楽しんだ。いきよいよく火が出る花火やネズミ花火や線香花火でそのひと時を楽しんだ。
しかし夜も9時を過ぎた頃に星君はそろそろ帰らなきゃといい私は駅まで見送り星君は帰った。
次の日に星君と一緒に花火をした河川敷に行った。その日は暑く、私は逃げる様に橋の下の影に入る。そこには短冊らしき紙があったそれを見るとそこには
’ずっと詩織が幸せでありますように 星’
そう書かれていた。私はそれを見て笑い、その短冊の裏にこう書いた。
’星君とずっと一緒に居れますように 詩織’
と
お題が花火に思えないな〜