表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

world1

かなりお話が変わってます。

 また景色が変わり俺は噴水のある広場にいた。頬に触れるそよ風が気持ちいい。広場を囲うように生えている木々も風に合わせて、本物と見分けがつかないほどリアルに揺れていた。

 このような細かい描写までしているとは予想以上だった。流石最新のゲームとしか言いようがない。この映像をポン。と、魅せられてもきっとゲームとは思わないだろう。


 暫くそこに留まり広場を眺めていた。いつまでもそうしていてもいいのだが、やはり折角ゲームをしているのだから他の風景を見に行きたい。

 広場から伸びている大通りに色とりどりの看板をだした露天商が客引きをしていた。立ち止まり商品を眺める人。冷やかしている人や値引き交渉をしている人もいた。凄い活気があった。


 早速露店を覗こうとして足を踏み出した時に視界と体に違和感があった。


 視界に見え隠れする銀色の糸。そして視線が何故か下がり、胸のあたりがやけに重い。ふと見下ろすと俺の体についてあるはずのないものがあった。たわわに実った果実がふたつ俺の胸元にあったのである。


「......ひぇっ!?」


 あまりにびっくりして変な声を出してしまった。今の自分の出した変な声は天使が歌うようなソプラノだった。


 ふと周りを見ると周りのプレイヤー達に見られていた。は、恥ずかしい!

 俺は、そそくさと人の多そうな露店の方へ走っていった。木を隠すなら森の中。人を隠すなら人混みへ。体のバランスがかなり変わってしまったので何度もこけそうになりながら。



 暫く歩き後ろを振り返るとさっきのプレイヤー達はついてきてはいなかった。態々追ってくる必要もあるまい。

 そういえばいま俺はどうなってるのか知りたい。丁度良いところに水たまりがあったのでそこを覗き込んでみた。

 水たまりの向こうにはしなやかな白銀の髪を腰くらいまで伸ばした美少女が居た。下を見下ろして気がついていたが少女とは思えないサイズの胸。そして透き通るようなシミひとつない肌。肌をつついて見るとモチッとした感触が返ってきた。正直いってみたことのないほど可愛い。頭には羊のような角が生えているがそれさえも可愛さを引き出すものとなっていた。そのまま暫く見とれてしまってきたが、ふと脳裏に電話のアイコンが浮かんだ。そう言えば長谷川とログインしたら連絡を取り合うと約束してたんだった。早速通信をオンにする。


『おいーす。神崎ィ〜無事俺も買えたぜ!今お前何地区?』

『ああ長谷川。今ヘルタウンズ地区の沢山露店があるところに居るよ』

『お!ヘルタウンズ地区にいるってことはお前まさか一発で魔族系引いたのか!?』

『うん。しかも剥ぎ取りスキル付き』

『いやー。お前いつも運だけはいいよな運だけは。初期出荷分のヘッドギア当選倍率120倍で当てちまうんだから』

「運だけとは余計だ。まぁ、ラッキーだったね』

『あれ...なんかお前声おかしくない?まさかヘッドギアの不具合かな』

『いやお前のヘッドギアは正常だと思うぞ。とりあえず集合場所を決めないか?お前俺と会ったら驚くよ。きっと』

『ふーん。まぁあってからのお楽しみにするか。集合場所はお前が居る大通りの、北方向。えーと初期地点の広場の反対側だな。そっちに歩いて行ったらロータリーがあってそこに屋根が青い大きな教会があるからそこで待ち合わせでいいか?青い屋根はロータリー付近でその教会しかないんだ』

『青い大きな教会だね。分かりやすくていい。じゃ、また後で』

『はいよー』


 と、長谷川の方が通話を切った。

 ウキウキしながら大通りを北に歩いて行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ