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再び特訓!?

 特訓する。そう言われたけど・・・。

「な、なんで!?」

 特訓するはずなのに凛花りんかさんはただあの私の指輪にキスをしただけ。

 そして

「二週間後、またドラゴンスレイヤーを出してみなさい」

 と言われただけ。細かく言えば

「二週間は魔力を使ってはダメ」

 とも言われた。

 これじゃあ全然魔力の特訓にならないじゃん!

 簡単に魔力って強くなるの?そんなものなの?

 そうして私がブツブツ言っていると後ろから声がした。

「ミカ、今日うちに寄っていかない?」

 そう言ってきたのはマサトだ。

「マサトの家?」

「そう僕の家」

 マサトの家・・・家・・・マサトの・・・マサトの!?

「えぇ急に言われても!」

「ごめん、急に言って悪かったね、それじゃあ、またこん・・・」

「いえ!全然オッケーです!」

 そう言って私はビシッと親指を立てる。

「そう、なら一緒に帰ろう」

「うん!」

 最近、マサトと契約してから一緒に帰ることになった。

 毎日この時間が楽しみなくらいだ。

 でも、マサトの家かぁ。全然想像できないなぁ。

 そんなことを考えながらマサトと帰っていたら、

「ついたよ」

 とマサトが言った。

 あれ?もう?と思いながら前を見る。

「えっ!?」

 そこには、今にも壊れそうな家、というよりも倉庫と言ってもいいほど小さい建物があった。

「これがマサトの家?」

 いやいや、想像はできないとは言ったけど!別の意味で想像を超えたよ!

「ミカ、これを見ておんぼろだと思ったでしょ?」

 ギクっ!

「そ、そんなことな、ないよ」

「気を使わなくてもいいよ、でもこれはただの入口にすぎないからね」

「入口にすぎない?」

「まぁ見てて」

 そう言ってマサトはズボンのポケットから鍵を出した。

 そして鍵口に差し込み、鍵を開けた。

「さぁ、行こうか」

 そう言ってマサトは戸を開ける。

 家の中を見たが何もない、家具すら置いてない。

「さぁ入って」

 マサトに背を押されて家の中に入る。

「お、お邪魔しま・・・!?」

 驚愕!家の中に入ったはずなのに、まるでお城の中のようなところに移動していた。

「こ、ここどこ?」

 振り返るとマサトも入ってきた。

「あの家は見せかけの家だよ、だから言ったでしょ?入口にすぎないって、そしてここが僕が魔力で作った家、設備もちゃんと整っているよ」

 魔力で作ったって・・・。凛花さんがやったのと似たような感じか。

「一応ここは僕の家だけど、凛花さんたちもここに住んでいるよ、あそこに家の見取り図を置いてあるから見てごらん」

 そう言われ、私はマサトが指した方向にあった、見取り図を見に行った。

「こ、ここ十階建てなの!?」

 十階建ての家なんて初めて見るきがする。

 見取り図の部屋ごとに名前が書かれていた。

 風呂場、トイレ、寝室、キッチン、凛花、奈々(なな)、さき千香ちか、ミカ・・・。

「ミカって私の部屋!?」

「そうだよ昨日作ったばっかり、時間があったら見ておいで」

「私自分の家あるし、両親もいるし必要ないんじゃない?」

「もしもの為だよ、一応作っただけだから」

 まぁ、どんな部屋なのか気にならないって言ったら嘘になる。

 それと少し気になる部屋があった。

「マサト、トレーニングルームってどんなところ?」

 マサトはニコニコしている。

「まぁついてきて」

 マサトに言われるままについていった。

 少しするとある一つの部屋の前で止まった。

「ここがトレーニングルームだよ」

 そう言いながらマサトは部屋のドアを開けた。

 中は何もない、本当に家具も何も置いていないのだ。

「ミカ、この前凛花さんがミカの指輪にキスしたでしょ?」

「うん」

「あれはある一定の魔力量を超えないと魔力が出せないようにしたんだ」

「えぇ!魔力が使えないの!?」

「うん、だから体を鍛えるんだ、体を鍛えれば鍛えるほど魔力は増えるんだよ、だからこの二週間はミカはこの家で過ごしてもらう」

 やっぱりかぁ。私の部屋が作られていた時点で薄々予想はしてたけどね。

「それじゃあ、早速トレーニング開始といきましょか」

 そう言って、マサトは手を叩く。

 すると、全身真っ黒な人が現れた。

「この人は?」

「これは人ではなくて、僕が魔力で作った人型のトレーニング用の相手だよ、影みたいに黒いからみんなは影武者かげむしゃって言ってるよ」

 そ、そんなこともできるの!?今思えばマサトはいろんなところで魔力を使っているよね?やっぱりすごいな・・・。

「それで、私は影武者に攻撃したらいいのね」

 私はそう言って拳を握って戦闘態勢のポーズをとる。

「ううん、ミカには攻撃じゃなく、逃げてもらう」

「・・・っえ?」

 に、逃げるの?それってなんかダサくない!?

「影武者が攻撃をしてくるからミカはかわしていくんだ、そうすることで自然に体力もつくし、魔力も上がる」

 なるほど、これを頑張れば、みんなの役に立てるのか!

「よし、こい!」

 そう言って私がファイティングポーズをとると、黒いやつが襲いかかってきた。

「わっ!」

 あまりの気迫に思わず後ろに下がる。

「!?」

 ちょっと後ろに行くつもりが、予想よりも後ろにんでいた。

「あれ?」

 私が混乱しているうちに、影武者が距離をつめて再び攻撃をしてくる。

 バシッ!

「いったーい!」

 影武者の速い攻撃に追いつけなくてやられてしまった。

「あんな速い攻撃を躱すなんて無理だよぉ」

 私は床で大の字になってグチグチ言っていると、マサトが近づいてきた。

「ミカ、大丈夫?まぁ最初のうちはみんなそんか感じだよ、だからもう一回」

「そうなの?うぅ、じゃあもうちょっと頑張ってみようかな」

「うん、よく言ったねミカ、それと自分の体に違和感がなかったかい?」

 違和感?そういえばあのバックステップかな?

「少しバックステップをしようと思ったら、すごく跳んだよ」

 マサトはニコニコしながら

「そうでしょ?ミカは悪魔の力を手に入れたからその分、身体能力も攻撃力も防御力もアップしているんだよ、あの影武者の攻撃だって、一般人なら骨は砕けていたよ」

 と言った。

 いやいや!そこはニコニコしながら言うことじゃないでしょ!?何?一般人なら骨は砕けるって?おかしいよね!?それをニコニコしながら言っているマサトもおかしいよね!?

 でも身体能力とかがアップしているのか。それならまだまだできるかも!

「よし、もう一丁!」

 また影武者が襲いかかってきた。

 次は逃げずによく相手の攻撃を見る!

 すると突如!

「影武者の攻撃が遅い!?」

 そう、目にも止まらぬスピードの攻撃をしてきた影武者の攻撃がスローモーションのようになっているのだ。

「なにこれ?こんなの躱すなんて余裕じゃん」

 私は影武者のスローな攻撃を一つ一つを丁寧に躱す。

「そこまで!」

 マサトが言うと影武者の攻撃が止まった。

 スピードも普通に戻っている。

「ミカ、相手の攻撃が遅く見えたんじゃない?」

「うん見えたよ」

「まさか二回目で習得するとは思っていなかったけど、あれは魔力で目を覆って、動体視力を大幅に上げる技術だよ」

 魔力で目を覆う?

「ってことは、私魔力を使ってしまったの!?」

「そうだよ、ミカは毎回、魔力を出すことにしか集中していなかったんだよ、でもこんな感じで、自然に魔力を使うことも大切なんだ」

 自然に魔力を使う・・・。

「よし、まだまだトレーニングだ!」

 そして私はこの家で二週間、魔力の特訓が始まった。



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