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転生

 私、死んじゃうのかな?胸がすごく熱くて痛い。

「ん?まだ生きておるか、だが次でとどめだ!」

 そう言って、天使はまた同じように右手を上にあげる。

 私は全てを諦めて目をつぶる。

 あぁ、死ぬ前にマサトと友達になりたかったな。

 梨花には悪いな。

 お父さんとお母さんにも最後に一言言いたかったな。

 あぁ徐々に視界が暗くなっていく・・・。

 すると急激に寒くなってきた。あっこれが死ぬってことなのかな?

「き、貴様何をする!くそォォ!」

 そんな叫びを聞いて最後の力を出して少し目を開く。

「マ、サ、ト?」

 そこにはマサトがいた。

「しゃべるんじゃない!」

 本物のマサトだ。マサトを最後に見れて本当によかった。こんな状況じゃなかったらもっと嬉しかったのに。

「チッ、凛花さんのところまで時間が足りねぇ!こうなったら・・・」

 そう言ってマサトは私の顔に自分の顔を近づけてきた。

 そして小声で

「ミカ!頼みがある」

 頼み?なんだろ・・・てか名前呼ばれた。それだけで幸せなのに。

「僕と契約を結んでください」

「け、い、や、く?」

「そう契約、いいか?」

 なんの契約かわからなかったが、どうせ死ぬからいっか。

 そう思って私は小さく頷いた。

「そうか!ありがとう!」

 そう言った後、マサトは私の唇に、自分の唇を当ててきた。

 何をされたのか最初はわからなかった。少しすると胸の中に何か冷たいものが入ってくる感じがした。

「!?」

 するとなぜか胸の痛みが収まっていく。マサトは唇を離して少し小さく息を吐く。

「ふぅ、なんとか間一髪だったな」

 刺されたところに触れてみる。

「ない!」

 ない!ないのだ。刺されたはずの胸に。傷口がないのだ。

「マサトが、助けてくれたの?」

「んっ?」

 マサトが振り返ってニッコリと笑った。

「まぁそんなところかな?」

 そう言うとマサトは立ち上がり、後ろに振り向く。

「えっ?なにこれ!?」

 マサトが見ていた方向には氷山のようにでかい氷が浮いていた。

 よく見ると、氷の中にはさっき私を刺した天使が入っていた。そしてマサトの背中にはコウモリのような羽がついていた。

「ミカ、明日の放課後に生徒会室に来てくれ、話がある」

 そう言ってマサトは氷の塊に近づき右手でそっと触れた。

 するとあんなに大きかった氷の塊が粉々に!本当に粉と言ってもいいぐらいに小さく砕けた。

 それがとっても綺麗で、マサトをキラキラと輝かせていた。

「あっそうそう、このことは内緒ね」

 マサトは人差し指を口の前で立ててそう言った。

 

 次の日の放課後、授業が終わった後も昨日のことを思い出す。

 あまり覚えていないけど、昨日私はマサトとキスをしたのかな・・・。

 そんなことを考えていると顔が熱くなってきた。

 そ、そんなことより今は生徒会室に行かないと!

 私は少し急ぎ気味で生徒会室に向かう。

 生徒会室に到着。

 いざ着いたといっても何か緊張してきた。

「頑張るのよ私!」

 そう言い聞かせて生徒会室の戸を開ける。

「失礼しまーす」

 中は真っ暗。

 マサトいないのかな?

 そう思いながら戸を閉めると

 パァーン!

「!?」

 突然のクラッカーが鳴り部屋の電気がつく。

「おめでとう!月野 ミカさん」

 そう言ってきたのは生徒会長の凛花さん。

「せ、生徒会長さん!?」

 よく見ると周りにも生徒会のみなさんもいる。奥にはマサトが立っていた。

「こ、これはどういうことなんですか?」

「これは歓迎パーティよっ」

「か、歓迎?何のですか」

「まぁ詳しく話してあげるわ」

 そう言っても私と凛花さんは奥のソファーに座った。

 凛花さんは昨日のことを詳しく話してくれた。

「まぁ要するに・・・会長さんたちは悪魔で私は一度死にかけたけど、マサトと契約をしたことで悪魔の力を貰って、一命をとりとめた。ということですか?」

「まぁそんなところよ」

「なるほどそういうことだったんですね・・・じゃ、なくて!私悪魔になっちゃったんですか!?」

「ええ、そうよ」

「えぇぇぇ!」

 もう頭の中がパニック!わけがわからない!悪魔?私が!?

 私がパニクっていたら凛花さんが口を開いた。

「でも、あなたは運がいいわね、羨ましすぎて嫉妬しちゃうわ」

「えっ何がですか?」

 運がいい?死にかけている時点で運が悪いでしょ!

「マサトと契約したのよね?」

「あっ多分・・・それが何か?」

「マサトにね、ひっついてきた女子はたくさんいるわ、でもその度にその子達は天使に悪魔の手先だと勘違いされて殺されたのよ」

「じゃあなんでマサトは私を助けたのですか?」

 私がそう質問すると凛花さんはニッコリと笑った。

「そんなの、あなたが好きだからに決まっているじゃない」

「好き?私のことが!?」

「そうよ、悪魔の契約ってね相思相愛じゃないと契約できないのよ、まぁ下僕にするときの契約は例外だけど」

 契約ってまさかあのキスが!

 あー全く覚えてないー。あの時は死にかけていたし、感覚神経が殆ど働いてなかったし。

 もう!私って本当に不運。

「あっ、ひとつ言い忘れてたけど契約って契約した人を婚約者として迎えるってことよ」

「えっじゃあ私マサトと結婚するんですか!?」

「まぁ今は年齢が足りてないからマサトはあなたの彼氏ってことになるわね」

 ま、マサトが彼氏・・・。

 多分学校で一番のイケメンのマサトが私の。

 しかも婚約者!

 私の周りにはいくつものハートが飛んでいることだろう。

「あのぉ、そういえば私、マサトと会長さんは知ってるんですけど、ほかの人の名前、知らないんですけど」

「ああ、そうね、じゃあ自己紹介しましょか」

「まず副会長のさき

 そう言って凛花さんはショートカットのメガネがよく似合っている女の人をさした。

「よろしくね、ミカさん」

「あっはいこちらこそ、咲さん」

「書記の奈々なな

 そう言って凛花さんはツインテールの結構小柄な女の子をさした。

「どうもっ私が奈々ちゃんだよ!よろしくねミカちゃん!」

 元気そうにピースしながら言ってきた。なんてテンションが高い子なんだ。

「こちらこそよよろしく」

「マサトはちなみに会計よ、そしてあなたはこれから会計補佐として生徒会に歓迎するわ!」

「えっ私も生徒会に入るんですか?」

「そらそうよ私たちの仲間だもの」

 そう言いながら凛花さんが青い綺麗な宝石が埋め込まれている指輪を私に渡してきた。

「これは?」

「これは生徒会である証でもあり、私たち仲間の証よ!リーダーが自分の指輪と同じものを渡すことによって、その人の仲間になるっていうこれも契約なのよ」

 私はもらった指輪をそっとはめてみた。

「はいっこれで契約成立、正式にあなたを歓迎するわ、月野ミカ」

「い、いろいろご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします!」

「そんなに硬くならなくても」

 咲さんが苦笑いでこっちを見てきた。

「早速なんだけどミカ、あなたは昨日見たように天使にまた襲われる、そのためにこれから特訓をするわよ」

「特訓!?なんのですか?」

「魔力の特訓よ」

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