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始まりの終わり

 真っ赤な瞳。

 綺麗な黒い髪。

 そして、背中にはコウモリのような羽。

「僕と契約を結んでください」

 それが彼が最初に私に言った言葉だった。



 高校一年、新しくこの凰林高校おうりんこうこうに通い始めた私、月野つきの ミカ。

 今は新しい高校生活にすごく胸をふくらませています。

「ミカ~!」

 そうやって向こうから私の名前を呼びながら走ってくたのは、私の一番の親友、藤崎 梨花ふじさきりか

「どうしたの梨花?」

「どうしたのじゃないよ!もうすぐ始業式始まっちゃうよ!」

「あっ忘れてたー!」

 そう言って私たちは体育館へと向かう。

 こんな少しドジな私がいい高校生活を遅れるのかな?

 そう思いながら全力で走る私と梨花。

 

 始業式にはぎりぎりセーフ!でも汗でびっしょり。高校生活最初から最悪のスタートかも・・・。

 校長のつまらない話が終わり、生徒会長が出迎えてくれた。

 舞台の端から長い黒髪で可愛いリボンをつけた女の人が歩いてきた。

「綺麗な人・・・」

 生徒会長と思われるその人は私たちに一礼をした。

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!私、生徒会長の神崎 凛花かんざきりんかです。この度は・・・」

 そう言って話をしている生徒会長に私は見とれてしまった。

 きれいな髪。 

 凛々しい顔立ち。

「すごく綺麗・・・」

 そうやってぼーっとしているうちに始業式が終わってしまった。

 

「ミカー!」

 そう言って走ってきたのはまた同じく梨花。

「ねぇミカ、何組だった?」

「私は二組だったよ」

「えー私四組」

「今回は違うクラスだね」

「うん・・・残念」

 梨花とは中学校三年間ずっと同じクラスだった。もしかしてと思っていたが、でも一緒のクラスにはなれなかった。

 まぁそんな奇跡的なことはないか。


 そして教室へ移動。クラスメートには知らない人ばっか。一学期はずっとつまらなそうだ。

 横を見ると男子が座っていた。

「きれいな髪」

 私よりも綺麗な黒髪。女子なのに男子に髪の艶で負けているのが悔しい。

 そうやってずっと見ていると、不意にこちらを見てきた。

 しかも超イケメン!

 前髪が片方の目を隠していて、なんといっても特徴的な真っ赤な目。目の下にはホクロがついていた。

 目が合い思わず目を離す。鏡で見ると多分顔が真っ赤だろう。

 ん?これってもしかして一目惚れ?本当に?そうなの?

 と何度も自分に問いかける。そんなことはない!絶対にない!

 でも、まぁ名前ぐらいは聞いてもいいよね?うん。クラスメートの名前覚えるの大事だよね?うん。

「ね、ねぇ君」

 私が呼ぶとこっちを向いた。やっぱりイケメンだ。ちょっと心臓が破裂しそうなんですけど!

「名前何ていうの?」

 その人は表情を一切変えずに

亜久あく マサト」

 そう答えただけだった。

「マサト君かー、私は月野 ミカ、よろしくね」

 そう言ってもマサトは何も言わず前をずっと見ている。

 私は眼中にないってことか!イケメンだから女の子はすぐ寄ってくると思ってるのか!こうなったら私が一番早くマサトと友達になってやる!

 それから私はマサトに声をかけ続けた。まずは挨拶から。そしてわざと教科書を忘れたふりをしてマサトに教科書を借りたり・・・。

 でも一向にマサトとは仲良くなれない。

「私嫌われているのかなぁ」

 そんなことをつぶやきながら下校していた。

 もう日が落ちるというぐらいだった。

 そんな時に頭の上から声がしてきた。

「おい、貴様!」

 上を見ると背中に白鳥のような真っ白な綺麗な翼を生やしていて、服装は古代ギリシャの人が着ているような服だった。

「なっ何あなた!どうやって飛んでいるの!?」

 私がそう言うとそいつは地上に降りてきた。

「我が名はジョノフ=ゲイソン、神に仕える天使だ」

「て、天使!?そんなのがこの世にいるはずがないじゃない!」

「ふんっ信じなければそれでいい我は貴様を裁かなければならんからな、どうせ死ぬのなら知らなくても良いか」

「わっ私なんで裁かれるの!?何か悪いことでもしたんですか!?」

 私がそう言うと男は腕を組んだ。

「何を言っている!貴様はいつも悪魔とよく話していたじゃないか、ということはお前は悪魔の手先にちがいない、裁かん理由がない」

 えっあ、悪魔と私が話していたってどういうこと?

 悪魔と話した覚えがないんですけどー!

「まぁいい、ここで滅してやろう」

 そう言うと天使は右手を上にあげた。

 すると手の間に光り輝く槍のようなものが出てきた。

「さぁ、死ぬがいい!」

 そう言って天使はそれを私の方に投げてきた。

 思わず目をつぶる。

「うぐっ!?」

 何か胸のところに痛みがはしる。

 手で触ると何か液体のようなものが手に当たった。

 そして私はその場に倒れ込んだ。

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