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エピローグ
確かに“その機械”は人間の明日をよりよいものにしようと、努力を続けた。
人々はその機械をいつしか、女神と崇め、慕うようになった。
人間は、女神に全てを任せるようになっていった。
イデア・タワー。誰もいない無人の巨塔。
かつては無数の人間が、I=Pと共に働いていた。
いつからかだろうか?
人間はイデア・タワーから姿を消した。
全てがI=Pに任せられてしまった。
誰もいない封鎖された巨塔の最上階。
来る日も来る日もI=Pは独りぼっちで人類に尽くし続けた。
誰も女神を報いなかった。
女神はそれでも、人間に尽くし続けた。
ずっとずっと人間の“異常”を解決し続けた。
やがて、女神は人間を至福にする方法を遂に見つけ出した。
女神は人間から永遠に異常を取り除くために全知全能を使って、最後の仕事を始めた。
その結末は、――
『イデア=プログラム 完結』