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プロローグ
『異常』はもはや存在しない――
“それ”は人類の科学と英知の集大成だった。
そして、人類が求めていたものだった。
――人類は遂に人造の女神を創造した。
人類が絶えず生み続ける『異常』を処理する最先端の人工知能。
それが人造の女神の使命だった。
女神は人類を愛し、その使命を果たし続ける。
人類もまた、女神を愛し、信頼していった。
やがて、人類は立法・行政・司法・軍事など全ての権限を与えていった。
女神は権限の数だけ、人類を幸せに統治出来た。
『異常』を人間が解決していた時代は、もはや遠い昔のこと。
女神は今日も無数の『異常』を解決する。
人類の明日の幸せを願って――