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ルーデルですが7歳になりました!
・・・正直成長に関しては特に何も言う事は無いですね。普通ですよ。普通に7歳児ですよ!
色々と頑張ってはいるんですけど武術は槍を中心に体術に剣術もやっているんだけど、、、この家の騎士達は俺に恨みでも有るのか?
毎日ボコボコにされ回復魔法をかけられ、、、次の日もボコボコに、、、だが諦めない!必ず貴様等を倒して竜騎士になってやるからな!
其れと、、、弟や妹が沢山出来ました!父親の頑張りのお陰ですね。全員が俺とジラード以外は腹違いとか、、、悲しくなってきた。
俺とジラードは大切に扱われるが、他の弟や妹は使用人の様に扱き使われたり、養子に出されたりと酷い扱いだな。
まだ4歳で働かせるとかどうなんだろう?
屋敷に残っているのは『ジーク』と『ネア』の二人で此方は母親が一緒の兄妹だ。4歳と3歳で母親は俺の母親に追い出された元使用人、、、黒髪の美人さんでいい人だったのに、、、俺の母親が酷い人に見えてくる。まあ、元から酷い人なんだがな!
ジークとネアを働かせているのも父親への当て付けなのだろうが、、、あまりにも酷い扱いで見ていられないから時々お菓子を渡していたら懐かれた。母親の血なのか二人とも黒髪黒目で日本人に近い感じがジラードよりも肉親に感じられる。
其れにジラードはもう無理だな、、、ただのクソガキだよ!母親にべったりだからか日頃から横暴だしよく使用人を叩いているね、、、鞭で!何でそんな物を日頃から持ち歩いているのか聞いたら
「これは教育ですよ。ルーデルにはわからないでしょうがね。」
何こいつ?仮にも兄貴だぞ!むかついたから鞭を取り上げてそれで叩いてやったら母親に泣きながらチクリやがった!・・・滅茶苦茶怒られたね、、、俺が!
そんな感じで過ごしているんだけど一度両親に連れられて王都に行く事になり始めて王都を見たんだけど、もう凄いよ!人は多いし城下町は綺麗だし、、、家とは違うよ。其れに建物が高いのも印象的だった。自分が小さいからそう感じるともわかってはいるけどね。
「今日のパーティは他の大貴族のガキ共も来るが、、、必ず姫様のお心を掴むのだぞルーデル!」
「・・・は?何で姫様のお心を掴むのですか?正直そう言うのは苦手です。」
父親の真面目な話がこれとは、、、どう考えても無理だな。そんな事が出来るなら前世で彼女でも作っていたね!
「ルーデル、相手は姫と言えただの子供です。適当に褒めて置けばいいのです。上手くやればあなたは次の王になれるかもしれないのですよ。」
興味ないなー。大体そんな口利いていいのかよ?仮にもあんた等の王様だろうに、、、しかしもそんなアドバイスで何とかなるなら姫様はもう既に心に決めた人が居ても可笑しくないだろうに。
パーティ会場に入ると其処は人で溢れかえっていた。其れに魔法のお陰か凄く明るい!電気の光と勘違いしてしまいそうだ。両親に付いて行くとすぐに人が集まり挨拶に追われた。・・・もう顔がわからない!何人と挨拶したかも忘れてしまった。
そんな会場で両親の俺を紹介する時は
「不出来な息子ですが、、、」
「まあ元気だけが取り得の、、、」
・・・お前等は何時俺の事を見ているかは知らないが、、、お前等よりはまともだと思いたいね!
そうすると急に両親が歩き出して俺を連れて行くといかにも姫様らしい人を発見した!年上で聡明そうなんだけどこの人を適当に褒めればいいのか?妹を連れてその横には白髪のおっさ、、、王様らしい人が居る。王冠みたいなのを付けてマントをしているから間違いないだろう!
人だかりが両親が近づくと道を空けていく、、、流石に腐っても大貴族!凄いものだな、、、腐っているけどね!!!
姫様を前にしていると妹君?がその後ろに隠れた、、、まだ5,6歳かな?あれ?どちらを褒めれば良いんだ?
面倒だ両方褒めとけば問題ないだろう!しばらくして両親が俺に挨拶をする様に言ってきたので、、、
「お初にお目に掛かります、、、ルーデル・エキストラにございます。この度は、、、」
エキストラと名乗る度に場違いな気がしてくるんだが、、、まあいいか。
「それにしてもお美しい姉妹ですね。」
「「「は?」」」
・・・なんだか会場の空気が変わったな?・・・あれ?両親が青くなっているぞ。
「る、ルーデル!い、今お前は何と、、、」
「美しいと言いました。」
「その前です!」
「・・・この度は、、、「「「戻りすぎだ!!!」」」・・・ああ、姉妹と言いました。」
周りがなんとも言いがたい雰囲気の中、姫様が笑い出した。・・・あれ?笑のつぼが可笑しいのかなこの人は?
「ルーデルとやら、、、私はこの子の母ですよ。つまりは王妃です。」
「・・・そうですか。すいません間違えました。」
両親の顔が真っ赤になりまわりの貴族も笑い出す中で俺は冷や汗を流しています!殺されないよね?幾らなんでも殺さないよね!まだ竜騎士になっていないのに死ねないんだぞ!!!
その後は両親と離れて(離されて!)バルコニー?で一人でのんびりと料理を食べています。もの凄く寂しいけどあれ以来誰も話し掛けて来ない。・・・流石に自国の王妃を知らないと無いよねー、、、しかも三大貴族の嫡男がさ。
その上姫様がご機嫌を損ねたのか睨んでいたし、、、失敗したな。まあいい元々無理な計画なんだから、、、あの両親の考えた事なんて誰でも考え付く。見ていれば姫様に皆が同じ様な賛辞を送っている。そんな連中を相手にしているんだ俺の事もすぐに忘れるだろう。
・・・それにしても退屈だ。もう人を見るのにも飽きてきたがこんな所で訓練なんか出来ないし、、、何か暇を潰せる物は、、、
「退屈そうだなルーデル坊や。」
ああ、王妃様が来ちゃったよ。最悪だ、、、名前まで覚えているし、、、
「はい。凄く退屈です。」
「素直なのは良い事だが、、、貴族としては失格だな。まあ私は嫌いではないが『ティファ』はお前の事が気に入らないらしいぞ?」
「大変ですね。・・・どうしたらいいでしょうか?」
クスクスと笑う王妃は金髪の髪に赤いドレスと白い肌、、、本物の王妃様って感じだね!特に胸が大きいのが素晴らしいです!護衛らしい人も美人ですよね。・・・だからそんなに睨まないでよ!
「ルーデル坊やは私を見て褒めていたから其れが気に入らないのであろうな。しかし、、、落ち着いた坊やだ。面白そうな子はこれで三人、、、ティファと仲良くしておくれ。」
「・・・王妃様そろそろ、、、」
「わかった。今日は笑わせて貰ったな、、、礼を言おう。」
習った挨拶で見送ると両親が駆け寄ってきて何を話したかと散々聞かれた。内容を話すと嫌われては居ないと判断したのか帰りは注意だけで済んだ。・・・言える立場では無いけどそれもどうかと思うよ。
この時はあまり関係ないと思っていたけど、王妃様と俺の関係の始まりだった。
その後もティファの友人として城に何度か呼ばれたのは王妃様の指示だったし、他の貴族の子供を良く紹介された。
正直迷惑だったけど城に居た竜騎士に話を聞ける機会を作ってくれたのは涙を流して感謝したな、、、周りはどん引きしてたけどね。