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長い一日



クラスト 不思議な事件を解決する魔法集団だ。でも、いつも仕事をしているわけではないんですよ。まあ、事務仕事とかありますけど我が社はあまり仕事が無いのでそう言った書類も少ないんですけどね。

「暇ですね。」

雪が言った。確かに、お客が誰も来なくて暇である。

「まあ、平和が一番といいますし。毎回事件があっては私達の身が持ちませんけどね。」と唯が言う。その通りだ。僕も事件がないほうがこの眼を使わないですむ。

「暇だし、お菓子でも作る?」

七海が提案した。ちょっと意外ではあった。七海は料理はあまり得意ではない。でも唯が料理好きでその腕前は折り紙つきだ。

「そうだね。雪も一緒に作ろうよ。」

「いいですけど・・・いいんですか?」

「かまわないさ、だって雪もクラストの仲間でしょ。」

雪は嬉しそうに調理室へと向かった。ここは色々な設備が整っている。料理を作る調理室、魔法の訓練を行う為の訓練室など色々だ。まだ行った事の無い部屋もあるんだけどね。

「さて、何を作りましょうか?」

みなさんエプロン姿に着替えて準備万端だった。今回作るお菓子はクッキーだそうだ。唯が色々と知っているから唯が先生役である。

「唯、これでいいの?」

「あ、これはね。もう少しバニラエッセンスを入れて香りをつけるの。」

七海が唯に指導してもらっている。唯の腕前ならプロにも通用しそうだ。僕も料理は出来るが唯の腕前には勝てない。僕が料理するようになったのは両親が亡くなってからだが唯は小さい頃から料理をしていた。才能なのか見る見る上達していった。僕の知り合いで唯を超える腕前を持つ人は見たことが無い。

「さて、後は最後の仕上げ。みんな好きなようにトッピングして。」

僕らはチョコチップやナッツをクッキーに入れていった。後はオーブンに入れて焼くだけだ。

「さてと、そろそろお昼だね。」

七海が言った。そういえばそうだ。僕らは調理室にある材料で何か作れないかと考えた。結果、オムライスになった。唯が料理している間に僕らは食べる為の準備をする。

「お、美味しそう。」

唯の作ったオムライスはかなり美味しかった。そして焼いたクッキーを食べた。美味しかった。さてお腹もいっぱいになったし、買い物でも行きますか。調理室の食事を調達に行くのだ。買い物は僕と雪だけで行った。

「ただいま。ってなにしてんの?」

七海と唯がツイスターゲームをやっていた。魔法でルーレットを回して遊んでいる。こんなゲームどこにあったんだ?この事務所には色々な雑貨の山に埋まったゲームなどがある。

「あ、唯一。一緒にやろうよ。」

そんなわけで雪がルーレットを回して僕ら三人でやることになった。

「それじゃあ、回すよ。最初は・・・左手黄色。」

「黄色っと」

僕らは黄色に左手を置いた。そしてルーレットが進むにつれて徐々に体制がきつく、危険になってくる。え?何が危険かって?理性を保にですよ!!!

「う、き、きつい・・・」

僕の上に2人が交差するように手を置いている。簡単に言うと二人の間に僕がいる状態。しかも僕があお向けの状態で。

「ゆ、雪・・た、たのむ早くルーレットを・・」

正直腕がつりそうで足がガクガクなんです。

『ゆ、唯一君。私の胸に足当たってるの。』

正直それ所じゃありません。腕がつりそうでもう・・・やばい・・・

「雪、早く。」

「アハハ、唯一、変な表情かお

「いいから早くしてよ」と僕の声に表情が一変した。

「おねがいします、は?」

なんと女王様になってしまったのだ。雪にはムチを持たせてはいけないような気がした。

「お、お願いします・・・」

ここは何でも言ってやる。だからこの体制を何とかしたいんだ。じゃないと明日筋肉痛で仕事できないかも。

「それじゃあ行くよ。右手・・・・緑!」

『み、緑って、ヤバイ。これって上に唯が乗ってくる展開に!!』

七海は側にあった緑で体制を保っている。僕は先ほどよりも状況が悪化して手と足が完全にブリッチの体制になっている。その上に唯が乗って緑に手を伸ばそうとしている。

「ごめんね。私、重くない?」と唯が聞いているが今はそれ所ではない。

「大丈夫だから早く渡って・・・」

何とかついたけど・・・この状況は非情に危険だ!!唯の胸が僕のおなかに当たって七海の息が耳元に掛かる。非情に危険だ。

『落ち着け。自重しろ・・・』

しかし、耐えきれなくなった唯が倒れて僕の上に倒れてきた。

「のわ!」

その勢いでみんな倒れた。

「アハハハ。これって、ルーレット回して観察するほうが楽しいかも。」と雪が笑っている。確かにそうかもね。女王様になれるくらいだもの。まあ、そんな何もない一日で終る・・・はずも無かった。天魔の姉ちゃんがきたのである。しかも新薬を持ってきて。

「さて、唯一君。試してみようか。」

満面の笑みでこちらに近づいてくる天魔の姉ちゃん。

「い、いや、結構です。」

僕は逃げようとした。

「まあ、まあ、遠慮せずに。」

僕は魔法で捕らえられた。嫌、マジでいりません。しかし強制的に呑まされた。また体が熱くなり煙が出た。

「けほけほ」

今度は一体どうなったんだ?反応を見て見ると。七海は笑いをこらえている、天魔の姉ちゃんはため息をついている。そして唯は・・・

「唯一君可愛い!!!」

僕に抱きついてきた。唯は可愛いものを見ると目の色変えて擦り寄ってくる。僕は近くにあった鏡を見た。そこに写っていた僕は・・・・なんとネコ耳つけて猫の尻尾つけてなんと服まで変わっている。こ、これはまずい、僕は○風のごとくの疾○君になってしまいます。

「こら!七海、写真とるな。」

七海が何処から持ってきたのか写真を取っている。しかし七海は聞いてくれない。唯が僕のあご下を撫でた。

「ゴロゴロ」

猫みたいに鳴いてしまった。体が勝手に反応したんだ。

「どうやら失敗みたいね。」と天魔の姉ちゃん。

「い、一体何飲ませたんですニャ-」

語尾は薬の影響です。

「実は動物変身薬を作ったんだけどまた失敗しちゃったみたいね。」

「そんなもの飲ませないで下さい。てか自分で飲んでください。ニャ-」

唯が相変わらす可愛がる。僕は薬のせいで体が勝手に反応する。数分後治った。

「は~あ。真面目にやばかった。姉ちゃん!!変な薬飲ませるのはやめてくれ!!」

「あはは。まあ、今度は改良したのを持ってくるから。じゃあね。」

「持ってこなくていい!!」と叫んだ頃にはもう姉ちゃんはいなかった。

「相変わらす逃げ足だけは速いな。」

こんな変な一日である。


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