バレンタインデー
2月14日
ささて、季節は冬ですが、この日ばかりはいつもとちょっと違った日です。今日は2月14日、意味はわかりますね。バレンタインデーです。まあ、もてない男にとってはただの平日でしかないのですが・・・いえ、僕にとってはあまり嬉しくない日なのです。
『今日は2月14日・・・・今年は無事に過ごせますように。』
え?なにがあったかって?簡単に説明しますと。毎年この日になると天魔の姉ちゃんが自作のチョコレートを持ってきてくれるんですが・・・そのチョコには魔法が掛かっているかまたはものすごく不味いかこどちらかなんです。そして、そのチョコを食べるのは毎回僕なんです。去年のチョコは魔法が掛かっていて元気になるチョコらしいんだけど、その量が多すぎて元気を超えて極限状態になって危うく死ぬ所だったんです。ついでに一昨年のチョコレートは焦がしたらしくかなり苦かった。そんなこともあってか唯や七海、雪などからチョコを貰った事が無い。(実は作ってはいるのだが天魔の姉ちゃんが先を越す為、唯一が受け取れる状態に無いのだ。)
「考えても仕方ないし事務所に行くか・・・」
しかし、やはり行く足取りは重い。事務所に着くと七海と唯がいた。
「やあ、みんな早いね。」
ちなみにノワールは最近僕の肩にいる。雪は毎度どこにいるのか分からない。
「おはよう。」
僕は自分の席にカバンなどを置いて書類の整理を始めた。前回あったゼロライドの事件の書類だ。まだゼロライドの意識は戻ってはおらず、いまだ昏睡状態とのことだ。
「まだ、目立った情報は無いか・・・。」
僕はみんなの方向に目をやった。二人とも暇そうだ。
「なあ、唯。」
「ん?なあに?」
ちょっと慌てたようなそぶりを見せた唯。僕は少し不思議に思いつつも言った。
「今日の運勢を少し占ってもらえないかな?」
唯は頷いてポケットのフォルダーからタロットカードを取り出した。
「それじゃあ、お好きなカードを三枚どうぞ。」
僕はカードを三枚引いた。
「えっとですね。これって・・・・」
唯が少し困った表情をした。
「どうしたの唯、少し顔が青いような?」
「そ、そんなことないよ。」と唯が急いで否定する。
「月の女神の逆位置と愛の女神の正位置。そして、太陽の正位置。」
七海はカードに書いてある絵を言った。それがどういう意味なのかは教えてくれない。そこで唯が苦笑いしつつも話した。
「えっとね。月の女神の逆位置は困難を示すものなの。そして、愛の女神の正位置は愛情や恋などを示しているの・・そして太陽の正位置は魔法などを示しているの。つまりこれらをあわせて解釈すると唯一君の今日の運勢は魔法による災いによって困難を強いられる。その困難は女性関係。」
「つまりは天魔の姉ちゃんの持ってくるチョコは魔法が掛かっていて、僕はそのチョコによって苦しめられると言うわけですね。」
2人とも頷いた。僕はため息をついた。
「で、でも、占いは外れる事もあるから。」と唯がフォローをする。しかし、唯の占いは外れた事が無い。よって・・・僕は苦笑いをした。こればっかりはどうする事も出来ないからね。なんせ運命ですから。
そして、運命の時がやってきた。天魔の姉ちゃんの登場だ。
「やあ、みんな、ハッピーバレンタインデー。」
僕は少し憂鬱な顔をして出迎えた。
「今日はみんなにチョコを持って来たんだよ。」
天魔の姉ちゃんは持ってきたバスケットを開けると、そこには一口サイズのチョコがいくつもあった。
「ねえ、姉さん。これ、魔法とかかかってない?」
天魔の姉ちゃんは即答した。
「魔法?かかってないよ。今回は料理の本を見て作ったんだから。」
僕は心の中で安堵のため息をついた。それなら安心だ。しかし、珍しいな唯の占いが外れるなんて。
「それじゃあ、私も。」
「僕も。」と七海、唯、何時の間にか現れた雪、そしてノワールがチョコに手をつけた。
「それじゃ、僕お茶入れてきます。」
僕はお茶を淹れに調理室に向かった。
「しかし、今回は本見て作ってくるなんて天魔の姉ちゃんも少しは成長したのかな?」
お茶を淹れて戻ってみると、そこにはかなり文章化しにくい事態が発生していた。雪がノワール(人間バージョン)と恋人のような事態になっているんですけど・・・
「これって一体?!」
今度は唯が七海と雪やノワールたちに囲まれている。なんかちょっとしたホラー映画よりもこっちのほうがよっぽど怖いかも・・・・
「唯?!」
僕は唯の手を掴んで走り出した。とにかく今は逃げなきゃ。僕は資料室に逃げ込んだ。鍵を掛けたし少しはこれで・・・
「しばらくここに隠れて・・・」
『しかし、一体どうしたんだ?もしかして天魔の姉ちゃんが持ってきたチョコが原因か?いや、それしか考えられない。ん?待てよ。だとすると・・・・』
僕は唯の方向を見た。唯の目がさっきの七海達みたいになってるんですけど・・・しまった。唯もチョコ食べてたじゃん!!
「ゆ、唯?」
僕は唯から離れようとした。しかし、唯は僕に抱きついてきた。しまった逃げられない・・そしてもがいた為積まれていた本がバランスを崩して僕の上に唯が乗ってきた。そして僕の顔に手を沿えて徐々に近づいてくる。
「ゆ、唯、こんなことしちゃだめだよ。」
「うん、そうだね。ごめんね。」
『言ってる事とやってる事が逆だ!!!』
その瞬間唯が気を失って僕の横に倒れてきた。僕は何とか支えた。
「えっと、なにが結局どうなったんだか・・」
僕らは事務所に再集合した。
「えっと、事情を説明するとチョコを作っている際に誤って砂糖を入れようとしたらほれ薬の粉をいれちゃったわけで。そのせいでみんながおかしくなったと。」
「はい、ごめんなさい。」
今回は珍しく天魔の姉ちゃんが謝った。まあ、何にも無くてよかった。そんなわけで慌しいバレンタインデーは・・・・まだ続いた。
その日の夜のこと。2人は僕の家に来て。
「はい、これ。チョコレート。」
僕は2人からチョコを貰った。
「あ、ありがとう。」
2人はその後なにか言いたそうだったが何も言わなかった。ふたりもともそれで満足だったのだろう。さてさて、この鈍感な主人公(僕)は何時になったら気付いてあげるのやら。
ハッピーバースデー
「そういえば、もうすぐ唯の誕生日だっけ」
唯の誕生日は今度の日曜日。
「誕生日プレゼント何かあげるの?」と雪が言う。毎年唯が忙しくて誕生日をまともに祝ってあげられなかったからね。
「う~ん、あげたいけど、なにがいいかな?」
僕は悩んだ。
「そういえば唯ちゃん星が好きって言っていたっけ」とノワールが思い出したように言う。そういえばそうだ。唯は星が好きで小さい頃よく山に言って星を見に行ったっけ。
「じゃあ、天体をあげようかな?」
そんなわけで唯の誕生日。今回は仕事も無かった用で何よりだ。
その日は、いつもの5人+天魔の姉ちゃんが加わり、みんなでカラオケ行くことになった。てか、天魔の姉ちゃんはお仕事大丈夫なのか?場所はいたって普通の場所、二階建てで地下もある。ちなみに地下が中華料理店。
「お~し、歌います!」
「イェーイ」曲が流れ始める。書いてると長いので省略。カラオケで二時間歌ったあとのことだ。いきなりの停電。
「え?」と驚く雪
「停電?」
不思議がる七海。
「きゃ!今誰か私の胸触ったでしょ!」と驚く七海。僕じゃない、暗闇で何も見えない中で誰かが動いた為みんなでぐちゃぐちゃになっちゃった。
「?なんか焦げ臭くない?」と僕が言う
「?そう言われてみれば・・・」と唯が扉を開けて見てみると。
「た、大変だ!廊下に煙が」
「な、なんだって!」
僕が飛び出してみてみると確かに足元ぐらいまで煙が来ている。僕らは外に出て非常ベルを鳴らした。非常ベルは防音の室内でも聞こえるようにスピーカーが中に設置されている。
「これでよし、煙の方向からして地下のほうから来ているみたい、これじゃ入り口から逃げるのは無理か。非常口を使って逃げよう」
僕らは飛び出てくる人を誘導して非常口から外に出した。後は僕らだけ・・・・そのとき僕はふと気付いた。無い、唯へのプレゼントが。さっきぐちゃぐちゃになったときに落としたのか?僕は急いで部屋に戻った。部屋の隅に落ちていた。そのとき扉が開く音がした。そこにいた人物は唯だった。息をハァハァさせながら走ってきたのが丸分かりだ。
「ゆ、唯!どうして?早く逃げないと」
「それは唯一君も同じでしょ!」
しかし現実は厳しい。もう煙が上がって前が見えない。これでは外に出るのは危険だ。魔法でどうにかしたくても、唯は召喚師だし、僕は破壊魔法だし・・・
「仕方ない。扉の隙間をシャツでふさいで。唯、体制を低くして煙が来たらお手拭で口元を抑えてなるべく煙を吸わないようにして。それと外にいる七海と連絡を取って。」
「さっき電話したらすぐ救助の人が来るって。」
「よかった。」
「でもすごいね」と唯が言った。あまりに突然で僕は驚いた。
「なにが?」と僕が聞く。
「唯一君なんでもやっちゃうんだもん。」
「こおいう状況は映画とかでよく見るからな。」
事実、こういった事態は何度か依頼で経験した。その経験が生かせたのだろう。
「ねぇ、もしもこのまま助けが来なかったら。どうする?」
「そんなことは無いさ、ちゃんとたす・・」かるという前に唯がさえぎった。
「私ね、唯一君の事が」好き?そんな言葉を想像してしまうがその言葉を聞く前に扉が開いた。
「301に生存者発見、よくがんばったね、もう大丈夫だ。」
『丁度いいところで邪魔が入った。これは神の悪戯か?』
その帰り道
「あぁ、今日は散々だったな」と七海
「そうだな。でもカラオケ代ただになったからいいとしようぜ。」
「それもそうね」と七海のいつもの笑顔。こいつは笑っているほうがいい。
そんなこんなで唯の誕生日会が終わってみんな家に戻った。布団で寝ようとした僕はあることに気がついた。唯のプレゼント渡してないことに。急いでプレゼントを持って窓から唯の家のベランダに下りた。
『唯、もう寝ているよな。こんな時間に起こすのも可愛そうだし、プレゼントは明日にしても・・・』
そのときガラスが開いて唯が出てきた。
「唯?」
「どうしたの?唯一君、こんな時間に?」と聞く唯。口ごもっている僕に
「寒いから中に入ったら?」と勧める。確かに寒い。お言葉に甘えさせてもらって中に入った。
「唯これ。」
「?」と振り返る唯
「誕生日プレゼントだよ。」
「え!ありがとう。」と受け取る。
「間に合ったね。」と唯が言う。
「え?なにが?」
「みて、まだ11;30分、まだ私の誕生日なの。さっきね、七ちゃんが来てプレゼント渡してくれたの。ねえ、開けてみてもいい?」
「も、勿論。」
包みをそっと開く。でてきたのは天体。少々小さいがこれでも僕の給料からしてみれば高いほうだ。がんばってバイトして溜めたのだから。
「わぁ、ありがとう。私が星を好きなの覚えていてくれたんだ。」
「うん。」
唯はプレゼントを大事そうに抱えた。そのとき指に何かが触れた。
「?なんだろこのスイッチ?」
押してみると光った。そして暗闇の部屋に星が現れた。
「これ、プラネタリウムになるんだ。」
「本当だ、綺麗。」
自然と体育座りで部屋の天井を眺めてしまう。隣に唯が座った。僕の肩に頭を乗せていった。
「ねえ、午前零時まで私のわがまま聞いてくれる?」
「いいよ。今日は唯の誕生日。午前零時までは唯だけの僕だ。」
我ながら恥ずかしい台詞を言ったもんだ。笑ってもいいぞ。と言っても僕が何かするわけでもない。そういえばと話題を探す。一つ見つけた。
「ねえ、唯。このあいだ掃除したときこんなの見つけたんだけど。」
渡したのはコピーした手紙。そこに書いてあったのは幼少の頃に書いた文字だ。
「ゆいいちくんへ
きょうね、まつだせんせいに、あなたはゆいいちくんのことがすきでしょ、っていわれたの、すごいよね、せんせい、わたしのかんがえがわかるんだよ、そう、わたしは、ゆいいちくんのことがすきなの、ゆいいちくんはどうですか?おへんじください
ゆいより」
唯はほほを朱の色に染めていた。照れているのだろうか?ちなみに松田先生とは僕らの幼少の頃に屋敷に来ていた保育師のかたです。ついでだがコピーを渡したのはあまりの恥ずかしさに唯が返してくれないと思ったから。
「僕さあこれの返事を書いたっけ?」と聞いてしばらくの時が経った。唯が言いにくそうに恥ずかしそうに返事した
「うん、返事きたよ。」
「そうなんだ。」
どんなメッセージを書いたかは覚えていない、一体何を書いたのだろうか?
「なんて書いてあったか覚えてないでしょ?」
こは正直に言った。
「うん、憶えてない。」
唯がくすくす笑う。それから天井を見上げて独り言のように
「ゆいちゃんへ
おてがみありがとう、ゆいちゃんはぼくのことがすきなんだね、ぼくもすきだよ、でもななみちゃんもすき、ふたりともだいすき、せんせいがいっていた、こおゆうのをゆうじゅうふだんっていうんだって。これっていけないことなのかな?
ゆいいちより」
「優柔不断か。はあ。」とため息をついた
「唯一君がどっちを好きになろうと、今は私だけの唯一君だよ。」
目を閉じて頭を僕の肩に預ける。なんだか今ならどんな照れくさい台詞でもいえそうな気がしてきた。でも、もう何も言わなくてもいい気がした。
「あぁ」
そう、午前零時までは・・・・しばらくして、時計がピっと音を立てた。午前零時だ。
「残念、やっぱり時は止まってはくれないか。」と唯が残念そうに言う。その後は僕の帰りを惜しむかのように僕を見ていた。
唯の誕生日の後はすぐに七海の誕生日がやってくる。その為プレゼンを買うのが大忙しです。そんなわけで今回は七海の誕生日偏です。あ、言い忘れていましたが僕の誕生日は七海や唯とは離れています。まあ、割と近いけれどね。
その日七海はウキウキしていた。年に一度の誕生日だからだ。
「明日は僕の誕生日。一体どんな出来事が待っているのかな。」
七海はカレンダーにバツをつけた隣りが丸になっている。そう明日は七海の誕生日だ。
そして翌朝。僕はクラストの門の前で待っていた。そして僕らの前に一台の車が止まった。
「やあ、みんなおはよう。」
窓を開けて顔を出したのは天魔の姉ちゃんだ。しかも乗っている車は外車ときた。まったく何処まで優秀なんだこの人は・・・こんなにおちゃらけていてもちゃんと仕事はこなすのだからすごい。
「それじゃあみんな乗って。」
今日は朝からスケートリンクへ行く予定だ。これは七海たってのご希望だ。
「そういえばみんな滑れるの?」と天魔のねちゃんが聞いてきた。
「わからないや。僕ははじめただから。スキーは去年やったけど・・・」
「そういえば唯一君はスケート、始めてだね。私と七ちゃんは何回目だろう?」
数え切れないぐらい滑ってるわけだ。
「勿論、俺達は初めてだぜ。」
ノワールが言った。勿論だ。僕が行ってないのにノワールがいけるはずがないからね。
「それは楽しみだ。」
天魔のねちゃんが何か期待しつつ言った。
「やっぱり朝は空いてるね。」
駐車場はがら空きだ。
「それじゃあさっさと支度して行こうか。」
僕らはスケートリンクに来た。
「これがスケート靴ですか?なんか歩きにくいですね。」
雪が始めて履くスケート靴の感想を述べた。確かに歩きにくい。
「重心を真ん中に掛けるのが上手く滑るコツ。氷の上を歩くのではなく滑るのよ。じゃないとこけるわよ。あんな感じで」
天魔の姉ちゃんが指差した方向に変身したノワールがいた。そして見事にこけて氷の上を滑った。
「あんなふうに滑りたくないでしょ?」
僕は頷いた。
「OKそれじゃあ滑りましょう」
唯と七海はかなり上手に滑っている。雪も初めてと思えないほどに氷の上を滑っている。僕ですか?僕は・・・
「唯一君すごい・・・」
僕は氷とは相性がいいらしく唯達に負けないくらいに滑っています。
「さすが氷の使徒長の息子だね。氷との相性はバッチだ。」
天魔の姉ちゃんが走りながら頷いてる。
「姉さんどいて!!」
天魔の姉ちゃんの後ろからノワールが突っ込んできた。
「危ない!」
天魔の姉ちゃんは回転して突っ込んでくるノワールを避けた。そして勢いが止まらぬノワールはそのまま壁に激突。衝撃音が場内に木霊する。
「す、スケートって難しい・・・」
そんなわけでノワールの怪我だらけのスケートが終了した。
次にやってきたのが近くのスポーツセンターここでは色々なスポーツが楽しめる。ちなみに第三月曜日だけは館長の記念日だとかで無料で楽しめる。会場に着くとなにやらバレー部なんだろうかバレーボールを持ってユニホームを着た男子が数人いた。
「どうかしたんですか?」
僕は話しかけた。
「え?実は今日くる筈だったメンバーが事故に巻き込まれたらしくて遅刻するって・・もうすぐ試合始まるのにどうするかな?」
「何人足りないんですか?」
「三人。どうしようかなこのまま棄権するしかないのか・・・」
困っている人を助けるのが僕らの役目。
「僕達三人でよろしければ代役を務めますが、いかかですか?」
「君達が?ん~まあ、あいつらがくる間までお願いしてもいいかな?このまま何もやらずに終るのはどうも気に食わないんでね。」
「この件クラストがお引き受けいたしました。」
そんなわけでユニホームを借りてゲームスタートだ。メンバーは僕と七海、唯だ。
『七海力のセーブを忘れずに・・』
『勿論よ。さすがにただの大学生相手に全開はしないから。』
七海のサーブから始まった。
「いくよ!」
豪快なホームでジャンピングサーブを決める七海。
「はや!」
それはテニスで見かけるサーブの球によく似ていた。いや、あれは球という字ではなく弾と書くべきだろう。あんなボール誰も打てないって。
「七海!!」
七海は舌を出してテヘのポーズをとる。
『テヘじゃないよ。もう、力加減してよね。』
「あれでも思いっきり手加減したつもりだよ。」
その言葉にあいてチームが怒ったらしい、目が燃えている。
「七海。許可する。あの闘志の炎を消して。」
いや、恨まれるのはごめんなのでここでコテンパンに潰しておこうという意図だ。
「了解。」
七海の目がキラついた。
「次!」
そのあと七海によって相手チームがボロボロになった事は言うまでもない。またこの伝説はその学校で末永く語りづがれ手行った。
「ふう、いい汗かいた。」
七海は少量の汗をタオルで拭った。
「君は一体何者なんだ?」
大学生のお兄さんが聞いてきた。
「こんな可愛い子に向かって何者だ?はないんじゃない?」
「あ、すまない。」
七海はニッと笑顔で言った。
「世界最強の少女さ。」
そんなわけで次へ行こう。目的地に行く途中で天魔の姉ちゃんの携帯電話がなった。
「はいもしもし?あ、社長?」
しばらく天魔のねちゃんが話し終えた。
「了解です。」
「どうかしたんですか?」
僕が質問すると天魔の姉ちゃんはニッと笑った。僕らは嫌な予感のメーターが振り切れた。
「前回のゲームのイベントで君達の反響がよかったからまたやって欲しいって社長が。」
僕らは後ずさりした。勿論逃げられるわけもなく・・・
高橋家。
「今回のゲームは私が作ったんじゃないんだけどね。私は技術スタッフに回ったから。でもこう言った衣装は私担当なんだ。」
天魔の姉ちゃんは衣装を探しながら言った。
「あ、そうそう。前回一番反響がよかったのは唯一君だったよ。なかなか女装が似合っていたって。」
あまり嬉しくない・・・むしろ悲しいのだけれど。
「よかったね唯一。」
ノワールはいやみ顔で言った。僕は苦笑いをした。
「あった。今度の衣装はこれ。」
出てきた衣装をみてびっくり。なんと今話題の新作恋愛ゲームのキャラコスチュームだった。例によって天魔の姉ちゃんが用意したのはあの時使ったボックス。
「この中にはみんなの名前が書いてあるボールがはいってるの。選ばれた人がこの衣装選択ボックスからボールを引いてそれを着てもらうからね。拒否は無し。」
命令である。しかも拒否権無しときた。
「じゃあ最初は唯ちゃん引いて」
唯は少しドキドキしながらカードを引いた。
「あ、ノワール君だ。」
「俺ですか。」
ノワールはカードを取った。
「お、主人公って書いてあるぜ」
「主人公ね。それじゃあ、衣装はこれ、学生服。」
出てきたのは紺色のブレーザーだ。
「それじゃあ、変身!」
僕の昔の姿に変身した。
「少し、大きいかもしれないけど我慢してね。」
ノワールは衣装を受け取り着替えた。
「それじゃあ、次行こうか。」
ノワールはカードを引いた。
「唯一だよ。」
「僕か・・・・」
微妙なため息をつきつつ僕は天魔の姉ちゃんが持っている衣装選びのカードが入ったボックスに手を入れた。
「えっと・・・ヒロイン 二宮 咲夜。元気で活発な女の子・・・・また女装ですか?」
天魔の姉ちゃんは嬉しそうに頷いた。
「はいこれ。」
渡されたのは学校の制服。勿論女子の物だ。ここからは以下省略。書いてるいと面倒だから。余談だがイベントは大成功だ。最後に一言、僕は男です。