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三題噺もどき5

GW明け

作者: 狐彪
掲載日:2026/05/08

三題噺もどき―はっぴゃくろくじゅうろく。

 




 少し前まではピンクの花びらが舞っていたような気がするのに。

 校舎沿いに咲いていた桜は、緑の葉を枝いっぱいに広げている。

 花壇に咲く花の上を、白や黄色の蝶々が舞い、花びらの代わりに舞っている。

「……」

 季節はいつの間にか終わり、気づかぬうちにまた変わっている。

 特に最近は、暑い日が続いてばかりで、もう既に夏なのではないかと思ってしまう。

 昼間なんて毎日暑い暑いと言っているような気がする。

「……」

 長いゴールデンウィークが終わり、ストレスフルな日々が終わった。

 毎日毎日、頭が悪く、デリカシーの無い大人に付き合わないといけなかった日々はようやく終わった。狭い田舎しか知らない老人の相手をするのはほんとに疲れる。

 言葉が悪くて申し訳ないが、無能、ノンデリ、老害の三拍子の相手なんて、誰でも疲れる。

「……」

 どれだけ学校に行った方がましだと思ったか。

 家で勉強している方が楽だと思ったか。

 引きこもっていたいとどれだけ思ったか。

「……」

 本当に疲れた。

 何をどうしたらあんな風になれるのか不思議で仕方ない。

 私の母親が同じような非常識にならなくてホントによかった。

「……」

 ただでさえ外出したり人の多いところに行ったりするのは苦手なのに。

 ゴールデンウィークで誰もが外出して、観光スポットなんて言われている所は人がごみの用に居るのに。

 毎回そういう場所に行って、歩くのが遅い老人に合わせてゆっくり歩けば、周りの迷惑になり。大きな声でデリカシーの無いことを何でもないようなことのように言うのを気まずい思いをしながら聞きながして。

「……」

 精神を削りながら過ごす休日が楽しいわけがない。

 せっかくのゴールデンウィークがすべて台無しになった。

 休みなんて短くてなんぼだと思う。

「……」

 これをまた夏休みに経験しないといけないのか……。

 毎年の事だが毎年ホントに学習しないし、こちらも疲れると言うのに。母は断らないし、こちらが気をつかうべきだとまで言うし。

 実の母親だからそういうのは分かるが、板挟みになっているような状況が続くのもものすごく疲れた。

「……」

 ようやく解放されたのに、あの時こうしてればとかこういってやればよかったとか、そんなことを考えるのも嫌だ。夜になればそんな事ばっかり考えて、学校が始まっても授業中にそんなこと考えて。

 今も、楽しくもなかったゴールデンウィークの事が頭を巡って。

「……聞いてる?」

「……、ん、ごめん、ぼうっとしてた」

 せっかく、いつものように昼休みにこうして、あの子と居るのに。

 余計なことばかりが頭を支配して、話に集中もできない。

「疲れてる?」

「いや、まぁ、」

 余計な心配をさせたくないのに、ぼうっとしてしまっていけない。

 何をこんなに考えているんだろうと自分でも不思議に思うくらい考えてしまう。

 もう終わったことで、どうでもいいことで、考える必要もないことなのに。

 意識的に、意識を変えようと、会話に集中する。

「……ゴールデンウィーク楽しかった?」

「ん~おばあちゃん家に行ってたから、いつも通りって感じ」

「そうなんだ、――県だっけ」

「そう、観光も行って来たけどね」

 そう言って見せてくれたのは、楽しそうに笑うこの子とその家族。

 ご両親に姉と祖父母だろうか。母方の祖父母がそこに住んでいると言っていたはずだ。

 回りにたくさんの観光客が見える。まぁ、ここは確かに観光スポットとしては有名な場所だ。

 ちなみに先程お土産も貰った。可愛いキーホルダー。

「あとねぇ」

「……」

 そういいながらスマホを操作し、いろんな写真を見せてくれる。

 どれも楽しそうだし、風景の写真もいくつか見せてくれた。

 これくらい楽しければ、そりゃいい思い出になるだろうな。

「――は?おばあちゃん苦手なんだっけ」

「ん~というかもう嫌いw」

「やばw」

 母にはこんなこと言えないな。












 お題:桜・三拍子・蝶々

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