◆ 第7話:七禍討伐隊《オルタリンク》
2章 本日分更新です。
明日も更新あるので、よかったら見てくださいー!
翌朝。
俺たちは、村の中心にある広場へ呼び出されていた。
冷たい風が吹き抜け、
森のざわめきが遠くで止まったまま響いている。
世界は止まっているはずなのに、
この村だけは——
人の“生活の匂い”が残っていた。
広場の中央には、
すでにライナと八人の融合者が並んでいる。
昨日までは姿を見せなかった面々もいるらしく、
どの顔にも、戦場を見据えた覚悟が滲んでいた。
その前に立つのは、もちろん——ライナ。
「よし。改めて紹介する」
低く、よく通る声。
「ここが七禍討伐隊だ」
⸻
ライナが顎で合図すると、
まず一人、全身から熱気を放っていそうな男が前に出た。
◆ 1人目:熱盛 修造
融合元:タングステン
能力:耐熱•放熱
「熱盛修造!!
世界一アツい男だ!!
タングステンと融合してるからな、
灼禍でも氷禍でも、前線は俺に任せろォ!!」
「うるさい……」
セリアが小声で耳を塞ぐ。
修造は気にせず親指を立てた。
「蓮!
非融合者なのに七禍とやり合った根性、気に入ったぜ!
一緒に燃え尽きような!!」
「……燃え尽きたら死んでるじゃんか」
⸻
◆ 2人目:倍返死 郷
融合元:バネ
能力:ダメージカウンター
イカつい見た目をした男が一歩前へ。
「世界一復讐する男……倍返死 郷だ。
バネと融合している。
受けたダメージを倍にして返す……ただそれだけだ」
「それ、七禍相手だと即死コースじゃね?」
「だから後衛だ。
小さいダメージだけ拾って返す。
……目には目を。歯には歯を。倍返しだ」
セリアがぼそっと呟く。
「……言葉の割には規模が小さそうね」
⸻
◆ 3人目:音無 美琴
融合元:マイク
能力:応援歌•音圧攻撃
柔らかな雰囲気の女性が一歩出る。
「音無美琴です。
世界一の歌声……なんて言われてました」
背に装着された融合物体はマイク。
「歌で広範囲の小回復と身体強化。
それと、音圧で遠距離攻撃も少しだけ」
「戦場で歌うのか……?」
美琴は微笑んだ。
「ええ。
恐怖を、少しでも薄められるなら」
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◆ 4人目:エリス・ワイドレンズ
融合元:ドローン
能力:視界強化•視界共有
金髪の軍人のような見た目をした、女性が肩を鳴らす。
「エリス。
世界一視野が広い女」
背中には軍用ドローン。
「索敵、地形把握、敵の挙動予測。
サボってたら即バレるから覚悟しなさい」
美咲が苦笑する。
「……怖い」
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◆ 5人目:風間 左馬介
融合元:風切羽
能力:風圧斬撃
白髪に隻眼、長い髭。
ただ立っているだけで“圧”がある。
「風間左馬介。
世界一の剣士だった」
融合物体は“風切羽”。
「今は、風と共に斬る」
空気が一瞬、裂けた気がした。
「……おっかねー爺さんだ」
俺は本能で距離を取る。
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◆ 6人目:岩戸 稔
融合元:ダイヤモンド
能力:硬化
岩みたいな体格の男。
「岩戸だ。
世界一、痛みが嫌いだった。」
「その身体で!?」
「嫌いすぎて鍛えた結果だ。
そしたら世界一硬くなった。
ダイヤモンドと融合してる。
物理ダメージは、ほぼ通らん」
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◆ 7人目:梟森 透
融合元:梟
能力:サイレント
気づけば、すぐ隣に立っていた。
「……梟森、透です。
世界一影が薄い男」
融合物体は夜目の効くフクロウ。
「偵察担当です」
「今の今まで、存在に気づかなかったんだが?」
「……褒め言葉ですよね?」
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◆ 8人目:真壁 絵音
融合元:絵の具&筆
能力:具現化アート
紫髪の青年が、少し照れたように前へ。
「真壁絵音。
世界一の絵師って言われてた」
空に線を描くと、ナイフが具現化される。
「実物になった!?」
「装備品のような道具しか作れないけどね」
「いや、普通にチートだろ」
⸻
ライナが最後に言う。
「今ここにはいないが——
偵察担当がもう一人いる」
◆ 9人目:ノエル・ヴァルテン
融合元:建築ナノマシン《ビルドコア》
能力:空間設計・仮想構築
「世界一のルームデザイナーだった男だ。
空間そのものを“設計して作り替える”融合者だ」
「壁、床、通路、拠点。
人間が活動できる空間を、戦場の中に無理やり作り出せる。
氷禍領域の“縁”に人が住める場所があるのは、全部あいつのおかげだ」
セリアがわずかに目を見開く。
「……空間構築。
前線基地を維持できる能力……かなり重要ね」
ライナはニヤリと笑う。
「お前ら三人を含めて、これで十三名。
今日から正式に、オルタリンクの一員だ」
俺は軽く頭を下げる。
「……よろしく頼む」
美咲も慌てて頭を下げる。
「よ、よろしくお願いします……!」
セリアは腕を組んだまま言う。
「……ずいぶん癖の強い集団ね」
ライナは肩をすくめる。
「だからこそ、七禍とやり合える。
心配すんな、全員俺が認めた融合者だ」
⸻
「今日は氷禍領域の“縁”まで行く。
ノエルの偵察結果を聞いて、戦闘方針を詰める」
視線が一斉に前を向く。
止まった世界に、
確かに——“軍”が動き出した。
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