◆ 第10話:氷禍•反撃
七禍の本気が始まります。
後悔させないので、良かったら最後まで見て行ってくれたら幸いです。
明日も勿論更新しますので、よろしくお願いします。
氷禍の全身から、
“最大出力”の凍気が解き放たれた。
世界が、白く裏返る。
音が、遠のく。
視界の端が、凍りつく。
——寒い、なんて言葉じゃ足りない。
“温度という概念”そのものが、削られていく感覚。
「っ……!!」
足元の地面が、音もなく崩れた。
凍結、ではない。
構造そのものが、脆くなり、砕け落ちている。
「全員、距離を取れ!!」
ライナの叫びが、氷気の中を切り裂く。
だが——
氷禍は、もう“こちらの間合い”を理解していた。
氷の体が、ゆっくりと腕を上げる。
空間が、軋む。
次の瞬間。
無数の“氷の刃”が、
扇状に展開された。
「みんな退がれぇ!!」
岩戸が前に出る。
「硬化——最大!!」
岩戸の身体が、ダイヤモンドに硬質化する。
——だが。
氷の刃は、“硬化の隙間”を縫うように軌道を変えた。
「——っ!?」
数枚が、岩戸の肩をかすめる。
浅い傷。
だが、血が——凍っていた。
「……氷刃が……狙いを変えた……?」
セリアが息を呑む。
「氷禍……軌道を“最適化”してる……!」
氷禍は、
もう“無差別に壊して”いなかった。
——殺すための、最短距離を選んでいる。
それは衝動じゃない。
“処理効率”という名の残酷さだった。
「修造!! そっち来るぞぉおお!!」
ライナの声が飛ぶ。
だが、修造は笑っていた。
「ははっ! 俺がやらなきゃ誰がやる!
ここからが本番だろォ!!」
修造の全身が、さらに赤く輝く。
「放熱——限界突破!!」
修造の熱量が、氷禍の腕を包み込む。
氷が、溶ける。
砕ける。
「いける!! まだ——」
その瞬間。
氷禍の胸部から、
“圧縮された冷気の槍”が放たれた。
速すぎて、見えなかった。
「——え?」
修造の胸元に、
“白い線”が走る。
次の瞬間。
修造の上半身が、凍りついた。
「……ぁ?」
その声が、なぜ出たのか。
修造自身にも、分かっていなかった。
音が、遅れてきた。
——バキン。
凍結した胸部が、砕ける。
修造の身体が、前のめりに崩れ落ちた。
「……修造……?」
音無の声が、震える。
「……嘘だろ……」
誰も、すぐに理解できなかった。
ほんの数秒前まで、
“前線を押し上げていた男”が——
地面に、倒れている。
セリアの端末が、無機質に告げる。
《融合者003:生命反応……停止》
世界が、音を取り戻したみたいに——
全員の耳鳴りが、いっせいに鳴り響いた。
「……っ、後退しろォォォ!!」
——くそ……ッ。
俺の判断が、遅れた……
ライナの怒声で、ようやく身体が動く。
だが、氷禍は待たない。
“反撃ターン”は、もう始まっている。
氷禍の視線が、
次の標的を捉えた。
——まだ、終わらない。
初の犠牲者と、本気の七禍どうでしたか??
明日からもバチバチにいきますので、良かったらまた来てくださいませ〜




